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聖女の私は婚約破棄されました。婚約指輪を返せと怒鳴られたので呪いを込めてお返しします。
しおりを挟む「 エリザベス、お前との婚約は破棄させてもらうぞ。聖女の仕事もクビだ!」
青葉が芽吹き風がかおる美しい夜のパーティの席で、婚約者のゴールデン殿下が私に怒鳴った。
私は長い間、この国の聖女として国の為に祈りを捧げて来た。
自分の自由な時間なんて無い。
聖女になった途端に王子の婚約者になってしまったから、お妃教育も始まった。
本当に命を削り、身を粉にして働いて来た私に突然婚約破棄を言い渡すなんて。
パーティの席は騒然となった。
皆、かたずを飲んでどうなるかを見守っている。
「 ゴールデン殿下本気ですか?
私とあなたの婚約は国王陛下のお決めになられた事ですよ。」
「 うるさい、うるさい、黙れ!
お前が本当の聖女であるサリーの力を奪って聖女になった事を知ってるんだぞー。
お前が可愛いサリーをイジメてる事もな!
さっさと出て行けよ。
あっ、指輪は返せよな。」
ゴールデン殿下は真っ赤な顔をして、目をひん剥き、ツバを飛ばしながら叫びました。
しかも婚約のあかしにもらった指輪まで返せと、手を伸ばして
「 ほら、返せよ。」
なんて言ってます。
金色の髪に青い瞳のイケメンなんて思ってたけど、なんて滑稽な姿でしょう。
私はその姿を見て呆れてしまいました。
この人と結婚して幸せになる未来は想像出来ませんでした。
「 わかりました。出て行きます。」
そう言いながら私は指輪を外して、ゴールデン殿下に返しました。
その瞬間、渾身の怒りと呪いを込めてしまいました。
いやあ、わざとじゃ無いんですけどね。
私もイラッとしてましたから。
ついです。ついね、婚約指輪に呪いを込めてしまいました。
私は城を出て歩き出しました。
精霊達に頼んで、全てのいきさつを国民の目の前に映してもらいました。
この国に魔獣が侵入しました。
山は噴火し、水はニガヨモギの味になって、土地は燃えました。
この世の地獄の光景が広がっています。
私は国民達を結界で守り、それぞれが行きたいところまで送り届けました。
風の噂で、ゴールデン殿下は重い病気になったそうです。
全ては神さまの言う通りですから。
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