41 / 101
突然の告白
突然の告白 7-3
しおりを挟む
星野が語っていたのを遮って、スマホを取り出すと届いていたメールを開いた。
未登録の見覚えのないアドレスからのメールだった。件名に『こんにちは大藪葵です』と書かれたのを見た途端に気持ちが昂っていく。
待ち人からのメールが素直に嬉しい。
初めての葵からのメールに早く読み進めたいような勿体ないような感覚を覚えながらも、ゆっくりと本文へと目で文章を追っていく。
『亨くんのことが好きです』
辿った先に書かれていた文章を読んだ途端、
何かに掴まれたように胸がキュッとした。
別にメールやメッセージアプリ、手紙での告白なんて珍しくないし、何度か経験もある。
直接の告白ならまだしも、間接的の告白は好きじゃない。それに、他人に興味が薄い分、顔がハッキリ分からない女と付き合う気にはならなかった。その度に、「あーまたか」なんて思っては、全く顔に記憶にない奴は無視をして、顔を思い出せる奴には断りの返事を返してきた。
唯、今は違う。
たった一文なのに何度も読み返しては鼓動が早く波打つ。
てっきり連絡が来ないから葵は俺と関わりたくないのだと、嫌われているのではないかと半ば諦めていたので、これが本心なのであれば素直に嬉しい。なんかの冗談なのかと少しだけ疑ったが、葵に限ってそんなことをふざけて送って来るような性格ではないのは分かっていた。
葵の好きの度合いが何処を指しているのか、この一文だけじゃ分からない……葵に直接聞きたい。
友達としてのものか、それとも……。
もしそうだと考えた時、不思議と嫌な気分はしなかった。それどころか、あの葵の笑顔や触れたくなった時のこと……折れそうなほどの細い指を思い出しては、胸がウズウズしていた。
今すぐにでも会って確かめたい……。
亨は座席立ち上がって、教室を出ようと思い立ったところで昼休みの終わりを告げる予鈴がなってしまい、座り直す。
星野に「急にどうした?」と驚かれたが、亨は何事もなかったかのように適当にあしらうと即座に『葵と話がしたいから放課後会える?』と返事を返した。画面を落とした後、暫くしても返事が返って来る気配などなく、その後の授業なんかも全て上の空
未登録の見覚えのないアドレスからのメールだった。件名に『こんにちは大藪葵です』と書かれたのを見た途端に気持ちが昂っていく。
待ち人からのメールが素直に嬉しい。
初めての葵からのメールに早く読み進めたいような勿体ないような感覚を覚えながらも、ゆっくりと本文へと目で文章を追っていく。
『亨くんのことが好きです』
辿った先に書かれていた文章を読んだ途端、
何かに掴まれたように胸がキュッとした。
別にメールやメッセージアプリ、手紙での告白なんて珍しくないし、何度か経験もある。
直接の告白ならまだしも、間接的の告白は好きじゃない。それに、他人に興味が薄い分、顔がハッキリ分からない女と付き合う気にはならなかった。その度に、「あーまたか」なんて思っては、全く顔に記憶にない奴は無視をして、顔を思い出せる奴には断りの返事を返してきた。
唯、今は違う。
たった一文なのに何度も読み返しては鼓動が早く波打つ。
てっきり連絡が来ないから葵は俺と関わりたくないのだと、嫌われているのではないかと半ば諦めていたので、これが本心なのであれば素直に嬉しい。なんかの冗談なのかと少しだけ疑ったが、葵に限ってそんなことをふざけて送って来るような性格ではないのは分かっていた。
葵の好きの度合いが何処を指しているのか、この一文だけじゃ分からない……葵に直接聞きたい。
友達としてのものか、それとも……。
もしそうだと考えた時、不思議と嫌な気分はしなかった。それどころか、あの葵の笑顔や触れたくなった時のこと……折れそうなほどの細い指を思い出しては、胸がウズウズしていた。
今すぐにでも会って確かめたい……。
亨は座席立ち上がって、教室を出ようと思い立ったところで昼休みの終わりを告げる予鈴がなってしまい、座り直す。
星野に「急にどうした?」と驚かれたが、亨は何事もなかったかのように適当にあしらうと即座に『葵と話がしたいから放課後会える?』と返事を返した。画面を落とした後、暫くしても返事が返って来る気配などなく、その後の授業なんかも全て上の空
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
壁穴奴隷No.19 麻袋の男
猫丸
BL
壁穴奴隷シリーズ・第二弾、壁穴奴隷No.19の男の話。
麻袋で顔を隠して働いていた壁穴奴隷19番、レオが誘拐されてしまった。彼の正体は、実は新王国の第二王子。変態的な性癖を持つ王子を連れ去った犯人の目的は?
シンプルにドS(攻)✕ドM(受※ちょっとビッチ気味)の組合せ。
前編・後編+後日談の全3話
SM系で鞭多めです。ハッピーエンド。
※壁穴奴隷シリーズのNo.18で使えなかった特殊性癖を含む内容です。地雷のある方はキーワードを確認してからお読みください。
※No.18の話と世界観(設定)は一緒で、一部にNo.18の登場人物がでてきますが、No.19からお読みいただいても問題ありません。
膀胱を虐められる男の子の話
煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ
男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話
膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)
受け付けの全裸お兄さんが店主に客の前で公開プレイされる大人の玩具専門店
ミクリ21 (新)
BL
大人の玩具専門店【ラブシモン】を営む執事服の店主レイザーと、受け付けの全裸お兄さんシモンが毎日公開プレイしている話。
新しいパパは超美人??~母と息子の雌堕ち記録~
焼き芋さん
BL
ママが連れてきたパパは超美人でした。
美しい声、引き締まったボディ、スラリと伸びた美しいおみ足。
スタイルも良くママよりも綺麗…でもそんなパパには太くて立派なおちんちんが付いていました。
これは…そんなパパに快楽地獄に堕とされた母と息子の物語…
※DLsite様でCG集販売の予定あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる