おっさんだってアイドルになりたい！

0からのスタート

　このゲームでレート1位になるために重要なのはまずスキルポイントを上げて自分自身のスキルを向上させることだ。
　小金健太のスキルはまだ始めたばかりなので3つとも全て0である。

「さて、練習開始するとしよう！」

　しかしながらアイドルなので一緒に練習してくれるコーチを見つけなくてはならない。
　コーチを見つける方法は募集するかスカウトされるかの2つの方法のみとなっている。

「とりあえずコーチやマネージャーを募集できるロビーに行ってみるか。」

　ロビーには掲示板がありそこで募集をかけることが可能だ。

「ようこそロビーへ！募集を掛けますか？」
「はい、お願いします！」
「マネージャー、コーチ、ユニットがありますがどれをご所望ですか？」
「コーチでお願いします！」
「かしこまりました！本日発売初日ですのでサービスでコーチをすぐにスカウト出来ますがサービスチケットをご使用しますか？」

　サービスチケットとはログインした際に受け取ったチケットのことだ。

「あ、じゃあお願いします！」
「それではこちらのガチャをどうぞ！1等が金色2等が銀色3等が銅色となっております！」

　1等を引ければSSレアのコーチが手に入りスキルポイントをたくさん稼ぐことができる。
　ガチ勢はガチャをたくさん引きSSレアを狙うのだろう。

　そして小金健太はガチャを引いた。

「おお！これは！」
　
　受付嬢が声を上げた。

「おめでとうございます！3等です！それではBランクのコーチを用意いたしますので少々お待ちください！」

　うまくいくはずもなくBランクだった。
　このコーチはユニットを組めば全員で共有できるため誰か1人でもSSレアを持っていればそのユニット自体が強くなるシステムになっている。

「こんにちは！これからよろしくね！」

　いかにもダンスをしてそうな女性が現れた。

「あ、よろしくお願いします！」

　この人の担当はもちろんダンスだ。
　全てのスキルポイントを上げるにはそれぞれの担当が必要となるので3人必要だ。

　こうしてダンスのレッスンが始まった。
　このVRゲームはスタミナ制だ。
　スタミナが無くなればダンスの練習は出来なくなる。
　スタミナを上げる方法はダンスのスキルポイントを上げることだ。
　つまり、ダンスのスキルを上げればダンスの技術が上がりスタミナも上がるという一石二鳥なのだ。

　こうして0からのスタートからダンスレッスンが始まった。