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6.

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紫央目線
「おーい!しお!起きて!」

寝起きから視野の9割好きなやつの顔とかサイコーかよ。

「なに。」
「散歩しに行こ!」
「…着替える。待ってろ。」
「分かった。じゃあ先屋上行ってるね」
「……屋上?…散歩ってまさか」
「うん?空の。」

金銭感覚はちゃんとしてるんだけど、たまに行動が突拍子もねーんだよな笑

「あとから行く。」




「……ね。僕の星いる?」
「…………は?」
星?
「お前それの意味わかってんのか?」
「……【僕の隣で笑う君に僕の全てを捧ぐ】僕の隣にいてよ……紫央。」

まだ……まだだ。まだいらねー。
まだ、【全てを捧ぐ】の意味が変わってからじゃねーと。
それまで待つ。待てる。

「……まだいらねー。」
「…………分かった。なんで?」
「またいつかな。」

 

「じゃあ、おやすみ紫央」
「あぁ。」

………………
「よー。双子。」
「やぁ。双子。どうしたんだい?」
「虹が星を俺に。」
「良かったね!」
「良かねーよ!」
「……もしかして断ったの?」
「あぁ」
「バカなの?」
「だって虹、【友人】として星を渡そうとしてくるんだぞ?」
「……バカだね。星は部屋の合鍵にもなるんだよ?」
「……部屋の合鍵はもー持ってる。」
「じゃあさっさと付き合え。」
ブッ
くそ可愛くねーなあいつ
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