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王子様に婚約破棄されましたが、なぜか私の方が幸せになってしまったようです。

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「 今日を限りに婚約破棄させてもらうぞ。ガーベラ!お前は聖女を名乗るには不適切だ。お前の悪行の数々を皆に知らせる時が来た。」

婚約者のショーンは大勢の人々が集うパーティの席で、ここぞとばかりに私を罵倒した。

ショーンは聖女の私と昔からの、しきたりによって婚約者となった。最近ショーンが隣国の皇女様のマリーと、良い感じになってる事は知っていた。

だって私は聖女ですもの。他の人々には見ることすら出来ないご先祖様や守護霊様達や天子様だって見える。

私達はお互いに会話してると思っているかもしれないけれども、実のところは自分達の周りにいらっしゃる霊の皆様が全部、話をまとめているなんて事は、よくある事なのです。

「 私は悪い事などしてません。でもあなたが婚約を破棄されるのでしたら、出て行きます。」

そう言って私は祖国を後にした。私の後ろには国民の列が出来た。

そのまま隣国へ逃げた私に、なんと求婚する人がいた。私の元婚約者のショーンに自分の婚約者だったマリーを奪われたダンだった。

ダンは私の魔力を称賛し、聖女として信頼してくれた。

私は褒められると力を発揮するタイプだったらしい。

今まで出来ないと思っていた事や難しいと思っていた事が、なんと簡単にやすやすと出来るようになった。

祖国に侵入した魔獣も、この国には私の張り巡らせた結界によって侵入することは不可能だ。

祖国は山が燃えて水はニガヨモギの味になってしまったが、この国は平和そのものだ。

それはまるで人々の心の安寧が表面に現れているかの如くであった。

なんだか私凄い幸せです。いえいえ復讐なんてしてませんよ。全て神様にお任せいたします。
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