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私を冷遇してきた婚約者が、婚約破棄寸前で溺愛してきたんですけど。

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「 セラフ!お前にはウンザリなんだよ!」

それは、ワタクシのセリフだけどな!と私は心の中で毒付きながら、大人しく見えるようにした。

婚約者のラクスレート殿下は満足げな表情を見せている。

ラクスレート殿下の後ろには彼の腕をぎゅっとつかんでカミルがこちらを見ている。

ピンク色の長い髪をクルクルに巻いて、長いまつ毛をバシャバシャしばたいている。

クソ可愛いじゃないか。
だけど、今までさんざん嫌がらせをしてきた私に対しては、さすがに可愛いだけではいられないらしい。

顔にデカデカとやってやったぜいと、書いてある。
本当今まですみませんでした。
ごめんなさい。

「 僕の愛するカミルに、さんざん意地悪をして来たな!あんまりだ。」
「 ごめんなさい。許してください。」

婚約破棄されたのは本当に良かった。
全て計画どうりですが、とにかく謝っておかないとね。

後はラクスレート殿下から婚約破棄されて出て行くか、自分から婚約を辞退して修道院に入るのはどうかしら。

侯爵令嬢が貴族の身分を捨てて修道院に入るのだから、罰としては十分よね。

これから一生、自分を愛してくれない男と暮らすなんて無理。

「 謝ってすむかー!お前との婚約は・・・」

来ました!あーやった、やっとここまで来たー。
皆がかたずを飲んで見守っている。
が、ラクスレート殿下は頭を抱えて黙り込んだ。
このタイミングで?

私はラクスレート殿下と目が合った。
ラクスレート殿下は私を抱きしめて叫んだ。

「 セラフ愛してる!」
ハー?
カミル嬢はギャン泣きするし、会場は、
「何、何、イベント?」
ビックリしたーって声が聞こえるけど一番ビックリしてるの私ですから。

「 もう大丈夫だよ。セラフを絶対に離さないよ。」
ラクスレート殿下の目が怖かった。

今まで一度も見た事の無い目。

どうやって家に帰ったのか覚えて無いくらいだ。

それから私にはラクスレート殿下からの溺愛の日々が始まった。
「 これから絶対大事にするね。愛してるよ。」

ラクスレート殿下が私に説明した話によると、
「自分は異世界から転生して来た」
と、言うんです。
もう
何言ってるのか、わかん無いんですけど。
それから私はラクスレート殿下に溺愛されて暮らしました。

その話はまた今度お話ししますね。

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