95 / 144
ジェルたちの『北国迷宮』攻略⑥
しおりを挟む
さて――――本来は斥候であるジェル。 剣術は、基礎的な技量しか持ち合わせていない。
古代魔道具である『妖刀ムラマサ』と『名刀コテツ』の力により、剣聖の技を使用できるのだ。
しかし、それは――――
『虚空斬撃翔』
『天魔六乱舞』
『土龍激突』
これら3つが使用できるだけでなかったのか?
なぜ、斥候という戦闘職ではないジェルが『バインド』や『合気』などの高いレベルの剣術が使用できるようになっているのか?
それは2本の刀に仕掛けがある。
持ち主が刀の柄を握った時、その静電気に反応。 心体から状況を読み取る。
それから、過去に学習した剣聖や達人の技を、持ち主の脳や目にフィードバック。
微弱な電波により、脳と目を経由して全身に渡り、剣技の再現を可能としている。
無論、あらゆる環境の戦闘に対応するために数多くのセフティが仕掛けられており、前記の機能が発揮できない場合でも技を使用する事が可能である。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
「これは凄いなぁ……」と冒険者は、ため息交じりに言う。
それは、称賛と驚愕が混じったため息だった。
ジェルたちの戦闘音は、ダンジョンに響いていたらしい。
徐々に、時間経過に合わせて人が集まってきた。
『北国迷宮』という高難易度ダンジョンに挑戦する者たち。
全員がジェルたちよりも格上の冒険者たち。
「まさか、隠し部屋をB級冒険者が発見するとは……」
「迷宮を故意に破壊する事は法によって禁止れてる。気づいても手を出せない奴もいただろう」
「いや、それにしても……なんなんだ? こいつは?」
上位冒険者も討伐された霜の将軍に驚きを隠さない。
「魔力を使用せずに動き続ける古代ゴーレムの亜種。覆ってる金属は剣や鎧に使われる素材よりも弱そうだが……」
「装甲版に下に覆われてる黒い物体はなんだ。触れて力を入れると沈んでいく。これで衝撃を吸収しているのか?」
そんな彼等に対して、討伐者であるジェルとシズクは――――
「分析は終わったわよ」と別パーティの魔法使いに紙を渡された。
討伐した存在が何か?
『霜の将軍』
封印された古代の魔物としか、わかっていない。
そこで集まってきた上位冒険者の魔法使いに分析を依頼したのだ。
依頼したのだが――――
「……書いてある言葉は読めるが意味がわからない」とジェル。
「見てるだけで頭がクラクラしてくるぜ」とシズクは「あとは任せた」と言い残して離れて行った。
「私だけでできる分析は、これが限界よ。この紙を『大学《アカデミ》』みたいな研究機関に渡して解析を依頼しなさい」
「もっとも……」と彼女は付け加える。
「これは、たぶん未発見の魔物。『大学《アカデミ》』の方から金を持って解析させてくださいってくるでしょうね」
「たぶん、相当な金額になるわよ」とウィンクをして、魔法使いの彼女は仲間たちの元に戻って行った。
古代魔道具である『妖刀ムラマサ』と『名刀コテツ』の力により、剣聖の技を使用できるのだ。
しかし、それは――――
『虚空斬撃翔』
『天魔六乱舞』
『土龍激突』
これら3つが使用できるだけでなかったのか?
なぜ、斥候という戦闘職ではないジェルが『バインド』や『合気』などの高いレベルの剣術が使用できるようになっているのか?
それは2本の刀に仕掛けがある。
持ち主が刀の柄を握った時、その静電気に反応。 心体から状況を読み取る。
それから、過去に学習した剣聖や達人の技を、持ち主の脳や目にフィードバック。
微弱な電波により、脳と目を経由して全身に渡り、剣技の再現を可能としている。
無論、あらゆる環境の戦闘に対応するために数多くのセフティが仕掛けられており、前記の機能が発揮できない場合でも技を使用する事が可能である。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
「これは凄いなぁ……」と冒険者は、ため息交じりに言う。
それは、称賛と驚愕が混じったため息だった。
ジェルたちの戦闘音は、ダンジョンに響いていたらしい。
徐々に、時間経過に合わせて人が集まってきた。
『北国迷宮』という高難易度ダンジョンに挑戦する者たち。
全員がジェルたちよりも格上の冒険者たち。
「まさか、隠し部屋をB級冒険者が発見するとは……」
「迷宮を故意に破壊する事は法によって禁止れてる。気づいても手を出せない奴もいただろう」
「いや、それにしても……なんなんだ? こいつは?」
上位冒険者も討伐された霜の将軍に驚きを隠さない。
「魔力を使用せずに動き続ける古代ゴーレムの亜種。覆ってる金属は剣や鎧に使われる素材よりも弱そうだが……」
「装甲版に下に覆われてる黒い物体はなんだ。触れて力を入れると沈んでいく。これで衝撃を吸収しているのか?」
そんな彼等に対して、討伐者であるジェルとシズクは――――
「分析は終わったわよ」と別パーティの魔法使いに紙を渡された。
討伐した存在が何か?
『霜の将軍』
封印された古代の魔物としか、わかっていない。
そこで集まってきた上位冒険者の魔法使いに分析を依頼したのだ。
依頼したのだが――――
「……書いてある言葉は読めるが意味がわからない」とジェル。
「見てるだけで頭がクラクラしてくるぜ」とシズクは「あとは任せた」と言い残して離れて行った。
「私だけでできる分析は、これが限界よ。この紙を『大学《アカデミ》』みたいな研究機関に渡して解析を依頼しなさい」
「もっとも……」と彼女は付け加える。
「これは、たぶん未発見の魔物。『大学《アカデミ》』の方から金を持って解析させてくださいってくるでしょうね」
「たぶん、相当な金額になるわよ」とウィンクをして、魔法使いの彼女は仲間たちの元に戻って行った。
0
お気に入りに追加
35
あなたにおすすめの小説
うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
異世界定食屋 八百万の日替わり定食日記 ー素人料理はじめましたー 幻想食材シリーズ
夜刀神一輝
ファンタジー
異世界定食屋 八百万 -素人料理はじめましたー
八意斗真、田舎から便利な都会に出る人が多い中、都会の生活に疲れ、田舎の定食屋をほぼただ同然で借りて生活する。
田舎の中でも端っこにある、この店、来るのは定期的に食材を注文する配達員が来ること以外人はほとんど来ない、そのはずだった。
でかい厨房で自分のご飯を作っていると、店の外に人影が?こんな田舎に人影?まさか物の怪か?と思い開けてみると、そこには人が、しかもけもみみ、コスプレじゃなく本物っぽい!?
どういう原理か知らないが、異世界の何処かの国?の端っこに俺の店は繋がっているみたいだ。
だからどうしたと、俺は引きこもり、生活をしているのだが、料理を作ると、その匂いに釣られて人が一人二人とちらほら、しょうがないから、そいつらの分も作ってやっていると、いつの間にか、料理の店と勘違いされる事に、料理人でもないので大した料理は作れないのだが・・・。
そんな主人公が時には、異世界の食材を使い、めんどくさい時はインスタント食品までが飛び交う、そんな素人料理屋、八百万、異世界人に急かされ、渋々開店!?
美醜逆転異世界に転移したおっさんは気付かない
仙道
ファンタジー
柴田宏(しばたひろし)は学生時代から不細工といじめられ、ニートになった。
トラックにはねられ転移した先は美醜が逆転した異世界だったが、柴田はそれに気付かない。
美人の奴隷が安かったから買ったが、いつか刺されるのではないかという妄想に取りつかれてしまう。
そんな哀れなおっさんの勘違いの話。
【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】
その攻撃、収納する――――ッ!
【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。
理由は、マジックバッグを手に入れたから。
マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。
これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。
アメイジングノービス ~異世界でチートツールが使えたけど物理法則さんが邪魔をする~
逢須 かた丸
ファンタジー
VRゲームから異世界に飛ばされてみたら、最大の敵は魔王でも邪神でもなくて『物理法則』だった。
チートスキルでステータスやパラメーターを自由に変えることが出来るのに『慣性』『摩擦』『反作用』『熱』の物理法則四天王が手ごわすぎて倒せない。
敏捷が上げれば滑って転ぶ。 筋力を上げても吹き飛ばされる。 それならばと武器の攻撃力を上げたら、でかく重くなりすぎて扱えない。
ステータスが急に変わるとものすごい筋肉痛や頭痛などに襲われ、すごく苦しいので、怖くてステータスが変わってしまう転職もできない。
それなのに、魔法とかいう謎の不思議パワーが存在していて、不条理を被ってしまう。
それでも、ゲームで使っていたチートツールがそのままスキルになっているので、ボスを瞬殺し、お金やアイテムを無尽蔵に増やし、じりじりレベルとステータスを上げて、最強目指して頑張っているはずが、あげたアイテムとかで周りの仲間の方がむしろチート化されていくお話。
R15は保険です。難しい計算式等や論文的なものは出てきません。肩の力を抜いて御覧ください。
-----------------------------------------------------------------------------------
※実在のゲーム等でのチートによる迷惑行為を推奨するものではありません。(ここ重要)
-----------------------------------------------------------------------------------
毎週金曜日更新、時間は不定期です(書き上がり次第?)余裕があったら火曜日にも更新します。
ツイッター http://twitter.com/katamaru_ice
2016/9/5 [女の子に助けられた]に表紙絵の大きい版を挿絵としてアップしました。
2016/9/12 [何か柔らか物が顔に]にイーリスの挿絵をアップしました。
2016/9/17 [奥さん登場、その姿は……] にドワーフ一家の挿絵を追加しました。左下がオットー君11歳です
2016/10/10 [アリーセの実演]にコリンナ、エーリカの挿絵を追加しました。
お気に入り5 00オーバーありがとうございます!
24h ファンタジージャンル40位代に入れました。ありがとうございます! 急に何があった!?
更新頑張ります。
こちらの作品は なろうの方にも掲載をしています。
スキルシーフで異世界無双
三毛猫
ファンタジー
霧島大翔は会社員から異世界転生した。異世界転生していきなり合コンに参加する羽目になった。
合コンに参加している参加者の職業は勇者、冒険者、魔法使いというハイスペックなメンバーの中、大翔の職業は村人。
馬鹿にされ、追放されて辛すぎる合コンから異世界生活が始まり成り上がる。
※視点がコロコロ変わります
強さがすべての魔法学園の最下位クズ貴族に転生した俺、死にたくないからゲーム知識でランキング1位を目指したら、なぜか最強ハーレムの主となった!
こはるんるん
ファンタジー
気づいたら大好きなゲームで俺の大嫌いだったキャラ、ヴァイスに転生してしまっていた。
ヴァイスは伯爵家の跡取り息子だったが、太りやすくなる外れスキル【超重量】を授かったせいで腐り果て、全ヒロインから嫌われるセクハラ野郎と化した。
最終的には魔族に闇堕ちして、勇者に成敗されるのだ。
だが、俺は知っていた。
魔族と化したヴァイスが、作中最強クラスのキャラだったことを。
外れスキル【超重量】の真の力を。
俺は思う。
【超重量】を使って勇者の王女救出イベントを奪えば、殺されなくて済むんじゃないか?
俺は悪行をやめてゲーム知識を駆使して、強さがすべての魔法学園で1位を目指す。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる