陰陽ノ花〜現代陰陽師奇譚〜

第四集 参ノ巻

“魂の記憶“

美言｢父上。｣


　晴明｢美言か…｣

美言｢お久しぶりです。父上。｣


美言｢父上。私に陰陽師としての強い力はありますか？｣


　　晴明｢私はそなたに強い力を感じるが…美言はどう思う？｣


　美言｢　私は…幼い頃より魑魅魍魎が視えておりました。そして...それらを祓う力も幼少の頃より持っていたのです。しかし、その力を皆気味悪がり、母上亡き後は私の味方は誰一人いませんでした。そんな時に、都に居る父上の事を思い出し会いに参りました。どうか…どうか私に陰陽術を教えて下さい！一人前の陰陽師になりたいのです！｣ 


晴明｢　私の教えは厳しいぞ。自分の子だから、女だからと甘やかしたりはしない。それに、女では民間の陰陽師にしかなれない。家名を再び上げたいならば、他の方法を考えた方がよいぞ。それでも、私に術を教えて欲しいのか？｣



美言｢....構いません。私に陰陽術を教えて下さい！｣


　それから美言は、修業に励み、一年後に史上初となる陰陽師分家を設立させた。