死にたがり幼女とマフィア

狐鳳

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1章 出会い

2.断罪と罪人

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※アルファード視点




   俺達を応接間に案内したブランドン伯爵は侍女に紅茶を持ってくるよう指示し


「どうぞおかけ下さい。」

 と、ニコリと笑って促した。

   俺は素直にソファに座り隣には俺の側近、というより俺の右腕と左腕が左右に座り他の奴らは俺の後ろ…ソファの後ろに立って待機している。

   チラリと応接間を見てみるととても絢爛豪華な調度品が並びタイト=ブランドンとカンナ=ブランドンはお揃いの色の服を着て、その一人娘であるハンナ=ブランドンはピンク色のレースをふんだんにあしらったドレスを着ていた。





   カンナ=ブランドンは濃い青の髪に緑の瞳で当主のタイト=ブランドンは簡単に言うと水色の髪だが、よく見てみると髪の先が濃い青へとグラデーションのように変わっていて、ピンク色の瞳を持っていた。



   2人の遺伝子を確実に継いだのだろう、娘のハンナ=ブランドンは当主の髪の色より少し濃い青の髪だかその濃さは母親ほどはいかず、そして瞳は父親のピンクより少し濃いだろう色をしていた。


 

   そうやってハンナ=ブランドンを見ていると当主が不思議そうな顔をして聞いてきた。




「ハンナがどうかしましたか?」



「いや、すまない。あまりにも綺麗な形で遺伝子を継いでいたものだから。」
 


「遺伝子ですの…?」



ブランドン伯爵夫人がそう言うと令嬢は言っていることを察したのだろうか



「もしかして私の髪と瞳のことですよね…!」

 

「ああ、貴族たちの中でも親の特徴を継いで産まれてくるのは別に珍しいことではないが綺麗に別れて継がれるのは珍しいからな」

 


   そう言うと俺はカップをソーサーに置き足を組んでソファーによりかかる。










   先程までの無の表情ではなく眉間に皺を寄せた状態で……







「さて、それでは本題に入ろうか。」


 
   そう言うと俺の右腕のカイン=ゼストルがある書類を当主に渡す。


「これは…一体なんですか?」

  

「それはあんた達が今迄に犯して来た罪の内容っすよ。」



  左腕のレオン=ブラッドが言う。



「罪…一体なんのことですの?私達は罪を犯した事など1度もございませんわ。」



  ブランドン伯爵夫人が少しムッとした表情でそう言った。



   こいつらは自覚していないのか…?それとも分かっていて知らんぷりをしているのか…。
どちらにせよこいつらが罪を犯した事は事実だ。覆ることはない。


「本当に何もしていないとおっしゃるのですね?では、1つ1つ貴方方がした事を読み上げて差し上げましょう。


………まず、領民への不当な税の徴収、そしてその税を使っての贅沢な暮らし。これだけならまだしも貴方方は気に入らないものを嬲り殺したり、死なない程度に拷問したり…挙句の果て娘のハンナ様に関しては王妃様主催のお茶会に招待されていないにも関わらず、無理矢理押し入り王妃様と話していた他のご令嬢に強く当たりあまつさえ自分より下の貴族令嬢にお茶をかけるとういう行為…。ちなみにそのご令嬢は頬に火傷の跡が残ってそちらのご当主含め一家が相当お怒りです。」



「わ、私はそのようなことしていない!そんなの事実無根だ!!」


「っ…そうよ!!私達はそのようなこと一切しておりませんわ!」



「黙れ」



   俺がそう言うと2人は押し黙る。するとレオンが……


「…ボス、殺気ダダ漏れっすよ」


   そう言われて殺気を出していることに気づきスっと抑える。


   ちなみに娘は俺の殺気に怖気付いたのかガタガタと体を震わせて今にも気絶しそうな感じだ。


………ちょっとやりすぎたか?


   レオンがチラッと俺を見て殺気を抑えたのを確認すると、


「ま、そういうことなんで。これから王国に行って貰いますっすよ。あ、因みにこれ最初も言った通りもう決定事項なんで。」



   そう言い後ろの仲間に合図すると一旦部屋を出て王国騎士団を連れてくる。



「な、何故王国騎士団がここに……!」

 

「貴様らは罪を犯した罪人だ。そやつらにかける温情は少しもないと思え。何より王命だからな。



……罪人を捉えよ!!!」



   そう言うと王国騎士団は喚く2人を拘束し連れていく。娘はとうとう限界が来たのか泡を吹いて倒れている。




……何とも弱いものだな。




「それではアルファード様、この屋敷の使用人達も同様に連れていきます。後のこと…あの子の事は任せました。」


   そう言い、王国騎士団団長は頭を下げこの場を去る。



   しばらくすると屋敷のあちこちから悲鳴やら怒号が聞こえてくる。これは全てを拘束するのは時間がかかるな…。


「これで、漸く終わったっすね。
どうします?もう、すぐあの子のとこに行きます?」



「そうだな…できるだけ早く助けてあげなければな…。」

 


   そう言うと俺は立ち上がり窓の外から見たあの子を思い出しながらあの子がいるであろう屋根裏部屋へと向かう……。














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