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第2章
第60話 使徒との対決 マリーナの正体は?
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光の先。やはり、そこには闘技場があった。
「お待ちしてた! あなたが有資格者ですね」
その中心には女性が待ち受けている。
小さな少女に見える。しかし、魔法使いであるユウトは探知魔法を使用したからわかる。
(シルキアやニクシアとは違う。目前の使徒は魔法職だ!)
同タイプの戦い? 魔法使い同士の戦いは、遠距離から魔法の打ち合いが基本だ。
しかし、ユウトは通常の魔法使いではない。
孤高特化型魔法使い。
回避して、防御して、接近して、至近距離で魔法を叩き込む。
それがユウトの戦法だ。
(遠距離からの打ち合いなら不利。ならば、やる事は同じ――――接近して魔法を叩き込む!)
闘技場に立ったユウトは、飛び掛かるように前に出ようとした。 しかし――――
「気が早いですね、有資格者。ですが、私の魔法を見せてあげましょう」
膨大な魔力の動きを感じてユウトは、飛び掛かるのを止めた。なぜなら――――
(魔法は既に発動させられている。……一体、何が起きる?)
ユウトは再び探知魔法を使用。 すでに使われたと思われる使徒の魔力の流れを探る。 すると――――
「下から? 何かが生み出されている。これは――――水か!」
「正解ですね。さすが有資格者さまです」と彼女の言葉と共に、闘技場のあちらこちらから水が湧き出て来る。
(水……ただの水だ。毒もなければ、魔力が込められた特殊な水でもない)
しかし、なんのために? その疑問は、使徒の自己紹介が始まる事で解けた。
「私の名前はマリーナ。その正体は、人魚姫なのです!」
使徒であるマリーナは着ていた服を脱ぎ捨てた。 胸だけを守る露出の高い服。 下半身は隠す必要はないのだろう。 魚だ……
まさに人魚。 彼女は「えい!」と手にした武器を見せつけて来る。
「これは私の自慢の武器――――三又槍なのです! それでは勝負を――――あれ? 有資格者さま……どうして、闘技場から出て観客席に? あれれ? その魔力は……もしかして!」
ユウトは、既に水から抜け出して、闘技場の観客席に避難していた。
それから―――
「詠唱 凍てつく極寒の風よ 静かに我の敵を閉ざせ――――冬嵐《ヒエムステンペスタス》」
人魚を名乗るマリーナごと、水面を凍り付かせた。
「……やったか?」
「やったか? ではないですよ! 酷い! 氷漬けてにして勝とうなんて、それでも人間ですか!」
やはり、マリーナも人間離れした膂力を持っているのだろう。 氷漬けになりながらも、氷上まで氷を叩き割って顔を見せた。
「だが、どうする? 戦いの場が氷漬けにされたら、人魚の君は戦えないと思うけど? これで決着でよくないか?」
「よくないです! 今まで、水であふれた闘技場で、人魚である私を倒すのにいろいろな策を考えてきた人はいましたが、いきなり氷漬けにするなんて貴方がはじめて――――いや、誉めてません!」
「とう!」とマリーナは完全に氷から抜け出した。
下半身は魚から人間に――――いや、やっぱり止めた。
このまま人間に戻ったら、下半身が裸になる事に気づいたのだろう。
「ぬぐぐぐ……勝負は少し待ってください。服を……服を……」
氷上の人魚。 彼女は本当に戦うつもりらしい。
戦いの中断して、服を調達して彼女は――――三又槍を構える。
意外なほど、さまになっている。 いわゆる、堂に入ってる構えってやつだ。
(しかし、ニクシアのように武の達人ってわけじゃなさそうだな。注意すべきは魔法のはずだが……ん?)
ユウトは気づいた。 彼女の周囲、いつの間にか大きな石が置かれていた。
(研磨され、滑らかに輝いている楕円形の石。なんだ、あれ? 武器か? 魔石ではなく、普通に加工した石のようだが……)
その答えを考えるより早く、マリーナは――――
「では、参ります!」と三又槍で石を叩いた。 叩かれた石は氷面を高速で滑っていく。 しかし、その方向は、ユウトではなかった。
「ん? フェイント?」と思いながらも、自然と視線は叩かれた石に向かう。
「もう1つ! えい!」と今度は、ユウトに向けられた。
「――――速いな。避けられない速度ではないが――――本命は彼女の刺突か!」
高速で接近する石を避けたユウト。 その動きを読んでいただろうマリーナが突きは繰り出してくる。
だが、盾で防御。 力の押し合い……力では負けていないはずのユウトだったが、マリーナとの押し合いは互角となった。
ここが氷上とあって、油断すれば足が滑り転倒する。 それに加えて、足の踏ん張りが――――下半身の力が地面から抜けていくのだ。
さらに――――
「なにっ!」とユウトは驚いた。 下半身に衝撃を受けた。
何が、ユウトを襲ったのか? それは最初に彼女が叩いた石だった。
「壁からの跳弾! 計算して、死角から攻撃できるように叩いていたのか!」
ユウト――――転倒。 マリーナに押し倒された形で馬乗り状態にさせられる。
目前には三又槍。
盾で受けて耐える。しかし、何度も叩きつけるような勢いで三又槍を突いてくる彼女にユウトは――――
「お待ちしてた! あなたが有資格者ですね」
その中心には女性が待ち受けている。
小さな少女に見える。しかし、魔法使いであるユウトは探知魔法を使用したからわかる。
(シルキアやニクシアとは違う。目前の使徒は魔法職だ!)
同タイプの戦い? 魔法使い同士の戦いは、遠距離から魔法の打ち合いが基本だ。
しかし、ユウトは通常の魔法使いではない。
孤高特化型魔法使い。
回避して、防御して、接近して、至近距離で魔法を叩き込む。
それがユウトの戦法だ。
(遠距離からの打ち合いなら不利。ならば、やる事は同じ――――接近して魔法を叩き込む!)
闘技場に立ったユウトは、飛び掛かるように前に出ようとした。 しかし――――
「気が早いですね、有資格者。ですが、私の魔法を見せてあげましょう」
膨大な魔力の動きを感じてユウトは、飛び掛かるのを止めた。なぜなら――――
(魔法は既に発動させられている。……一体、何が起きる?)
ユウトは再び探知魔法を使用。 すでに使われたと思われる使徒の魔力の流れを探る。 すると――――
「下から? 何かが生み出されている。これは――――水か!」
「正解ですね。さすが有資格者さまです」と彼女の言葉と共に、闘技場のあちらこちらから水が湧き出て来る。
(水……ただの水だ。毒もなければ、魔力が込められた特殊な水でもない)
しかし、なんのために? その疑問は、使徒の自己紹介が始まる事で解けた。
「私の名前はマリーナ。その正体は、人魚姫なのです!」
使徒であるマリーナは着ていた服を脱ぎ捨てた。 胸だけを守る露出の高い服。 下半身は隠す必要はないのだろう。 魚だ……
まさに人魚。 彼女は「えい!」と手にした武器を見せつけて来る。
「これは私の自慢の武器――――三又槍なのです! それでは勝負を――――あれ? 有資格者さま……どうして、闘技場から出て観客席に? あれれ? その魔力は……もしかして!」
ユウトは、既に水から抜け出して、闘技場の観客席に避難していた。
それから―――
「詠唱 凍てつく極寒の風よ 静かに我の敵を閉ざせ――――冬嵐《ヒエムステンペスタス》」
人魚を名乗るマリーナごと、水面を凍り付かせた。
「……やったか?」
「やったか? ではないですよ! 酷い! 氷漬けてにして勝とうなんて、それでも人間ですか!」
やはり、マリーナも人間離れした膂力を持っているのだろう。 氷漬けになりながらも、氷上まで氷を叩き割って顔を見せた。
「だが、どうする? 戦いの場が氷漬けにされたら、人魚の君は戦えないと思うけど? これで決着でよくないか?」
「よくないです! 今まで、水であふれた闘技場で、人魚である私を倒すのにいろいろな策を考えてきた人はいましたが、いきなり氷漬けにするなんて貴方がはじめて――――いや、誉めてません!」
「とう!」とマリーナは完全に氷から抜け出した。
下半身は魚から人間に――――いや、やっぱり止めた。
このまま人間に戻ったら、下半身が裸になる事に気づいたのだろう。
「ぬぐぐぐ……勝負は少し待ってください。服を……服を……」
氷上の人魚。 彼女は本当に戦うつもりらしい。
戦いの中断して、服を調達して彼女は――――三又槍を構える。
意外なほど、さまになっている。 いわゆる、堂に入ってる構えってやつだ。
(しかし、ニクシアのように武の達人ってわけじゃなさそうだな。注意すべきは魔法のはずだが……ん?)
ユウトは気づいた。 彼女の周囲、いつの間にか大きな石が置かれていた。
(研磨され、滑らかに輝いている楕円形の石。なんだ、あれ? 武器か? 魔石ではなく、普通に加工した石のようだが……)
その答えを考えるより早く、マリーナは――――
「では、参ります!」と三又槍で石を叩いた。 叩かれた石は氷面を高速で滑っていく。 しかし、その方向は、ユウトではなかった。
「ん? フェイント?」と思いながらも、自然と視線は叩かれた石に向かう。
「もう1つ! えい!」と今度は、ユウトに向けられた。
「――――速いな。避けられない速度ではないが――――本命は彼女の刺突か!」
高速で接近する石を避けたユウト。 その動きを読んでいただろうマリーナが突きは繰り出してくる。
だが、盾で防御。 力の押し合い……力では負けていないはずのユウトだったが、マリーナとの押し合いは互角となった。
ここが氷上とあって、油断すれば足が滑り転倒する。 それに加えて、足の踏ん張りが――――下半身の力が地面から抜けていくのだ。
さらに――――
「なにっ!」とユウトは驚いた。 下半身に衝撃を受けた。
何が、ユウトを襲ったのか? それは最初に彼女が叩いた石だった。
「壁からの跳弾! 計算して、死角から攻撃できるように叩いていたのか!」
ユウト――――転倒。 マリーナに押し倒された形で馬乗り状態にさせられる。
目前には三又槍。
盾で受けて耐える。しかし、何度も叩きつけるような勢いで三又槍を突いてくる彼女にユウトは――――
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