陰陽ノ花〜現代陰陽師奇譚〜

＊弐ー②

第四集：野望

　僕は体に憑依させた朱雀の力を使い、先々代宗家を攻撃し、そのおかげで先々代宗家の利き手にに火傷を負わす事が出来た。それに続いて宗家が十二将神を召喚し、攻撃を続ける。




増輝｢ぐ、...！｣




　先々代宗家はそれを何とかかわしたが、流石に多量の霊力を消耗し過ぎたようで、その息はとても荒かった。が....



正明(また先々代宗家の霊力が....)



先々代宗家はまた霊力回復の符を飲み込み、霊力を回復させたのただ。




　　　相手の出方を見るため様子を伺っていると、癒良と手をつなぎ、背中合わせになっている紫苑さんの姿が見えた。



　　紫苑,癒良｢｢太極創成。｣｣


正明(太極創成...?!)



　　　　二人の霊力は合わさり、眩い光が放たれた。しかし、それはただの光ではない。...太極図の形をしていたのだ。




正明(なんて事だ...本当に成功してしまうなんて...)




二人は出来た太極の光を先々代宗家にぶつけるが、それは効かなかった。



太極の光を使っての攻撃が効かなかった紫苑さんは、刀印を組み直すと、何やら呟き始めた。



言霊を唱え終えた紫苑さんの右手には、ナイフが握られていた。紫苑さんはそれを自分の腕に当てると



　　　紫苑｢っ、！｣


　そのままナイフを引き、狩衣の上から自分の腕を切りつけた。




正明(いったい何を....)




　　紫苑さんは腕から滴り落ちる血を手に取り、それで自分の胸元に桔梗紋を描き始めた。




  紫苑｢安倍晴明の末裔、陰陽師･安倍　紫苑の名において我が身に封ぜられし天狐の玉を解放す。解！｣ 



そして、よくみると紫苑さんの手には玉が握られていた。





正明(今、確かに天狐の玉と言いましたよね....つまり、紫苑さんが葛の葉姫の玉の保有者....？！)