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仕方ない起こすか。

「虹……こーうー……こー?こう。こーおー?」
なんでこんなに呼ぶのかと言うと、触れられないから。……理由は……まぁそういうこと。

「こー!」
「んーん……なに」
「ここ俺ん家、何してんの?」

確かに予備のカードキー渡したけどよ
普通かってに入ってベットで寝るか?
いや、付き合ってたら天国だし、今も嬉しいけど……

「……自分のカードキー無くしたから部屋に入れなくて……」

【無くした】じゃなくて【盗まれた】なんだろうな虹の場合。

「……客用ベットだしてくる。寝てていいよ」
「え、なんで?このサイズなら2人で寝れるでしょ……クイーンだよね?」

つまり、俺に1晩拷問を受けろと。
でもせっかくの虹からの誘い……

「分かったじゃあ風呂入ってくる。」
「……いってら……し」

おやすみ3秒
ガキかよ笑

……さぁ冷水を浴びてくるか。
さぁ地獄の始まりだ。





まぁ寝れるわけなくて
7時間が経過。


朝メシつくってやるか。

・昨日は遅くまで俺の机で勉強してた
・夜中にうなされてた
・就寝時間8~9
……フレンチトーストか。




ガチャ

「……しお?」
寝起きの虹が開かない目を擦りながら俺の名前を呼ぶ。
うん。最高。

「おはよ。顔洗ってきな」
「おはよ~……うん。」
パタ、パタ、パタ
ガチャ
パタン

……
サイズの合わないスリッパなんて履いてるから足音がパタパタ……どこまでもかわいーなクソ!

ジャー
ガチャ
パタン
パタパタパタ

「フレンチトースト出来たぞ」
「……丁度食べたかった。すごい偶然。」

偶然じゃないからな。
虹は行動にパターンがあるから分かりやすくて助かる。

……何でもしてやる。なんでも言ってやる。だから早く俺を好きになれよ、虹。

「ん~美味し。ありがとう。今度なにかお礼するね」
「いいよ。これも如月家の仕事の1部だから。」
「……如月家だからってお礼しなくていいって言うわけじゃないでしょ?何がいい?」
「……虹……欲しい」
虹が欲しい。

「ん?なにが欲しい?」
「今度の日曜日一緒に探してよ。」
「分かった。」

よっしゃデート!
……ダメだよこんなの信用しちゃ。





「紫央様、今度私の×<々^=+*」

朝はあんなに幸せだったのに……
お前が話してんのは俺じゃなくて如月家だろ。

「黙れ。俺はなさっきまで気分が良かったんだ。なのに、今は訳分からねーことを言ってる訳分かんねー男のせいで気分が悪い。
この学校に居たいんなら今すぐうせろ。」
「……」

やっと静かになった
……虹に会いたい


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