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第七章・魔女狩り。1
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パーティー当日。皇宮のダンスホールでは、たくさんの貴族が参列していた。
招待状では午後の七時になっていたが、早くから多くの貴族が発表を待ち望んで待っている。私は後で参加するためその列には居なかったが、そこにはすでにレイナ様の姿があった。レイナ様は、いよいよ自分が皇妃になれるのだと思いはしゃいでいる様子。他のとりまき達は二人にお祝いの言葉を言っていたぐらいだ。
しかし皇帝陛下の登場で静まり返る。隣にはレイヴァン様が。
貴族達が頭を下げると皇帝陛下は、徐に口を開いた。
「顔を上げよ。今日はこのようなパーティーに出席頂き誠に感謝する。噂にはなっていると思うが、今日のパーティーの目的は我が息子であり皇太子であるレイヴァンを皇帝に即位させる事を発表するためのものだ」
陛下の発表に多くの貴族達は歓声を上げた。拍手をされる中、陛下は咳払いをする。
「そこでだ。息子が皇帝に即位するに辺り、その隣に相応しい皇妃を選ばないとならないと思っておる。皆の者も大変気にしている事だろう。息子と議論を重ねった上で、ここで発表しようと思っておる」
陛下に言葉に周りはざわざわと騒ぎ出し、いろんな意見が飛び交う。
「やっぱり皇妃は聖女であるレイナ様に決まったのよ。婚約者だもの」
「しかし、まだ皇妃教育が終了していないはずでは?」
その近くでは、聖皇猊下と神官達も居る。白いローブと白く長いヒゲ。聖皇である・イグナスは待ち望んでいた光景にニヤリと不敵な笑みをこぼしていた。
「ゴホッゴホッ……ここからは、皇帝になるレイヴァンに任せる。レイヴァン……いいな?」
「はい、承知致しました。では、ここから陛下に代わりに私が発表する。しかし、その前に紹介したい人が居る。呼んで参れ」
代わりにレイヴァン様が発表を任せられる。すると大きな声で皇妃を呼ぶようにと指示を出した。貴族達は驚きどよめく。
すると、扉が開かれた。そこに登場したのはクリスを抱っこした私だ。
周りもまさかの事態に一瞬静まり返った。それもそのはず……私は濡れ衣を着せられ、幽閉されたはずの悪役令嬢なのだから。
しかも幽閉先で亡くなったともなっていたので、まさか生きて現れるとは誰も思わないだろう。
招待状では午後の七時になっていたが、早くから多くの貴族が発表を待ち望んで待っている。私は後で参加するためその列には居なかったが、そこにはすでにレイナ様の姿があった。レイナ様は、いよいよ自分が皇妃になれるのだと思いはしゃいでいる様子。他のとりまき達は二人にお祝いの言葉を言っていたぐらいだ。
しかし皇帝陛下の登場で静まり返る。隣にはレイヴァン様が。
貴族達が頭を下げると皇帝陛下は、徐に口を開いた。
「顔を上げよ。今日はこのようなパーティーに出席頂き誠に感謝する。噂にはなっていると思うが、今日のパーティーの目的は我が息子であり皇太子であるレイヴァンを皇帝に即位させる事を発表するためのものだ」
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「そこでだ。息子が皇帝に即位するに辺り、その隣に相応しい皇妃を選ばないとならないと思っておる。皆の者も大変気にしている事だろう。息子と議論を重ねった上で、ここで発表しようと思っておる」
陛下に言葉に周りはざわざわと騒ぎ出し、いろんな意見が飛び交う。
「やっぱり皇妃は聖女であるレイナ様に決まったのよ。婚約者だもの」
「しかし、まだ皇妃教育が終了していないはずでは?」
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「はい、承知致しました。では、ここから陛下に代わりに私が発表する。しかし、その前に紹介したい人が居る。呼んで参れ」
代わりにレイヴァン様が発表を任せられる。すると大きな声で皇妃を呼ぶようにと指示を出した。貴族達は驚きどよめく。
すると、扉が開かれた。そこに登場したのはクリスを抱っこした私だ。
周りもまさかの事態に一瞬静まり返った。それもそのはず……私は濡れ衣を着せられ、幽閉されたはずの悪役令嬢なのだから。
しかも幽閉先で亡くなったともなっていたので、まさか生きて現れるとは誰も思わないだろう。
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