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第五章・スイーツのように甘くなりたい。7
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いかにも食べたそうにしていたのに……。
「せっかく作ったんだから一口でもいいから食べてみたらどう? 小さくて食べやすいし、大人の人にも大人気なのよ?」
「いらん。俺は、甘いのは好きじゃない」
「もう……どうしてそうも頑固なのよ?」
本当は好きなくせに。意地でも嫌いだと言い食べたがらない。何でそこまでして意地を通そうとするのよ?
強引でも食べさせようかしら……とその態度に対してイライラしていた。
だが、その時だった。エレンが厨房に慌てて入ってきた。
「陛下、ユリア様。お客様がお見えになりました。隣国のゼトリック様が」
ゼトリック……様? 誰それ?
こんな時にお客様だなんて……そう思っていたら許可を出す間もなく一人の男性が入ってきた。うわぁ……イケメン。
銀髪の髪に綺麗な切れ長な目。鼻筋が通っており整った顔立ちをしていた。
こちらも芸能人以上のイケメンだった。するとニコッと微笑んでくる。
「やぁ久しぶりだね。アディ」
「ゼトリックか。貴様……何しに来た?」
「つれないなぁ……君は相変わらず。親友である君のバースデーパーティーがあるから早めに会いに来たんじゃないか?」
「フン。バースデーにはまだ早い。まったく。相変わらずだな……お前は」
呆れたように、ため息を吐く陛下を見て私は、えっ? と思った。知り合いなの?
親友って? しかも陛下は冷たい態度だが顔見知りのようだった。隣国って言っていたけど……。
ゼトリック様? って人は私を見るとニコッと微笑んできた。思わずドキッと心臓が高鳴る。すると私に近づいてきた。
「おや。君かな? アディの妻で皇后になるユリア公爵令嬢って? はじめまして。俺はゼトリック・チャールズ。隣国のチャールズ帝国の皇帝だ。気楽にゼトリックと呼んでくれ。アディとは幼馴染みで親友でもあるからよろしくね」
「チャールズ帝国の皇帝⁉ あ、えっと……。はじめまして。さく……じゃなかったユリア・ブルーランです」
私は慌てて挨拶をする。うわぁ……陛下以外の皇帝が現れるなんて。
しかも陛下と親友で幼馴染みだとは驚きだわ。驚いているとゼトリック様は、クスクスと笑う。
「せっかく作ったんだから一口でもいいから食べてみたらどう? 小さくて食べやすいし、大人の人にも大人気なのよ?」
「いらん。俺は、甘いのは好きじゃない」
「もう……どうしてそうも頑固なのよ?」
本当は好きなくせに。意地でも嫌いだと言い食べたがらない。何でそこまでして意地を通そうとするのよ?
強引でも食べさせようかしら……とその態度に対してイライラしていた。
だが、その時だった。エレンが厨房に慌てて入ってきた。
「陛下、ユリア様。お客様がお見えになりました。隣国のゼトリック様が」
ゼトリック……様? 誰それ?
こんな時にお客様だなんて……そう思っていたら許可を出す間もなく一人の男性が入ってきた。うわぁ……イケメン。
銀髪の髪に綺麗な切れ長な目。鼻筋が通っており整った顔立ちをしていた。
こちらも芸能人以上のイケメンだった。するとニコッと微笑んでくる。
「やぁ久しぶりだね。アディ」
「ゼトリックか。貴様……何しに来た?」
「つれないなぁ……君は相変わらず。親友である君のバースデーパーティーがあるから早めに会いに来たんじゃないか?」
「フン。バースデーにはまだ早い。まったく。相変わらずだな……お前は」
呆れたように、ため息を吐く陛下を見て私は、えっ? と思った。知り合いなの?
親友って? しかも陛下は冷たい態度だが顔見知りのようだった。隣国って言っていたけど……。
ゼトリック様? って人は私を見るとニコッと微笑んできた。思わずドキッと心臓が高鳴る。すると私に近づいてきた。
「おや。君かな? アディの妻で皇后になるユリア公爵令嬢って? はじめまして。俺はゼトリック・チャールズ。隣国のチャールズ帝国の皇帝だ。気楽にゼトリックと呼んでくれ。アディとは幼馴染みで親友でもあるからよろしくね」
「チャールズ帝国の皇帝⁉ あ、えっと……。はじめまして。さく……じゃなかったユリア・ブルーランです」
私は慌てて挨拶をする。うわぁ……陛下以外の皇帝が現れるなんて。
しかも陛下と親友で幼馴染みだとは驚きだわ。驚いているとゼトリック様は、クスクスと笑う。
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