すべては花の積もる先

シオ

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「本当に、来てくれたのね」

 指定されたその場所に、ズーユンは一人で立っていた。夜のチャオヤンは静まり返っている。ここが喧騒溢れるルーフェイであることを忘れてしまうほどに、この場を静寂が支配していた。港町であるチャオヤンに活気があるのは、朝方から昼間の間だ。朝早くに漁のため、小舟に乗り込む漁師たち。太陽の照っている間に、商船から積荷を下ろす多くの人夫。今頃彼らは、明日のために眠りについていることだろう。その一方で私は今、ズーユンに会うためにチャオヤンの片隅にやって来ていた。

「来ないと思いましたか?」
「……来ると思った。でも、来なければ良いのに……とも思っていたわ」

 細く長い路地が交差するその交点に、ズーユンは立っている。微笑みを浮かべたけれど、それはとても悲しい気持ちにさせるものだった。何のために呼び出したのか。その理由を問うことはない。私はズーユンの考えを感じ取っている。そして、私が察していることをズーユンは理解しているのだ。

「母の絵をたくさん、ありがとうございました」
「まさか、私が絵をたくさんあげたから、ここに来てくれたの?」

 不思議そうな顔をして、ズーユンが私に問う。私は肩を竦めて、曖昧に笑った。どう言葉を返したものかと、数秒思案してから唇を開く。

「あなたにとっては、瑣末なものだったかもしれませんが……私にとっては、とても大切なものなんです。声も、表情も、何もかも朧げな母の、一部に触れられたような気持ちになりました」

 普通に考えれば、死者が残したものが増えることはないのだ。けれど、私は幸運にも母の遺品を手に入れることが出来た。それが些細なものであっても、私の胸は幸福に包まれる。母は、一体どんな顔で、どんな気持ちで、絵を描いていたのだろう。そう夢想することが出来る。それだけで、私は幸せだった。

「可哀想な子」
「あなただって、可哀想な人ですよ」
「……そうね」

 誰だって等しく、可哀想なのだ。私だけでなく、ズーユンだけでなく。一瞬だけ、ズーユンの表情が和らいだような気がした。ずっと強張っていた。月明かりに照らされる彼女は相変わらず美しかったけれど、それでも生気を感じないほどに怯えているように見えていた。

「私は哀れで、可哀想だから……だから、恩人の息子だって利用するの」

 和らいだと思ったのが誤解だったのではと思わせるほどに、瞬きの間で場の空気が不穏なものになる。それをすぐさま感じとったレンが、私に一歩近づく。背後に立っていた彼は、私の体を後ろから抱きしめるようにして私を守る姿勢に入った。

「私が何かを企てていることは、分かっていたのよね? だというのに、何故来たの」
「あなたを……見届けたかったから」

 ズーユンは鼻で笑い、私を嘲笑った。背の者が牛耳るこの裏社会の街においては、私の甘い考えは侮蔑の対象となるのだ。ズーユンは俯く。長い髪がその表情を隠したせいで、彼女の感情を探ることが出来なくなった。低く、小さな声が、彼女の唇から漏れ出る。

「私は、ヘイグァンに蛇の依頼をした」

 蛇。私はその言葉を聞いた瞬間に、はっと息を呑んだ。私はそれを知っている。蛇とは密航を指す背の者たちの言葉だ。この街から、この国から逃げて、どこか別の場所に行く。ズーユンは、それを依頼したのだという。しかも、バイユエの宿敵であるヘイグァンに。

「……ハンファに己の命の代金を支払って、やっと自由になれると思った。なのに無理やり身請けさせられるなんて、許せないから。……だから、逃げるって決めたの。……ここから逃げるためには、望み続けた自由を得るためには、背の者たちに蛇の依頼をするしかなかった」

 確かに、娼館ハンファのやり方は卑怯だ。自由など得られないのに、娼婦たちの前に自由という名の餌を吊り下げて働かせている。だが、それが娼婦というものなのだろうか。最初から自由など用意されてはおらず、娼館に入った瞬間に全てを奪われるものなのだろうか。母も、それを覚悟していたのだろうか。

「蛇を依頼するにしても、私はバイユエの持ち物であるハンファの娼婦。他の背の者たちでは、バイユエに喧嘩を売るようなことはしてくれない」
「だから、ヘイグァンに依頼を?」
「そう。彼らは、トーカさんを誘き出すのなら、依頼を受けると言った」
「……え?」

 突然己の名が出て、驚く。彼女の逃亡に、自分の存在が関わっていたなどとは思っていなかったのだ。私を誘い出したズーユンに、バイユエに対する交渉に利用されるのだろう、程度には思っていた。私を人質にすれば、バイユエが動くという算段を抱いたのだろう、と私は考えていたのだ。だからこそ、ヘイグァンが関わるなど思ってもいなかった。

 ヘイグァン。それが、先日ハンファの前ですれ違った背の者たちであることを、私は学んでいる。スイにとって不愉快の対象で、バイユエにとっての目の上の短瘤。そんな組織が、私を要求したということに驚きを隠せない。動揺する私を置いて、ズーユンは言葉を進める。

「ヘイグァンの頭目に言われたの。蛇の依頼を受けてやるから、トーカさんを誘き出せって。……トーカさんを、というよりは、バイユエ頭目の兄を誘き出せ、という感じだったけど。バイユエ頭目の兄と呼ばれる人が、シアさんの息子さんを指すことは分かっていた。でも、私には面識なんてなかったし、つてもない。あなたを誘き出すなんて、無理だった。だからもう、私には自由なんてないんだって、ここからは逃げられないだと思って……、私はあの日、崖から降りて終わらせようと思ったの」

 その日、私たちは出会ったのだ。ズーユンにとって自由への鍵とも言える存在が、のこのこと現れた。あの邂逅を思い出し、ズーユンの表情は僅かに歪む。喜んでいるような、嘆いているような。狂気に染まる笑みを、美しいおもてに浮かべた。

「奇跡だと思った。まるで、導かれたようだった。千載一遇の好機。これを逃せば、私の自由なんて一生得られない。だから……無謀でも、大胆でも、なりふり構わずあなたに近づいた。進むか、退くか。生きるか、死ぬか。私はそんな瀬戸際に立ってるの。今もね」

 確かの、彼女の行動は大胆という言葉に尽きた。私をハンファへ招いたのも、この場所へ呼び出したのも。全てが杜撰な計画で、行き当たりばったりな振る舞いだった。それに付き合った私も私だが、必死なズーユンの行動には、妙に他人を従わせる力があったように思う。

「あなたをここに連れて来ることが出来た。これで私は自由になれる」

 雫が一筋、月光を帯びながら頬を伝っていく。泣いているのに、笑っている。きっと彼女の心は今、激しく乱れているのだろう。善悪も倫理もかなぐり捨てて、ただただ逃げたいという己の願いに従っている。囁くような声だというのに、悲痛な叫びに聞こえる。もし、私とズーユンの立つ場所がこんなにも離れていなくて、私たちの間に悲壮な空気が漂っていなければ、私はズーユンを抱きしめていたことだろう。

 けれど、私の両腕は彼女を抱きしめられない。私たちを阻むように、怪しげな男たちが現れたからだ。一見して背の者であることが分かる。彼らが、ヘイグァンなのだろう。四方からぞろぞろと現れたその者たちを警戒するように、レンが私の前へとやってきて背中で私を守った。レンの背中に手を伸ばして、ぎゅっと服を掴む。

 やはりこうなるのだ。だが、私が予想していたものよりも、ずっと悪い。ヘイグァンは私の身柄を抑えようとしている。それが何の為なのかは分からないが、穏やかなお誘いではないことだけは確かだ。こんな場所に来てはいけなかった。分かっていたのに、それなのに私は来てしまった。ズーユンの最後を見届けたかったから。母の影を思わせる女性の行く末を、見守りたかったから。

 そんな甘い考えを強く後悔したのは、赤毛の男が姿を現した瞬間だった。

 一人だけ、纏う空気が異なる。その男がヘイグァンの頭目であると感じた。どことなく、スイに似ているような気がする。顔立ちも背格好も、何もかも異なるというのに。何故か私はその赤毛の男にスイの気配を感じたのだ。この男が、私を要求したというズーユンの言葉は、事実なのだろうか。

「……私に、何か用ですか」

 声が少し震えてしまった。情けないことに、私は臆しているのだ。この赤毛の男に。表情は暗く、目も落ち窪んでいる。私はこの男のことなど何も知らないけれど、底知れない闇を抱えているように見えた。レンの背中に守られながら、私は男の様子を伺う。

 私に向けて、手が伸ばされる。その瞬間、暗闇が形を得て動き出したのかと思った。それほどまでに、その男は仄暗い。戸惑いが強く、怯えることすら出来ない私を庇うレンが、伸びてきた男の手を掴む。レンの拳は、小刻みに震えていた。強い力で掴んでいることが見て取れる。

「下がらせろ」

 掠れた低い声。それが、赤毛の男の喉から発せられる。枯れた声というよりも、喉自体が潰れてしまっているかのような声音だ。それがまた、この男の不気味さに拍車をかけている。下がらせろ、と言った。それはつまり、レンを私の前から退かせろということだ。このままずっと従わず、レンの背後に隠れていたらどうなるだろうか。きっと、良い結果にはならないだろう。

「……レン」
「俺は下がらない。下がっていては、トーカを守れない」

 名を呼んだだけで、私の考えをレンが察する。すなわち、男の言葉に従って退くようにと言うつもりだったと言うことに、レンは気付いたのだ。そして、すぐさま拒否の言葉を私に向けた。細い路地に立つ私たち。私の背後には壁。壁とレンの間に挟まれて、私は今、この窮地にあっても安全を感じることが出来ている。この安全な場所から出ていくことが出来ない臆病な私は、黙り込んでしまった。

「もう一度言う、下がらせろ」

 追い討ちをかけるように、男が言葉を重ねる。身動きのない私たちを見て、痺れを切らした男は、近くに立っていたズーユンを引き寄せた。直後、きらりと光るものが現れる。月光を受けて、それは存在を強く示した。

「……っ!」

 匕首だ。男は、いつの間にか手に持っていたそれを、ズーユンの首筋に押し当てていたのだ。刃が少しでも動けば、首が刈り取られてしまう。声にならない悲鳴を上げたのは、私とズーユン本人。肩を抱くようにして匕首を押し当てられているズーユンは、恐怖のあまり顔が強張っている。ただの脅しではないことは、男の表情からも窺い知れた。

「こ……こんなこと、聞いてない……っ、私の役目は果たしたでしょう! 早く、早く船に乗せて!」
「残念だが、最後に人質の役目が残っている」

 ついに、刃がズーユンの首に強く押し当てられた。皮膚が薄く裂け、血が流れる。顎の下のその光景は、ズーユンの視界には映っていないだろうが、流血を感じることが出来るのか、彼女は唇を噛み締めて泣いていた。悲しみや、苦しみによる涙ではない。単純な恐怖によって生み出される涙だ。

「レン、お願いだから……!」

 私は、懇願することしか出来なかった。男に従わなければ、ズーユンは私の目の前で死ぬのだろう。そんな姿だけは見たくなかった。レンの背中を強く押す。びくともしなかったレンが、少しだけ動く。私から離れていったのだ。彼女がここで命を落とす事を、レンが致し方なしと判断してしまったらどうしようと、私は少しだけ案じていた。それが杞憂であって、少しだけ安堵する。

「下がれ、もっとだ」

 言葉と共に、刃が進む。皮だけを裂いていた匕首が、肉に触れ始める。ズーユンは何かしらの覚悟を決めたかのように、涙を流しながら目を固く瞑って、必死に恐怖に耐えていた。脅しにしてはやりすぎだ。もしかして、この男は脅しではなく本気でズーユンの命を奪い去ろうとしているのだろうか。

 自分の意思で娼婦になったのではなく、親によってハンファに売られ、そこで必死に生きてきたズーユン。いずれ自由になる日を夢見て、長年の苦役に耐えてきた。だが、自由になるという夢は身請けをさせるというハンファの考えによって破られ、それでも諦められずにヘイグァンを頼った。それがどれほど危険な手段であるかは、ズーユンとて分かっているのだろう。だが、危険を承知してでも、逃げ出したかった。それがあと少しで叶うというのに。

「レンには何もさせない! だから、それ以上は……っ!」

 あまりにもズーユンが哀れで、私は堪らなくなった。そして、感情に導かれるまま己の足でレンから離れていく。そこからの流れは、あまりにも全てが素早く動き、私の認識が追いつかなくなってしまった。人質になっていたズーユンが赤毛の男によって突き飛ばされたかと思ったら、今度は私の手首が掴まれる。強い力で引っ張られ、レンと引き離された。私と離れたレンは、ヘイグァンの男たちに取り囲まれる。人が人を殴る音がした。レンが殴っているのか、レンが殴られているのかは私の位置からでは分からない。

「お前はもういい。目障りだ。さっさと行け」

 それは突き飛ばされ、悲鳴をあげていたズーユンへと投げかけられた冷たい言葉だった。首筋を手で押さえ、流れる血を留めようとしているズーユンは、泣きながら震え、そして何度も頷いて去っていく。これで、彼女は自由になれるのだろうか。ことここに至っては、彼女の目的が果たされることを祈るしかない。

「……っ!」

 今までに感じたことのない痛みが掌に走る。一体何事かと思えば、私の手首を掴んでいた赤毛の男が、私の掌を匕首で裂いたのだ。深い傷ではなさそうだが、痛みは強く、血も随分と溢れている。私は恐怖と動揺が極限まで高まり、叫び声をあげて助けを求めることが出来ない。震えながら、男を見る。

「トーカ!」

 少し離れた場所で、レンの声が聞こえた。男たちに囲まれながらも、レンは私のことを気にしてくれている。集団から暴行を受けたレンが気絶をしていたり、最悪の場合、死んでいたりしたらどうしようと考えて青ざめていたのだが、どうやらレンに意識はあるようだ。それを知れて、少しばかり胸の緊張が抜けた。

「あぁ……っ!」

 微かでも心を落ち着けられる瞬間があったと言うのに、すぐに状況は最悪へと戻る。男は、私の傷口に指を押し当て、さらに勢いよく血を溢れさせた。痛みが強い。痛い、という単純な感情で泣いてしまいそうだ。歯を食いしばって苦痛と恐怖に耐えていると、今度は赤毛の男が自分の掌に傷口を作った。同じように、赤い色の血が流れ始める。私の掌の赤と、男の掌の赤。その双方を交互に男が眺めた。

「血の色は、同じ赤だ」

 何を言っているのだ。あまりにも理解が出来ず、不気味だった。誰の血も、赤いに決まっている。私の血が青色だとでも思ったのだろうか。そんなことを確認するために、ズーユンを使って私をおびき出したというのか。私の理解の範疇を超えている。私は怯えながら震えることしか出来なかった。

「だというのに、俺とお前は……何故これほどまでに違う?」

 至極不思議だと言いたげに、男は疑問符を投げかける。それがどういう意味であるのかを問うことも出来ずに、私は固まり続けた。体が竦んで逃げ出せない。そもそも、私の手首を掴む手は未だに強く、逃げ出す隙もない。

 後悔をする結果になることは分かっていた。

 だが、ここまで酷い結末に至ることは想像していなかったのだ。あまりにも見通しが甘く、考えが浅い己に吐き気がする。そんな私は、ここからさらに状況が悪化して行くことを、まだ知らない。
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