11 / 42
ミゲール先生の魔法を見ました
しおりを挟む
そんなやりとりもありながら――――
「さて、話を戻すぜ、アリス。いや――――何の話だったかな?」
「攻撃魔法は取得していない……そういう話でした」
「おぉ、記憶力が良いな。弟子にするなら、そういうところポイント高い」
(この人、そうやって話を脱線させるから、会話が続かず本題にたどり着かないのでは?)
「おっ! 私に低評価を下したって顔してるぜ。これはマイナスポイント……いや、お前の言うことも正しいな。確かに私は話を脱線しがちだ」
「私は何も言ってませんよ!?」
「そんなに驚くなよ、心を読んだだけだ。魔法を使わなくても、なんとなくわかる。こいつはただの特技だ」
「……」
「いいね。心を読まれないように、まずは無言を貫くのは基本だぜ」
こんな話を脱線するような会話を何度も繰り返して――――
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・・
「おしっ! そんじゃルールを教えるぞ」
ようやく、試験のルールが決まった……らしい。
「私の弟子になるってことは一緒に世界を回るってことだ。私は、国が定めた立ち入り禁止の危険地域でも散歩したりするから――――要するに試験は自分の身を自分で守られるかってやつだ」
「防御魔法の試験ってことですか?」
「それだ、それ! 今から少しばかり私が攻撃を仕掛ける。どんな方法を使っても良いから全力で防御してみろ」
「わかりました」とアリスは、魔力を練る。 手に刻まれた風の紋章に光が灯る。
彼女の魔力は風に変換されていく。身を守る防御壁として、彼女の全身を覆い隠した。
「へぇ、結界魔法か。発動まで短時間で詠唱もなし――――いい練度じゃねぇか」
「ありがとうございます」
「だが、それじゃダメだ。全然、ダメダメだぜ?」
「え?」
「そんじゃ私も少しだけ本気を見せちゃうぜ!」
ミゲールは地の紋章を光らせる。 しかし、彼女は地属性の魔法を使用しなかった。それどころか――――
「魔法の属性紋章が変化していく」
「素直に驚いてくれて嬉しいぜ。紋章は、火、水、地、風が有名だが、それで終わりじゃねぇ。こいつを極めると本人の特性に応じて、もう一段変化する!」
ミゲールの紋章。 それは変化を終え、見たこともない形状のもの――――見たこともない属性へ変化と遂げていた。
「変化させた私の属性は――――獣。獣の紋章だ!」
――――いや、変化は紋章だけでは終わっていなかった。 彼女の体にも変化が始まった。
「私の本業、宮廷魔法使いとしての仕事は、魔物の研究だ。 戦士の名言にもあるだろ?
『人間は強靭な魔物に素手じゃ勝てない。じゃどうする? なってしまえばいい。魔物に』
私はそれを叶えたわけだ!」
ミゲールの体は変化を終えた。 変身した姿、それは――――
「どうだい? 可愛くてエロいだろう? 子猫ちゃんだぞ」
「さて、話を戻すぜ、アリス。いや――――何の話だったかな?」
「攻撃魔法は取得していない……そういう話でした」
「おぉ、記憶力が良いな。弟子にするなら、そういうところポイント高い」
(この人、そうやって話を脱線させるから、会話が続かず本題にたどり着かないのでは?)
「おっ! 私に低評価を下したって顔してるぜ。これはマイナスポイント……いや、お前の言うことも正しいな。確かに私は話を脱線しがちだ」
「私は何も言ってませんよ!?」
「そんなに驚くなよ、心を読んだだけだ。魔法を使わなくても、なんとなくわかる。こいつはただの特技だ」
「……」
「いいね。心を読まれないように、まずは無言を貫くのは基本だぜ」
こんな話を脱線するような会話を何度も繰り返して――――
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・・
「おしっ! そんじゃルールを教えるぞ」
ようやく、試験のルールが決まった……らしい。
「私の弟子になるってことは一緒に世界を回るってことだ。私は、国が定めた立ち入り禁止の危険地域でも散歩したりするから――――要するに試験は自分の身を自分で守られるかってやつだ」
「防御魔法の試験ってことですか?」
「それだ、それ! 今から少しばかり私が攻撃を仕掛ける。どんな方法を使っても良いから全力で防御してみろ」
「わかりました」とアリスは、魔力を練る。 手に刻まれた風の紋章に光が灯る。
彼女の魔力は風に変換されていく。身を守る防御壁として、彼女の全身を覆い隠した。
「へぇ、結界魔法か。発動まで短時間で詠唱もなし――――いい練度じゃねぇか」
「ありがとうございます」
「だが、それじゃダメだ。全然、ダメダメだぜ?」
「え?」
「そんじゃ私も少しだけ本気を見せちゃうぜ!」
ミゲールは地の紋章を光らせる。 しかし、彼女は地属性の魔法を使用しなかった。それどころか――――
「魔法の属性紋章が変化していく」
「素直に驚いてくれて嬉しいぜ。紋章は、火、水、地、風が有名だが、それで終わりじゃねぇ。こいつを極めると本人の特性に応じて、もう一段変化する!」
ミゲールの紋章。 それは変化を終え、見たこともない形状のもの――――見たこともない属性へ変化と遂げていた。
「変化させた私の属性は――――獣。獣の紋章だ!」
――――いや、変化は紋章だけでは終わっていなかった。 彼女の体にも変化が始まった。
「私の本業、宮廷魔法使いとしての仕事は、魔物の研究だ。 戦士の名言にもあるだろ?
