108 / 140
繋がりたい
繋がりたい④
しおりを挟む
「あ、いや。その····」
衝動で引き止めたくせに言葉が出てこない。
自分の言葉を待っている吉岡。このまま「なんでもない」なんて言ったら飯田らのとこに行ってしまうような気がして何としてでも阻止したかった。
「お前の·····連絡先·····おしえろよ·····」
必死に吉岡を引きつける事がこれしか浮かばず、言っていて、段々と尻すぼみがちになる。自分から何か吉岡に向かってアクションを起こすことはほぼないだけに、痒いところに手が届かないようなむず痒い気持ちになる。
「えっ!?今なんて?」
余程声が小さかったのか聞き顔してくる吉岡。2度目なんて恥ずかしくて言いたくない。
「やっぱいい」
優作は吉岡を掴んだ手首を離しては頬杖をついてはそっぽを向く。
しかし、その僅かな行動に吉岡が素直にスルーするわけもなく、吉岡は飯田達に向かって「ごめん、後で」と言うと座席の前で膝立ちをしてはこちらに詰め寄ってきた。
「いや、良くない良くない。いま連絡先教えろって聞こえたんだけど」
改めて本人に言われると顔から火が出るくらい熱くなる。つか、ちゃんと聴こえてたんなら聞き返すなよ·····なんて思いながらも優作を首を縦に振った。
すると吉岡はパァっと明るい顔をする。
「優から言ってくるなんてURカード引くばりのレアなんだけど」
吉岡がよく分からない単語を並べて喋っているのが理解不能だったが、雰囲気から喜んでいるのが伝わってくる。
「わ、悪いかよ·····」
「悪いどころか嬉しいんだけど」
吉岡が鼻唄を歌いながらニコニコと机に顎をのせてスマホを操作している吉岡にドキッとする。
ちょっと可愛いかも·····。
「はい、俺のコード」
「やり方わかんないんだけど」
「まじ!?」
何時ぞやか水澤に言われたように登録人数が楓くらいしか居ない自分が連絡先交換のやり方に慣れているわけもなく·····。
「貸して」と言って俺のスマホを取り上げると画面に俺のスマホをかざしては両方のスマホを交互に操作する。
二分もかからないうちに「はい、できたよ」と優作に差し出してきた。
こういう時の吉岡って段取り早いよな······と感心しながらも画面を見るとそこには吉岡千晃の名前があり、それだけで満足した。
そうこうしていると、始業のチャイムと一緒に担任が入ってきては授業が始まる。
吉岡は「ありがとう」と御礼を言うと鼻唄と共に座席に戻った。
授業中暫くして、バイブ音がして机の下で
スマホを開くと吉岡からメッセージが着ていた。内容はパンダが「よろしくお願いします」とお辞儀したスタンプ。
吉岡らしいスタンプに優作はくすりと笑っては本人の方を見ると吉岡も満面の笑みで此方に向いてきていた。
自分から教えたくせに何か返信をしようと思ったが気恥しさでそのままスマホ画面を落とす。吉岡と繋がっている。
優作は連絡先ひとつ交換しただけでこんなに浮ついた気分になるとは思わなかった。
もっと吉岡のことが知りたい·····。
衝動で引き止めたくせに言葉が出てこない。
自分の言葉を待っている吉岡。このまま「なんでもない」なんて言ったら飯田らのとこに行ってしまうような気がして何としてでも阻止したかった。
「お前の·····連絡先·····おしえろよ·····」
必死に吉岡を引きつける事がこれしか浮かばず、言っていて、段々と尻すぼみがちになる。自分から何か吉岡に向かってアクションを起こすことはほぼないだけに、痒いところに手が届かないようなむず痒い気持ちになる。
「えっ!?今なんて?」
余程声が小さかったのか聞き顔してくる吉岡。2度目なんて恥ずかしくて言いたくない。
「やっぱいい」
優作は吉岡を掴んだ手首を離しては頬杖をついてはそっぽを向く。
しかし、その僅かな行動に吉岡が素直にスルーするわけもなく、吉岡は飯田達に向かって「ごめん、後で」と言うと座席の前で膝立ちをしてはこちらに詰め寄ってきた。
「いや、良くない良くない。いま連絡先教えろって聞こえたんだけど」
改めて本人に言われると顔から火が出るくらい熱くなる。つか、ちゃんと聴こえてたんなら聞き返すなよ·····なんて思いながらも優作を首を縦に振った。
すると吉岡はパァっと明るい顔をする。
「優から言ってくるなんてURカード引くばりのレアなんだけど」
吉岡がよく分からない単語を並べて喋っているのが理解不能だったが、雰囲気から喜んでいるのが伝わってくる。
「わ、悪いかよ·····」
「悪いどころか嬉しいんだけど」
吉岡が鼻唄を歌いながらニコニコと机に顎をのせてスマホを操作している吉岡にドキッとする。
ちょっと可愛いかも·····。
「はい、俺のコード」
「やり方わかんないんだけど」
「まじ!?」
何時ぞやか水澤に言われたように登録人数が楓くらいしか居ない自分が連絡先交換のやり方に慣れているわけもなく·····。
「貸して」と言って俺のスマホを取り上げると画面に俺のスマホをかざしては両方のスマホを交互に操作する。
二分もかからないうちに「はい、できたよ」と優作に差し出してきた。
こういう時の吉岡って段取り早いよな······と感心しながらも画面を見るとそこには吉岡千晃の名前があり、それだけで満足した。
そうこうしていると、始業のチャイムと一緒に担任が入ってきては授業が始まる。
吉岡は「ありがとう」と御礼を言うと鼻唄と共に座席に戻った。
授業中暫くして、バイブ音がして机の下で
スマホを開くと吉岡からメッセージが着ていた。内容はパンダが「よろしくお願いします」とお辞儀したスタンプ。
吉岡らしいスタンプに優作はくすりと笑っては本人の方を見ると吉岡も満面の笑みで此方に向いてきていた。
自分から教えたくせに何か返信をしようと思ったが気恥しさでそのままスマホ画面を落とす。吉岡と繋がっている。
優作は連絡先ひとつ交換しただけでこんなに浮ついた気分になるとは思わなかった。
もっと吉岡のことが知りたい·····。
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
壁穴奴隷No.19 麻袋の男
猫丸
BL
壁穴奴隷シリーズ・第二弾、壁穴奴隷No.19の男の話。
麻袋で顔を隠して働いていた壁穴奴隷19番、レオが誘拐されてしまった。彼の正体は、実は新王国の第二王子。変態的な性癖を持つ王子を連れ去った犯人の目的は?
シンプルにドS(攻)✕ドM(受※ちょっとビッチ気味)の組合せ。
前編・後編+後日談の全3話
SM系で鞭多めです。ハッピーエンド。
※壁穴奴隷シリーズのNo.18で使えなかった特殊性癖を含む内容です。地雷のある方はキーワードを確認してからお読みください。
※No.18の話と世界観(設定)は一緒で、一部にNo.18の登場人物がでてきますが、No.19からお読みいただいても問題ありません。
娘の競泳コーチを相手にメス堕ちしたイクメンパパ
藤咲レン
BL
【毎日朝7:00に更新します】
既婚ゲイの佐藤ダイゴは娘をスイミングスクールに通わせた。そこにいたインストラクターの山田ケンタに心を奪われ、妻との結婚で封印していたゲイとしての感覚を徐々に思い出し・・・。
キャラ設定
・佐藤ダイゴ。28歳。既婚ゲイ。妻と娘の3人暮らしで愛妻家のイクメンパパ。過去はドMのウケだった。
・山田ケンタ。24歳。体育大学出身で水泳教室インストラクター。子供たちの前では可愛さを出しているが、本当は体育会系キャラでドS。
少年ペット契約
眠りん
BL
※少年売買契約のスピンオフ作品です。
↑上記作品を知らなくても読めます。
小山内文和は貧乏な家庭に育ち、教育上よろしくない環境にいながらも、幸せな生活を送っていた。
趣味は布団でゴロゴロする事。
ある日学校から帰ってくると、部屋はもぬけの殻、両親はいなくなっており、借金取りにやってきたヤクザの組員に人身売買で売られる事になってしまった。
文和を購入したのは堂島雪夜。四十二歳の優しい雰囲気のおじさんだ。
文和は雪夜の養子となり、学校に通ったり、本当の子供のように愛された。
文和同様人身売買で買われて、堂島の元で育ったアラサー家政婦の金井栞も、サバサバした性格だが、文和に親切だ。
三年程を堂島の家で、呑気に雪夜や栞とゴロゴロした生活を送っていたのだが、ある日雪夜が人身売買の罪で逮捕されてしまった。
文和はゴロゴロ生活を守る為、雪夜が出所するまでの間、ペットにしてくれる人を探す事にした。
※前作と違い、エロは最初の頃少しだけで、あとはほぼないです。
※前作がシリアスで暗かったので、今回は明るめでやってます。
僕が玩具になった理由
Me-ya
BL
🈲R指定🈯
「俺のペットにしてやるよ」
眞司は僕を見下ろしながらそう言った。
🈲R指定🔞
※この作品はフィクションです。
実在の人物、団体等とは一切関係ありません。
※この小説は他の場所で書いていましたが、携帯が壊れてスマホに替えた時、小説を書いていた場所が分からなくなってしまいました😨
ので、ここで新しく書き直します…。
(他の場所でも、1カ所書いていますが…)
年上が敷かれるタイプの短編集
あかさたな!
BL
年下が責める系のお話が多めです。
予告なくr18な内容に入ってしまうので、取扱注意です!
全話独立したお話です!
【開放的なところでされるがままな先輩】【弟の寝込みを襲うが返り討ちにあう兄】【浮気を疑われ恋人にタジタジにされる先輩】【幼い主人に狩られるピュアな執事】【サービスが良すぎるエステティシャン】【部室で思い出づくり】【No.1の女王様を屈服させる】【吸血鬼を拾ったら】【人間とヴァンパイアの逆転主従関係】【幼馴染の力関係って決まっている】【拗ねている弟を甘やかす兄】【ドSな執着系執事】【やはり天才には勝てない秀才】
------------------
新しい短編集を出しました。
詳しくはプロフィールをご覧いただけると幸いです。
当たって砕けていたら彼氏ができました
ちとせあき
BL
毎月24日は覚悟の日だ。
学校で少し浮いてる三倉莉緒は王子様のような同級生、寺田紘に恋をしている。
教室で意図せず公開告白をしてしまって以来、欠かさずしている月に1度の告白だが、19回目の告白でやっと心が砕けた。
諦めようとする莉緒に突っかかってくるのはあれ程告白を拒否してきた紘で…。
寺田絋
自分と同じくらいモテる莉緒がムカついたのでちょっかいをかけたら好かれた残念男子
×
三倉莉緒
クールイケメン男子と思われているただの陰キャ
そういうシーンはありませんが一応R15にしておきました。
お気に入り登録ありがとうございます。なんだか嬉しいので載せるか迷った紘視点を追加で投稿します。ただ紘は残念な子過ぎるので莉緒視点と印象が変わると思います。ご注意ください。
お気に入り登録100ありがとうございます。お付き合いに浮かれている二人の小話投稿しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる