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波乱の御前会議
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レギアスの胸でひとしきり泣いたあと、侍女に身支度を整えてもらいレギアスと2人で軽く昼食をとった。
そのあとは宰相や各大臣との会議だった。
まずは捜査状況の報告を聞いたのだが、ほとんど進展は無かった。魔術師達が影の魔術について必死に調べているらしいが、資料も少なく、特殊な体系の魔術とのことでなかなか難しいようだ。
切り落とした腕についても持ち主の場所を特定する魔術を何度か試みているらしいが上手くいかないようだ。魔道具で術を弾いているのか空間支配系の術者だから対応できるのか……
空間支配系は厄介だ。自分もそうだからわかるし、結界も、どんな強力なものでも破られる可能性がある……
アサルド帝国や帝国の息のかかった国にもかなりの数の間諜を忍ばせているのだが、証拠になるような情報は何も掴めていないらしい。帝国ならバレたところで強引に黙らせる力はあるだろうに、慎重なことだ。
それとも……帝国以外という可能性もあるのかしら?
そのあとは今後の予定などを話し合い、ある程度話がまとまると、皇主が知っておかなければいけない情報や手続きについて、各大臣から順番に案内があるとの事だった。
「待ってください」
口を開いたのは従兄のサラディールだった。
皇弟だった彼の父は兄の即位と同時に臣籍降下して公爵になり、今は私の後見のような立場だ。
サラは若くして国教《レスタ》の実質のトップである大神官として確固たる地位を築いている。
叔父様は寡黙な方なのでそれほど親しくはないけれど、サラはひとりっ子の私にとって兄同然の存在だった。
昨日彼に聖印を刻んでもらったけれど、たいていの場合聖印はたった1人にしか刻めないし、術を取り消したとしても新たに刻むことはできない。
普通は生涯の伴侶のために取っておくものなのにサラはなんの迷いもなく私のためにそのひと枠を使ってくれた。
彼には感謝してもしきれない。
「皇主の役割の引き継ぎにレギアス殿下も同席させるのですか?」
「それは……影の魔術の使い手が暗躍しているかもしれない状況では離れるわけにはいかないわ。まだ正式に結婚したわけではないけれど、慣例では配偶者と共有してもいいはずよ」
「そうだね、でもあまりにもレギアス殿下を信用してしまうのはまずいと思うんだ」
「なんだと?」
レギアスが殺気立つ。
「ねえ、もしかしてだけど、一連の騒動って君が黒幕だったりしないよね?」
「は?なんのことだ??」
「レティが誘拐されそうになったのも両陛下が暗殺されたのも……君が唯一得しているように思えるんだ」
「なんだと!?」
「君、レティにずっと惚れてたんだろう?レティを助けて無理やり手に入れて、この短期間ですっかり自分なしには居られないように依存させているよね?内心嬉しくて仕方がないんじゃないか?」
「貴様っ!!俺がレティシアの両親を殺して悲しませて平気な男だと、そう言いたいのか!?」
レギアスの殺気が爆発しそう!怯えて椅子からずり落ちそうになってる大臣もいる……
私はレギアスを結界で覆った。レギアスの聖印が光を失い、それだけではなく力がどんどん失われていく。
「れ、レティシア?……なんだ……これ……」
レギアスはすぐに身体を起こしていられなくなり、会議場の大テーブルに力なく体を預けた。
顔だけ隣の私に向け、信じられないといった顔をしていた。
