47 / 118
第三章・銀行強盗事件。15
しおりを挟む
確かに。伊波君の話をしたら神崎さんは、複雑な気持ちになるだろうな。
俺だとしても罪悪感で押し潰されそうになるだろうし。むしろ思い出すのも辛い過去だろう。神崎さんの気持ちを考えると胸が潰れそうなる。
「分かった。神崎さんには秘密にしておくよ」
「ありがとう。フフッ……松本君から聞いていた通りで、いい人で良かった。これからも仲良くしてくれたら嬉しいな。あ、携帯番号聞いてもいい?」
「うん」
俺は、伊波君に番号を交換した。その後は、料理が来たので気を取り直して楽しく食事をした。伊波君は、ここのお店に来たのは初めてらしく、しょうが焼きを食べて美味しいと言っていた。そうだろう。俺も一口食べてみる。
よく染み込んだタレが豚肉に合っていてご飯が進む。
食べながら話をするが、確かに松本の言う通り伊波君を紹介したかった理由も分かる。話も面白いし同世代だからか気が合う。
しかし本当に驚いたな。こんな偶然があるなんて……。
改めて神崎さんのことを知ることが出来た。
前からミステリアスで知らない部分が多かったけど思ったより複雑な環境の人だった。
一体どんな想いで過ごしてきたのだろうか? 俺には、知る由もなかった……。
その後。銀行強盗の犯人の身元が分かったと瀬戸さんから連絡があった。
やっぱり神崎さんの予測通りお互いに面識も無く、集められたメンバーだった。
だが捕まった二人は、小さな犯行だったらしいが、死んだリーダー格の犯人だけ赤薔薇会と接触が合ったのではないかと言われていた。だが結局死んだので、それも謎のまま。
赤薔薇会は、それすら楽しんでいるように不敵に笑っていた。
それは、暗い部屋でPCプロジェクターで大きなポログラフの画面でテレビ電話をするある人物だった。
『指示通りに事が運びましたね。残りは、何も知らずに犯行を手伝ったに過ぎませんし、こちらの接点もありません。殺す予定の大島も無事に死んでくれました。
ただ神崎を殺しそびれたのが残念ですが」
『いや……むしろ想定内だ。これは、あくまでもパフォーマンス。それに僕らの企みに気づかないほど彼は、馬鹿じゃない。フフッ……むしろその思惑に気づいた時の彼は、どのような反応をするだろうね? さらに楽しませてくれるのを期待しているよ。あぁ……楽しみだ』
そう言いながら不敵な笑みをこぼしていた。赤薔薇会の企みは、新たな犯罪の幕開けとなったのだった。
俺だとしても罪悪感で押し潰されそうになるだろうし。むしろ思い出すのも辛い過去だろう。神崎さんの気持ちを考えると胸が潰れそうなる。
「分かった。神崎さんには秘密にしておくよ」
「ありがとう。フフッ……松本君から聞いていた通りで、いい人で良かった。これからも仲良くしてくれたら嬉しいな。あ、携帯番号聞いてもいい?」
「うん」
俺は、伊波君に番号を交換した。その後は、料理が来たので気を取り直して楽しく食事をした。伊波君は、ここのお店に来たのは初めてらしく、しょうが焼きを食べて美味しいと言っていた。そうだろう。俺も一口食べてみる。
よく染み込んだタレが豚肉に合っていてご飯が進む。
食べながら話をするが、確かに松本の言う通り伊波君を紹介したかった理由も分かる。話も面白いし同世代だからか気が合う。
しかし本当に驚いたな。こんな偶然があるなんて……。
改めて神崎さんのことを知ることが出来た。
前からミステリアスで知らない部分が多かったけど思ったより複雑な環境の人だった。
一体どんな想いで過ごしてきたのだろうか? 俺には、知る由もなかった……。
その後。銀行強盗の犯人の身元が分かったと瀬戸さんから連絡があった。
やっぱり神崎さんの予測通りお互いに面識も無く、集められたメンバーだった。
だが捕まった二人は、小さな犯行だったらしいが、死んだリーダー格の犯人だけ赤薔薇会と接触が合ったのではないかと言われていた。だが結局死んだので、それも謎のまま。
赤薔薇会は、それすら楽しんでいるように不敵に笑っていた。
それは、暗い部屋でPCプロジェクターで大きなポログラフの画面でテレビ電話をするある人物だった。
『指示通りに事が運びましたね。残りは、何も知らずに犯行を手伝ったに過ぎませんし、こちらの接点もありません。殺す予定の大島も無事に死んでくれました。
ただ神崎を殺しそびれたのが残念ですが」
『いや……むしろ想定内だ。これは、あくまでもパフォーマンス。それに僕らの企みに気づかないほど彼は、馬鹿じゃない。フフッ……むしろその思惑に気づいた時の彼は、どのような反応をするだろうね? さらに楽しませてくれるのを期待しているよ。あぁ……楽しみだ』
そう言いながら不敵な笑みをこぼしていた。赤薔薇会の企みは、新たな犯罪の幕開けとなったのだった。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
密室島の輪舞曲
葉羽
ミステリー
夏休み、天才高校生の神藤葉羽は幼なじみの望月彩由美とともに、離島にある古い洋館「月影館」を訪れる。その洋館で連続して起きる不可解な密室殺人事件。被害者たちは、内側から完全に施錠された部屋で首吊り死体として発見される。しかし、葉羽は死体の状況に違和感を覚えていた。
洋館には、著名な実業家や学者たち12名が宿泊しており、彼らは謎めいた「月影会」というグループに所属していた。彼らの間で次々と起こる密室殺人。不可解な現象と怪奇的な出来事が重なり、洋館は恐怖の渦に包まれていく。
双極の鏡
葉羽
ミステリー
神藤葉羽は、高校2年生にして天才的な頭脳を持つ少年。彼は推理小説を読み漁る日々を送っていたが、ある日、幼馴染の望月彩由美からの突然の依頼を受ける。彼女の友人が密室で発見された死体となり、周囲は不可解な状況に包まれていた。葉羽は、彼女の優しさに惹かれつつも、事件の真相を解明することに心血を注ぐ。
事件の背後には、視覚的な錯覚を利用した巧妙なトリックが隠されており、密室の真実を解き明かすために葉羽は思考を巡らせる。彼と彩由美の絆が深まる中、恐怖と謎が交錯する不気味な空間で、彼は人間の心の闇にも触れることになる。果たして、葉羽は真実を見抜くことができるのか。
どんでん返し
あいうら
ミステリー
「1話完結」~最後の1行で衝撃が走る短編集~
ようやく子どもに恵まれた主人公は、家族でキャンプに来ていた。そこで偶然遭遇したのは、彼が閑職に追いやったかつての部下だった。なぜかファミリー用のテントに1人で宿泊する部下に違和感を覚えるが…
(「薪」より)
無能力探偵の事件簿〜超能力がない?推理力があるじゃないか〜
雨宮 徹
ミステリー
2025年――それは人類にとって革新が起きた年だった。一人の青年がサイコキネシスに目覚めた。その後、各地で超能力者が誕生する。
それから9年後の2034年。超能力について様々なことが分かり始めた。18歳の誕生日に能力に目覚めること、能力には何かしらの制限があること、そして全人類が能力に目覚めるわけではないこと。
そんな世界で梶田優は難事件に挑む。超能力ではなく知能を武器として――。
※「PSYCHO-PASS」にインスパイアされ、本や名言の引用があります。
膀胱を虐められる男の子の話
煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ
男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話
膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)
仏眼探偵 ~樹海ホテル~
菱沼あゆ
ミステリー
『推理できる助手、募集中。
仏眼探偵事務所』
あるとき芽生えた特殊な仏眼相により、手を握った相手が犯人かどうかわかるようになった晴比古。
だが、最近では推理は、助手、深鈴に丸投げしていた。
そんな晴比古の許に、樹海にあるホテルへの招待状が届く。
「これから起きる殺人事件を止めてみろ」という手紙とともに。
だが、死体はホテルに着く前に自分からやってくるし。
目撃者の女たちは、美貌の刑事、日下部志貴に会いたいばかりに、嘘をつきまくる。
果たして、晴比古は真実にたどり着けるのか――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる