陰陽ノ花〜現代陰陽師奇譚〜

第一集 参ノ巻

１．賀茂の血を引く神官ー②

  清秋は車に乗り、府道を真っすぐと進む。すると、町並みが住宅街から山間の町に変わってゆく。清秋はさらにまっすぐ進むと、上賀茂神社に向かう最後の道を曲がった。
 





  上賀茂神社に着いた清秋は、上賀茂神社と書かれた標の立つ赤い鳥居をくぐった。

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  鳥居をくぐると、赤い美しい楼門が見えてきた。

そして、よく見ると、その楼門の前に誰かが立っている。

｢お待ちしておりました。｣ 





　そこに居たのは、幻影ではなく、紛れも無い唯幸本人だった。しかし、服装が違う。式符のなかの唯幸は紫と灰色の布を合わせた狩衣姿だったが、今の唯幸は宮司の格好をしていた。




唯幸｢私の家に案内致します。こちらへ。｣

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　上賀茂神社の境内を通り、裏道を進むと、日本家屋が見えてきた。



唯幸｢客間に案内しますよ。こちらです。｣