この結界は力を奪う、存命の皇族では私だけが使える結界術。
今は私がレギアスを抑えられるところを皆に見せなくては……
でもレギアスのショックを受けた顔がつらい……
「レギアス、落ち着いて。落ち着いてくれたらすぐに解除するから。私は何を言われようとあなたを疑ったりしないから」
「そういう可能性もあるんじゃないかとふと思いついただけさ。それに、レギアス殿下は何も知らなくてもマティアス殿下が糸を引いている。なんてこともあるかもしれないな。彼は策略家だから。殿下がレティと結婚すれば自分は王になれる上に、殿下をさりげなく誘導してアンサリムを乗っ取ろうとか考えているかもしれないよ?」
「兄貴のことは……正直わからない。何考えてるかわからないやつだからな……政治は得意だから王に向いてるとは思うが……。レティシアを拐おうとした竜戦士は俺の同胞だし、俺を派遣すると決めたのも兄貴の可能性はある……」
レギアスはかなり動揺した表情で言った。
「待って!レギアスはわたくしの名前も知らなかったのよ!マティアス殿下のことはわからないけれど、レギアスを疑うのはやめてちょうだい!」
「レティ、世の中には悪魔のように演技が上手い人間だっているんだよ」
「そ、そんな……、あ、でもマティアス殿下には問題なく祝福が授けられたのよ。マティアス殿下はわたくしに悪意を持っていないはずよ」
「レティ、悪意がなく悪事を働く人間だっているんだよ。悪いことをしてる自覚がないんだ」
「そ、そんなことを言ったら誰も信用できないじゃない……」
確かに、祝福の受けられない人間をどれだけ排除しても時々凶悪な犯罪は起こってしまう。確信犯や精神病質者は祝福の効果では炙り出せない。
「そういうお前だって得をする人間なんじゃないのか?レティシアを帝国に売り渡して皇位を簒奪しようなんて考えてるんじゃないだろうな……」
「ふ……ハハッ!君はこの国の状況を何もわかっていないんだな。この国は今存亡の危機にあると言っていい。3年前に皇主が崩御したばかりでまた暗殺されるなんて」
レギアスは息を呑み、部屋中に重々しい空気が広がる。
「今はこの国に強い神聖力を持つ皇族はレティ1人だ。レティがもしも居なくなったら……この国は帝国に吸収されてしまうだろうね。僕はもしかしたらお飾りの皇位を貰えるかもしれないけど、そんなのごめんだよ。この国は、レティの絶大な神聖力とカリスマがあるからまだ帝国の工作と戦える希望があるんだ。僕のお粗末な力では無理だよ」
「3年前にも、皇主が崩御したのか!?」
「そうなの……おじい様も同盟国を訪問された時に事故でね。皇帝が私を欲しがって断った少し後だったの。事故に見せかけた暗殺だと目されているわ」
「皇帝アスタレイウス……」
結界に力を封じられながらもギリギリと歯噛みするレギアス。怒りの強さが伝わってくる。
「それにね、皇族間で皇位争いなんかがあると簒奪者や弑逆者は神聖力を失って皇位継承権がなくなってしまうの。直接間接を問わずね。今までの歴史で必ずそうなっているの。セレスティナ神は子孫が争うのを好まないのよ。だから、サラのことは疑わなくて大丈夫」
「そうか……わかった。とりあえず、俺のレティシアへの思いは本物だと皆わかってくれているだろう?なんならソーマとは縁を切る。そうしたら安心だろう?」
レギアスの憔悴しきった顔が痛々しい。早く結界を解いてあげたい。
「い、いえ!それでは我が国の国力が下がってしまいます!可能性が僅かにあるという程度でそんなことをするわけには」
今まで黙って聞いていた宰相が慌てて口をはさんだ。
「わかったわ、ではマティアス殿下のことは気をつけるようにしましょう。信用しすぎないように。でも、レギアスのことを疑うのはお願いだからやめて欲しいの……あの時のレギアスは嘘なんかついてないって見たら分かるの。みんなにわたくしの記憶を見せられたらいいのに……」
「姫様、いえ聖上陛下。私もレギアス殿下が嘘をついているとは思いません。しかし、サラディール猊下のおっしゃることも全くの的外れではありません。あらゆる可能性を考慮しておかなければ……。我々はもう少し話し合ってからレギアス殿下の同席についての結論を出そうと思います。よろしいですか?」
「宰相、わかったわ」
「では、我々は場所を移しますので、お二人は落ち着いてから部屋に戻ってお休みください。明日からの葬儀に備えて下され」
宰相がそう言うと、怯えていた大臣から我先にと会議場を出ていった。
「レギアス、落ち着いた?結界を解いても大丈夫?」
「ああ、大丈夫だ……」
レギアスのつらそうな声を聞いて胸が痛み、すぐに結界を解き彼を抱きしめた。左手を見ると聖印は虹色に輝き、レギアスの顔に生気が戻った。
「その気になれば俺から身を守れるって、本当だったんだな……」
「本気になれば壊せるかもしれないわよ?今度人気のない場所で試してみる?」
「いいよ……いや、でもレティシアの能力をしっかり知っておいたほうがいいのか?……まあ今度機会があれば……」
レギアスは立ち上がり、いつも私を見つめている瞳が、何もない空間を睨んでいた。
「レギアス、ごめんなさい。こんなことになって」
「いや、いいんだ。宰相の言う通りだと思う。あいつはムカつくけどな……」
「あいつってサラのこと?」
「あいつ……レティとか馴れ馴れしく呼びやがって……」
「え!?そこ?そこなの??」
「この状況で少しも疑われず信じられてもちょっと心配になるし……もちろんレティシアにだけは疑われたら耐えられないけど……。まあでも、これくらいでちょうどいいよ」
「レギアス……」
「レティシア、疑わずにいてくれて嬉しかった。ありがとう」
レギアスはやっと私を見てくれたけれど、笑顔がぎこちない。
「うん。……その、でも……まだ怒ってるよね?」
怒りから湧く殺気をなんとか抑えてるのが何となくわかる。
「理屈ではわかってるし、レティシアのおかげで抑えられてはいるけど……すぐには感情が追いつかないみたいだ。……ごめん、すぐに平静に戻るから……」
「じゃあとりあえず部屋に戻ってお茶でも飲んで落ち着きましょう?」
「ああ、そうだな」
私はレギアスの腕を掴んで促し会議場を出ると、そのまま腕に手を添えて部屋に帰った。
そのあとは宰相や各大臣との会議だった。
まずは捜査状況の報告を聞いたのだが、ほとんど進展は無かった。魔術師達が影の魔術について必死に調べているらしいが、資料も少なく、特殊な体系の魔術とのことでなかなか難しいようだ。
切り落とした腕についても持ち主の場所を特定する魔術を何度か試みているらしいが上手くいかないようだ。魔道具で術を弾いているのか空間支配系の術者だから対応できるのか……
空間支配系は厄介だ。自分もそうだからわかるし、結界も、どんな強力なものでも破られる可能性がある……
アサルド帝国や帝国の息のかかった国にもかなりの数の間諜を忍ばせているのだが、証拠になるような情報は何も掴めていないらしい。帝国ならバレたところで強引に黙らせる力はあるだろうに、慎重なことだ。
それとも……帝国以外という可能性もあるのかしら?
そのあとは今後の予定などを話し合い、ある程度話がまとまると、皇主が知っておかなければいけない情報や手続きについて、各大臣から順番に案内があるとの事だった。
「待ってください」
口を開いたのは従兄のサラディールだった。
皇弟だった彼の父は兄の即位と同時に臣籍降下して公爵になり、今は私の後見のような立場だ。
サラは若くして国教《レスタ》の実質のトップである大神官として確固たる地位を築いている。
叔父様は寡黙な方なのでそれほど親しくはないけれど、サラはひとりっ子の私にとって兄同然の存在だった。
昨日彼に聖印を刻んでもらったけれど、たいていの場合聖印はたった1人にしか刻めないし、術を取り消したとしても新たに刻むことはできない。
普通は生涯の伴侶のために取っておくものなのにサラはなんの迷いもなく私のためにそのひと枠を使ってくれた。
彼には感謝してもしきれない。
「皇主の役割の引き継ぎにレギアス殿下も同席させるのですか?」
「それは……影の魔術の使い手が暗躍しているかもしれない状況では離れるわけにはいかないわ。まだ正式に結婚したわけではないけれど、慣例では配偶者と共有してもいいはずよ」
「そうだね、でもあまりにもレギアス殿下を信用してしまうのはまずいと思うんだ」
「なんだと?」
レギアスが殺気立つ。
「ねえ、もしかしてだけど、一連の騒動って君が黒幕だったりしないよね?」
「は?なんのことだ??」
「レティが誘拐されそうになったのも両陛下が暗殺されたのも……君が唯一得しているように思えるんだ」
「なんだと!?」
「君、レティにずっと惚れてたんだろう?レティを助けて無理やり手に入れて、この短期間ですっかり自分なしには居られないように依存させているよね?内心嬉しくて仕方がないんじゃないか?」
「貴様っ!!俺がレティシアの両親を殺して悲しませて平気な男だと、そう言いたいのか!?」
レギアスの殺気が爆発しそう!怯えて椅子からずり落ちそうになってる大臣もいる……
私はレギアスを結界で覆った。レギアスの聖印が光を失い、それだけではなく力がどんどん失われていく。
「れ、レティシア?……なんだ……これ……」
レギアスはすぐに身体を起こしていられなくなり、会議場の大テーブルに力なく体を預けた。
顔だけ隣の私に向け、信じられないといった顔をしていた。
この結界は力を奪う、存命の皇族では私だけが使える結界術。
今は私がレギアスを抑えられるところを皆に見せなくては……
でもレギアスのショックを受けた顔がつらい……
「レギアス、落ち着いて。落ち着いてくれたらすぐに解除するから。私は何を言われようとあなたを疑ったりしないから」
「そういう可能性もあるんじゃないかとふと思いついただけさ。それに、レギアス殿下は何も知らなくてもマティアス殿下が糸を引いている。なんてこともあるかもしれないな。彼は策略家だから。殿下がレティと結婚すれば自分は王になれる上に、殿下をさりげなく誘導してアンサリムを乗っ取ろうとか考えているかもしれないよ?」
「兄貴のことは……正直わからない。何考えてるかわからないやつだからな……政治は得意だから王に向いてるとは思うが……。レティシアを拐おうとした竜戦士は俺の同胞だし、俺を派遣すると決めたのも兄貴の可能性はある……」
レギアスはかなり動揺した表情で言った。
「待って!レギアスはわたくしの名前も知らなかったのよ!マティアス殿下のことはわからないけれど、レギアスを疑うのはやめてちょうだい!」
「レティ、世の中には悪魔のように演技が上手い人間だっているんだよ」
「そ、そんな……、あ、でもマティアス殿下には問題なく祝福が授けられたのよ。マティアス殿下はわたくしに悪意を持っていないはずよ」
「レティ、悪意がなく悪事を働く人間だっているんだよ。悪いことをしてる自覚がないんだ」
「そ、そんなことを言ったら誰も信用できないじゃない……」
確かに、祝福の受けられない人間をどれだけ排除しても時々凶悪な犯罪は起こってしまう。確信犯や精神病質者は祝福の効果では炙り出せない。
「そういうお前だって得をする人間なんじゃないのか?レティシアを帝国に売り渡して皇位を簒奪しようなんて考えてるんじゃないだろうな……」
「ふ……ハハッ!君はこの国の状況を何もわかっていないんだな。この国は今存亡の危機にあると言っていい。3年前に皇主が崩御したばかりでまた暗殺されるなんて」
レギアスは息を呑み、部屋中に重々しい空気が広がる。
「今はこの国に強い神聖力を持つ皇族はレティ1人だ。レティがもしも居なくなったら……この国は帝国に吸収されてしまうだろうね。僕はもしかしたらお飾りの皇位を貰えるかもしれないけど、そんなのごめんだよ。この国は、レティの絶大な神聖力とカリスマがあるからまだ帝国の工作と戦える希望があるんだ。僕のお粗末な力では無理だよ」
「3年前にも、皇主が崩御したのか!?」
「そうなの……おじい様も同盟国を訪問された時に事故でね。皇帝が私を欲しがって断った少し後だったの。事故に見せかけた暗殺だと目されているわ」
「皇帝アスタレイウス……」
結界に力を封じられながらもギリギリと歯噛みするレギアス。怒りの強さが伝わってくる。
「それにね、皇族間で皇位争いなんかがあると簒奪者や弑逆者は神聖力を失って皇位継承権がなくなってしまうの。直接間接を問わずね。今までの歴史で必ずそうなっているの。セレスティナ神は子孫が争うのを好まないのよ。だから、サラのことは疑わなくて大丈夫」
「そうか……わかった。とりあえず、俺のレティシアへの思いは本物だと皆わかってくれているだろう?なんならソーマとは縁を切る。そうしたら安心だろう?」
レギアスの憔悴しきった顔が痛々しい。早く結界を解いてあげたい。
「い、いえ!それでは我が国の国力が下がってしまいます!可能性が僅かにあるという程度でそんなことをするわけには」
今まで黙って聞いていた宰相が慌てて口をはさんだ。
「わかったわ、ではマティアス殿下のことは気をつけるようにしましょう。信用しすぎないように。でも、レギアスのことを疑うのはお願いだからやめて欲しいの……あの時のレギアスは嘘なんかついてないって見たら分かるの。みんなにわたくしの記憶を見せられたらいいのに……」
「姫様、いえ聖上陛下。私もレギアス殿下が嘘をついているとは思いません。しかし、サラディール猊下のおっしゃることも全くの的外れではありません。あらゆる可能性を考慮しておかなければ……。我々はもう少し話し合ってからレギアス殿下の同席についての結論を出そうと思います。よろしいですか?」
「宰相、わかったわ」
「では、我々は場所を移しますので、お二人は落ち着いてから部屋に戻ってお休みください。明日からの葬儀に備えて下され」
宰相がそう言うと、怯えていた大臣から我先にと会議場を出ていった。
「レギアス、落ち着いた?結界を解いても大丈夫?」
「ああ、大丈夫だ……」
レギアスのつらそうな声を聞いて胸が痛み、すぐに結界を解き彼を抱きしめた。左手を見ると聖印は虹色に輝き、レギアスの顔に生気が戻った。
「その気になれば俺から身を守れるって、本当だったんだな……」
「本気になれば壊せるかもしれないわよ?今度人気のない場所で試してみる?」
「いいよ……いや、でもレティシアの能力をしっかり知っておいたほうがいいのか?……まあ今度機会があれば……」
レギアスは立ち上がり、いつも私を見つめている瞳が、何もない空間を睨んでいた。
「レギアス、ごめんなさい。こんなことになって」
「いや、いいんだ。宰相の言う通りだと思う。あいつはムカつくけどな……」
「あいつってサラのこと?」
「あいつ……レティとか馴れ馴れしく呼びやがって……」
「え!?そこ?そこなの??」
「この状況で少しも疑われず信じられてもちょっと心配になるし……もちろんレティシアにだけは疑われたら耐えられないけど……。まあでも、これくらいでちょうどいいよ」
「レギアス……」
「レティシア、疑わずにいてくれて嬉しかった。ありがとう」
レギアスはやっと私を見てくれたけれど、笑顔がぎこちない。
「うん。……その、でも……まだ怒ってるよね?」
怒りから湧く殺気をなんとか抑えてるのが何となくわかる。
「理屈ではわかってるし、レティシアのおかげで抑えられてはいるけど……すぐには感情が追いつかないみたいだ。……ごめん、すぐに平静に戻るから……」
「じゃあとりあえず部屋に戻ってお茶でも飲んで落ち着きましょう?」
「ああ、そうだな」
私はレギアスの腕を掴んで促し会議場を出ると、そのまま腕に手を添えて部屋に帰った。
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