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邂逅 レオ・ライオンハートとケンタウロスの少女④
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セツナは狼狽えた。
遠眼鏡から見たレオの笑み。強烈な悪意が伝わってきたからだ。
それは彼女にとって未知。
近い将来、指導者として戦略も戦法も叩き込まれてきた彼女であったが、実戦経験は乏しい。
文字通り、玉や姫やと育てられた彼女に取ってはなおさらだ。
彼女は悪意に飲まれていく。
(陽動作戦で間違いない……はず。警戒すべきは女侍。迂回して、背後か右側からの奇襲作戦。違うというなら、彼女はどこに消えた?)
乱れた精神を安定させるため、深く呼吸を吐き、息を殺す。
(────来る。何かが接近を)
察知した気配。セツナは棒術の如く銃を振り回し、銃口を突き付ける。だが────
「鳥……」
彼女の呟き通り、バサバサと飛び出してきたのは派手な翼を持つ鳥だった。
僅かな失敗。それにより生み出された緊張からの弛緩。
セツナは冷静さを取り戻す。
「────よし、撤退だ」
彼女は戦士として高い矜持を持っている────そう思い込まされて生きてきた。
しかし、その実……
彼女は獰猛な戦士であるより、有能な指導者として育てられていた。
欲しいのは最強の戦士ではない。集団を率いて先頭で戦う求心力そのもの……つまりカリスマ性だ。
だから、彼女は執着しない。
敵にも、あっさりと背を向ける。
大切な事は生き残る事……そう教えられた彼女であったが────
「なっ!」と彼女は驚きの声をあげた。
背後に何者かが、飛び乗ったのだ。
「残念、逃げれないね」と後ろの人物は笑う。
「馬鹿な、いつの間に────このっ!離せ!」
馬の力を有する彼女は、襲撃者を振り落とすため、体を跳ね上げて暴れる。
まるで暴れ馬。いや、暴れ馬そのものだ。だが――――
「跳ね除けれない。むしろ、力が抜けていく――――何者? 何をした!」
セツナは叫ぶ。 背後を取った人物――――それは陽動作戦で奇襲してくるだろうと予想していた女侍――――シオンではなかった。
白い魔法使い 黄金のアスリン
(馬鹿な!? 敵は、3人ではなく4人……た、確かに認識していたはずなのに)
混乱するセツナ。 敵の数を失念することなどあり得るだろうか?
あり得るとするならば、セツナの精神に何らかの影響を与える魔法。あるいは――――
加えて、セツナは気づくことはない。彼女の、アスリンの耳に付けている通信用の古代魔道具の正体に――――
「さて、私が何かしたのか? それは些末な事でしょ? 問題は、貴方がレオの思惑通りに動かされたと言う事」
アスリンの言葉、思わずセツナは、
「――――ッッ!」と驚きと怒りを混ぜたような顔を見せた。
確かに、結果だけ見ればセツナは、誘導されていたのだ。
セツナの推測通り、レオとドロシーは囮。 背後、もしくは右側の側面から奇襲を狙っていたシオンですら本命ではない。
黄金のアスリン。 彼女は、レオたちの連絡を受けて最初から左側に待機。
気配を殺して待っていたのだ。セツナが来るのを……
遠眼鏡から見たレオの笑み。強烈な悪意が伝わってきたからだ。
それは彼女にとって未知。
近い将来、指導者として戦略も戦法も叩き込まれてきた彼女であったが、実戦経験は乏しい。
文字通り、玉や姫やと育てられた彼女に取ってはなおさらだ。
彼女は悪意に飲まれていく。
(陽動作戦で間違いない……はず。警戒すべきは女侍。迂回して、背後か右側からの奇襲作戦。違うというなら、彼女はどこに消えた?)
乱れた精神を安定させるため、深く呼吸を吐き、息を殺す。
(────来る。何かが接近を)
察知した気配。セツナは棒術の如く銃を振り回し、銃口を突き付ける。だが────
「鳥……」
彼女の呟き通り、バサバサと飛び出してきたのは派手な翼を持つ鳥だった。
僅かな失敗。それにより生み出された緊張からの弛緩。
セツナは冷静さを取り戻す。
「────よし、撤退だ」
彼女は戦士として高い矜持を持っている────そう思い込まされて生きてきた。
しかし、その実……
彼女は獰猛な戦士であるより、有能な指導者として育てられていた。
欲しいのは最強の戦士ではない。集団を率いて先頭で戦う求心力そのもの……つまりカリスマ性だ。
だから、彼女は執着しない。
敵にも、あっさりと背を向ける。
大切な事は生き残る事……そう教えられた彼女であったが────
「なっ!」と彼女は驚きの声をあげた。
背後に何者かが、飛び乗ったのだ。
「残念、逃げれないね」と後ろの人物は笑う。
「馬鹿な、いつの間に────このっ!離せ!」
馬の力を有する彼女は、襲撃者を振り落とすため、体を跳ね上げて暴れる。
まるで暴れ馬。いや、暴れ馬そのものだ。だが――――
「跳ね除けれない。むしろ、力が抜けていく――――何者? 何をした!」
セツナは叫ぶ。 背後を取った人物――――それは陽動作戦で奇襲してくるだろうと予想していた女侍――――シオンではなかった。
白い魔法使い 黄金のアスリン
(馬鹿な!? 敵は、3人ではなく4人……た、確かに認識していたはずなのに)
混乱するセツナ。 敵の数を失念することなどあり得るだろうか?
あり得るとするならば、セツナの精神に何らかの影響を与える魔法。あるいは――――
加えて、セツナは気づくことはない。彼女の、アスリンの耳に付けている通信用の古代魔道具の正体に――――
「さて、私が何かしたのか? それは些末な事でしょ? 問題は、貴方がレオの思惑通りに動かされたと言う事」
アスリンの言葉、思わずセツナは、
「――――ッッ!」と驚きと怒りを混ぜたような顔を見せた。
確かに、結果だけ見ればセツナは、誘導されていたのだ。
セツナの推測通り、レオとドロシーは囮。 背後、もしくは右側の側面から奇襲を狙っていたシオンですら本命ではない。
黄金のアスリン。 彼女は、レオたちの連絡を受けて最初から左側に待機。
気配を殺して待っていたのだ。セツナが来るのを……
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