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 閑話休題 レオたちは――――②

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「実は私、冒険者ギルドとは別の組織の一員なのです。主だった活動はダンジョンの調査です。申し遅れましたが私の名前は――――あれ?」

 彼女は首を傾げた。

 レオたちは無言で武器を構えていた。

「どんな初心者向けダンジョンであれ1人ソリストを見かけたら、仲間から逸れた者か、悪意がある者のどちらか――――」

 最後まで言わない。

 先制で背後からドロシーが魔法を放つ。

 新しく得た杖――――『炎氷の杖』

 巨大な火球ファイアボール

 相手の装備は魔法使い。魔法による効果が薄いと予感していた。

「だから――――食らえよ、魔法使い!」

 ドロシーの魔法は目くらまし。

 魔法使いらしく、結界魔法で防御していた相手に向かって――――

「たっぷりと助走をつけて――――蹴り飛ばす!」

「――――くっ!」と蹴られた衝撃で吹き飛ばされる彼女。

「そんな綺麗な恰好でダンジョンをうろつくな。どんな詐術でも騙される冒険者はいねぇぞ?」

 レオの口調は、まるで戦いは既に決着がついたようだった。

 それもそうだ……正体不明の魔法使い。彼女が蹴り飛ばされていく先には――――シオンが立っていた。

「こ、これがB級冒険者の戦略、連携……驚きを隠せませんね」

「――――そうか。それじゃ驚いたまま死ね」とシオン。

 彼女の手には『妖刀ムラマサ』と『名刀コテツ』。だから、放たれる技は決まっていた。

 『天魔六乱舞』

 瞬時に叩き込まれる6度の剣技。 シオンが持つ本来のスペックを凌駕した剣聖の剣。

 だから、当然……これで決着のはずだった。

「さすが……何度、驚かせるですか? でも――――

『天魔六乱舞』

 シオンが放った剣撃に対して、魔法使いであるはずの少女は同じ太刀筋で受けた。

「偶然ですが、私も同じ技を使えるのですよ」

 自然と鍔迫り合いになる。 本職の剣士であるシオンに鍔迫り合いで勝てる人間がどれほどいる?

 それも、二刀流のシオンに対して、彼女が剣の代わりに使っているのは木製の杖だ。

 さらに彼女は――――驚くべき事に――――二刀流のシオンが放った6連撃に合わせて、1本の杖による6連撃で相殺してみせたのだ。  
   
「お前――――何者だ?」とシオン。

「あら? 自己紹介を遮ったのはあなた達ですよ? 必要かしら? あらためての自己紹介」

「付き合うなシオン。 魔法使いと言葉を交えば、魅了されるぞ!」

 レオの言葉。 

 シオンは「うおぉぉぉぉぉ!」と魔物の如く咆哮を上げ、声を、音を遮る。

 その姿を見た魔法使いの少女は――――

「狂戦士《バーサーカー》……この時代に自力に狂化を身に付けれるなんて……なんて面白い」

 彼女は自分で気づいているのだろうか?

 顔を隠したフードからでもわかるほど、禍々しい笑みが零れ落ちている事を――――
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