『人間は強靭な魔物に素手じゃ勝てない。じゃどうする? なってしまえばいい。魔物に』
私はそれを叶えたわけだ!」
ミゲールの体は変化を終えた。 変身した姿、それは――――
「どうだい? 可愛くてエロいだろう? 子猫ちゃんだぞ」
0
お気に入りに追加
26
あなたにおすすめの小説
帰らなければ良かった
jun
恋愛
ファルコン騎士団のシシリー・フォードが帰宅すると、婚約者で同じファルコン騎士団の副隊長のブライアン・ハワードが、ベッドで寝ていた…女と裸で。
傷付いたシシリーと傷付けたブライアン…
何故ブライアンは溺愛していたシシリーを裏切ったのか。
*性被害、レイプなどの言葉が出てきます。
気になる方はお避け下さい。
・8/1 長編に変更しました。
・8/16 本編完結しました。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
【完結】捨てられ正妃は思い出す。
なか
恋愛
「お前に食指が動くことはない、後はしみったれた余生でも過ごしてくれ」
そんな言葉を最後に婚約者のランドルフ・ファルムンド王子はデイジー・ルドウィンを捨ててしまう。
人生の全てをかけて愛してくれていた彼女をあっさりと。
正妃教育のため幼き頃より人生を捧げて生きていた彼女に味方はおらず、学園ではいじめられ、再び愛した男性にも「遊びだった」と同じように捨てられてしまう。
人生に楽しみも、生きる気力も失った彼女は自分の意志で…自死を選んだ。
再び意識を取り戻すと見知った光景と聞き覚えのある言葉の数々。
デイジーは確信をした、これは二度目の人生なのだと。
確信したと同時に再びあの酷い日々を過ごす事になる事に絶望した、そんなデイジーを変えたのは他でもなく、前世での彼女自身の願いであった。
––次の人生は後悔もない、幸福な日々を––
他でもない、自分自身の願いを叶えるために彼女は二度目の人生を立ち上がる。
前のような弱気な生き方を捨てて、怒りに滾って奮い立つ彼女はこのくそったれな人生を生きていく事を決めた。
彼女に起きた心境の変化、それによって起こる小さな波紋はやがて波となり…この王国でさえ変える大きな波となる。
政略結婚した夫の愛人は私の専属メイドだったので離婚しようと思います
結城芙由奈
恋愛
浮気ですか?どうぞご自由にして下さい。私はここを去りますので
結婚式の前日、政略結婚相手は言った。「お前に永遠の愛は誓わない。何故ならそこに愛など存在しないのだから。」そして迎えた驚くべき結婚式と驚愕の事実。いいでしょう、それほど不本意な結婚ならば離婚してあげましょう。その代わり・・後で後悔しても知りませんよ?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載中
「あなたのことはもう忘れることにします。 探さないでください」〜 お飾りの妻だなんてまっぴらごめんです!
友坂 悠
恋愛
あなたのことはもう忘れることにします。
探さないでください。
そう置き手紙を残して妻セリーヌは姿を消した。
政略結婚で結ばれた公爵令嬢セリーヌと、公爵であるパトリック。
しかし婚姻の初夜で語られたのは「私は君を愛することができない」という夫パトリックの言葉。
それでも、いつかは穏やかな夫婦になれるとそう信じてきたのに。
よりにもよって妹マリアンネとの浮気現場を目撃してしまったセリーヌは。
泣き崩れ寝て転生前の記憶を夢に見た拍子に自分が生前日本人であったという意識が蘇り。
もう何もかも捨てて家出をする決意をするのです。
全てを捨てて家を出て、まったり自由に生きようと頑張るセリーヌ。
そんな彼女が新しい恋を見つけて幸せになるまでの物語。
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
〖完結〗旦那様には出て行っていただきます。どうか平民の愛人とお幸せに·····
藍川みいな
恋愛
「セリアさん、単刀直入に言いますね。ルーカス様と別れてください。」
……これは一体、どういう事でしょう?
いきなり現れたルーカスの愛人に、別れて欲しいと言われたセリア。
ルーカスはセリアと結婚し、スペクター侯爵家に婿入りしたが、セリアとの結婚前から愛人がいて、その愛人と侯爵家を乗っ取るつもりだと愛人は話した……
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全6話で完結になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる