15 / 101
僅かな心の変化
僅かな心の変化 4-2
しおりを挟む
自分だって火の海に自ら飛び込むような真似なんてするつもりは無い。しかし、そんな矢先に保健室で話したときの男の笑顔が脳裏に浮かんできては気づけば座席を立ち上がっていた。
今すぐに考えるより気持ちが先走って何とかしないとなんて思いに駆られては、教室を勢いよく飛び出すと、「おい、何処行くんだよ」と星野が呼び止めるのを無視して急いで階段を駆け下りる。男が悲しそうにしているのが見ていられなかった。
ただアイツらを止められるだけの力は自分にあるだろうか。
今まで、恋人とすら揉めるのが面倒くさくて
逃げてきた俺が。
駆け下りている階段の途中で立ち止まっては行くことに躊躇いを覚え始める。
すると、上下ジャージのいかにも体育教師です。と主張してるような生徒指導とすれ違ったのをいいことに、花壇の奴らの事情を説明してやるとすぐ様着いてきてくれた。
自分ではこれが精一杯。衝動のままに動いてはみたものの、自ら奴らを巻く勇気なんてないから結局大人頼み。
亨は教師と共に駆け足で向かうと丁度花壇の上で金髪の男が葵を蹴り飛ばしているところだった。
それを見るなり教師は声を荒らげながら金髪の男達に注意をする。
男達はその教師の怒声で存在感に気づくなり、口々に「やべっ」と言っては、全力疾走で逃げるようにして裏口玄関から校舎内へと入っていった。体育教師も三人を追いかけていってしまう。
葵と残された花壇。
亨は蹴飛ばされては、縮こまっている葵の元へとゆっくりと近づいては唯、見下ろしていた。制服がどこもかしこも土だらけで、ブレザーのジャケットは金髪のものであろう足跡が背中にくっきりと付いている。
とても見ていられない状況に目を塞ぎたくなった。男の転んだ膝の下には紫の花が潰されてしまっている。傍に近寄っても気づいていないのか葵は土に手をついて俯いたまま動かなかった。
今すぐに考えるより気持ちが先走って何とかしないとなんて思いに駆られては、教室を勢いよく飛び出すと、「おい、何処行くんだよ」と星野が呼び止めるのを無視して急いで階段を駆け下りる。男が悲しそうにしているのが見ていられなかった。
ただアイツらを止められるだけの力は自分にあるだろうか。
今まで、恋人とすら揉めるのが面倒くさくて
逃げてきた俺が。
駆け下りている階段の途中で立ち止まっては行くことに躊躇いを覚え始める。
すると、上下ジャージのいかにも体育教師です。と主張してるような生徒指導とすれ違ったのをいいことに、花壇の奴らの事情を説明してやるとすぐ様着いてきてくれた。
自分ではこれが精一杯。衝動のままに動いてはみたものの、自ら奴らを巻く勇気なんてないから結局大人頼み。
亨は教師と共に駆け足で向かうと丁度花壇の上で金髪の男が葵を蹴り飛ばしているところだった。
それを見るなり教師は声を荒らげながら金髪の男達に注意をする。
男達はその教師の怒声で存在感に気づくなり、口々に「やべっ」と言っては、全力疾走で逃げるようにして裏口玄関から校舎内へと入っていった。体育教師も三人を追いかけていってしまう。
葵と残された花壇。
亨は蹴飛ばされては、縮こまっている葵の元へとゆっくりと近づいては唯、見下ろしていた。制服がどこもかしこも土だらけで、ブレザーのジャケットは金髪のものであろう足跡が背中にくっきりと付いている。
とても見ていられない状況に目を塞ぎたくなった。男の転んだ膝の下には紫の花が潰されてしまっている。傍に近寄っても気づいていないのか葵は土に手をついて俯いたまま動かなかった。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開
フローブルー
とぎクロム
BL
——好きだなんて、一生、言えないままだと思ってたから…。
高二の夏。ある出来事をきっかけに、フェロモン発達障害と診断された雨笠 紺(あまがさ こん)は、自分には一生、パートナーも、子供も望めないのだと絶望するも、その後も前向きであろうと、日々を重ね、無事大学を出て、就職を果たす。ところが、そんな新社会人になった紺の前に、高校の同級生、日浦 竜慈(ひうら りゅうじ)が現れ、紺に自分の息子、青磁(せいじ)を預け(押し付け)ていく。——これは、始まり。ひとりと、ひとりの人間が、ゆっくりと、激しく、家族になっていくための…。
黄色い水仙を君に贈る
えんがわ
BL
──────────
「ねぇ、別れよっか……俺たち……。」
「ああ、そうだな」
「っ……ばいばい……」
俺は……ただっ……
「うわああああああああ!」
君に愛して欲しかっただけなのに……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる