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7.向
452.バランス
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■■■
アラームが鳴って、すぐに目を開く。
穂もあたしと同じで目覚めが良いほうだけど、優里とか他のクラスメイトの話を聞いていると、みんな、なかなか起きられないのが悩みらしい。
(永那は論外)
どうしてあたしはこんなにすぐ目が覚めるのか?自分でもわからない。
ほんの少しの物音でも目が覚めるから、これは目覚めが良いとか悪いとかの話でもない気がしてる。
キングベッド、3人で寝られて嬉しいけど、2人のどちらかが大きく寝返りを打つたびに目を覚ました。
夜に2、3回は起きたと思う。
それでも、疲れてたし眠かったからすぐにまた眠れはする。
電車でも車でも、ほとんど寝ない。
イヤホンをつけて音楽を流しながら目を閉じれば、多少は眠れるか…?といった具合だ。
「おはよう、千陽」
「おはよ」
穂がベッドから起き上がって、顔を洗いに行く。
隣で寝息を立てている永那は、まだ起きそうにない。
…昨日を、思い出す。
思い出しただけで、一瞬で子宮が熱くなる感じがする。
穂は…どうしてあんなに平静でいられるの?
昨日、ヤバかったよね?
ホテルについた直後からするなんて、思いもしなかった。
3人でキスして、穂と2人でベッドに倒された時、永那がめちゃくちゃエロい瞳をしながら「可愛い」と言った。
穂のことだけかと思ったけど、その瞳にはあたしもちゃんと映っていて、嬉しかった。
でも、あれは完全に捕食者って感じもして、“これから永那にされちゃうんだ…”と思うだけでゾワゾワと鳥肌が立った。
永那がどうするのかよくわからなかったけど、穂と見つめ合っていたら、“これはキスする雰囲気だ”ってわかった。
彼女もそれを察したのか、2人でキスをした。
そしたら永那も始めて、最終的に…永那が…あたしのを、舐めて……ああ、思い出すだけでヤバい…。
目の前で穂がすごく気持ち良さそうにするし、部屋中に甘ったるい匂いが充満していた。
顔が熱くなる。
途中“休憩”って言われたけど、あたしはイけなかったから早く再開したかった。
穂とシている内に永那も参加してくるだろうとは予測していたけど、結構早くに参加してくれて、あたしの期待通りの展開になった。
無我夢中だった。
穂とキスしながら、永那があたしのことを気持ちよくしてくれる。
穂もあたしも自然と声が漏れ出て、体全部を永那に任せていた。
口からも、下からも、クチュクチュと音が鳴り響いた。
頭がボーッとして、何も考えられなくなって、永那にされるがままになった。
ガクガクと膝が震えて“もうイけない”ってとこまでイかされて、あたしはなんとかヤり続ける永那を止めた。
穂なんて、一言も発せられないみたいだった。
自分の恥部が、永那の唾液と蜜でビショビショに濡れていた。
それを穂の膝につけるなんて、ちょっと申し訳なかったけど、すぐには動けなくて座り込んだ。
永那は人に奢られるのを嫌う。
拒絶するわけじゃないけど、毎回少し不機嫌になる。
「わーい!」って喜んだフリをするけど、その後必ずイライラするのがわかるから、あたしは永那に気軽に奢ったりはしない。
あたしの分を分けてあげる、とかだったら問題ないんだけど。
お金のこととなると、永那はピリピリするから、なるべくあたしも刺激しないようにしてるけど…今回ばかりはどうしようもなかった。
で、やっぱり…と言うべきか、案の定、永那はイライラした。
コーラと夕食の値段を知ってしまったから。
頭がボーッとしていて、お腹もすいていて、そこまで考えが至らなかった自分に苛立った。
永那が苛立っているのにつられて、あたしも自制が利かなくなった。
唯一穂だけは普段通りで、それだけが救いだった。
永那も同じだったのか、穂の言葉に笑顔を見せていてホッとした。
意外と穂は、奢られることに躊躇いを見せない。
そういうことに細かそうなのに、どうしてだろう?
1番面倒なことを片付けようと、食後にあたしはスマホを出した。
こういう高い買い物をした時、すぐにお礼を言わないと、パパが不機嫌になる。
大袈裟なくらいに喜んで見せないと、「そんなに生意気なら、俺の金を使うな」とか言ってくる。
そして時折、対価を支払わされる。
もちろんお金でではない。
“パーティに参加してお客様をおもてなししろ”だとか“マッサージしろ”だとか“ほっぺにキスしろ”だとか…その時々によって要求は変わる。
そんな対価を支払っていると知ったら、きっと永那は傷つく。
“自分のせいでそんなことをさせてしまった”とか言い始める。
べつに永那のせいでもなんでもなく、あたしがしたいと思ったから対価を支払って、お金を貰ってるだけなんだけど。
だから知られたくなかった。
誰にも知られたくないけど、特別永那には知られたくなかった。
まさか、永那があたしのスマホを奪うなんて想像もしてなかった。
だって、あたしに興味ないのが永那でしょ?
アラームが鳴って、すぐに目を開く。
穂もあたしと同じで目覚めが良いほうだけど、優里とか他のクラスメイトの話を聞いていると、みんな、なかなか起きられないのが悩みらしい。
(永那は論外)
どうしてあたしはこんなにすぐ目が覚めるのか?自分でもわからない。
ほんの少しの物音でも目が覚めるから、これは目覚めが良いとか悪いとかの話でもない気がしてる。
キングベッド、3人で寝られて嬉しいけど、2人のどちらかが大きく寝返りを打つたびに目を覚ました。
夜に2、3回は起きたと思う。
それでも、疲れてたし眠かったからすぐにまた眠れはする。
電車でも車でも、ほとんど寝ない。
イヤホンをつけて音楽を流しながら目を閉じれば、多少は眠れるか…?といった具合だ。
「おはよう、千陽」
「おはよ」
穂がベッドから起き上がって、顔を洗いに行く。
隣で寝息を立てている永那は、まだ起きそうにない。
…昨日を、思い出す。
思い出しただけで、一瞬で子宮が熱くなる感じがする。
穂は…どうしてあんなに平静でいられるの?
昨日、ヤバかったよね?
ホテルについた直後からするなんて、思いもしなかった。
3人でキスして、穂と2人でベッドに倒された時、永那がめちゃくちゃエロい瞳をしながら「可愛い」と言った。
穂のことだけかと思ったけど、その瞳にはあたしもちゃんと映っていて、嬉しかった。
でも、あれは完全に捕食者って感じもして、“これから永那にされちゃうんだ…”と思うだけでゾワゾワと鳥肌が立った。
永那がどうするのかよくわからなかったけど、穂と見つめ合っていたら、“これはキスする雰囲気だ”ってわかった。
彼女もそれを察したのか、2人でキスをした。
そしたら永那も始めて、最終的に…永那が…あたしのを、舐めて……ああ、思い出すだけでヤバい…。
目の前で穂がすごく気持ち良さそうにするし、部屋中に甘ったるい匂いが充満していた。
顔が熱くなる。
途中“休憩”って言われたけど、あたしはイけなかったから早く再開したかった。
穂とシている内に永那も参加してくるだろうとは予測していたけど、結構早くに参加してくれて、あたしの期待通りの展開になった。
無我夢中だった。
穂とキスしながら、永那があたしのことを気持ちよくしてくれる。
穂もあたしも自然と声が漏れ出て、体全部を永那に任せていた。
口からも、下からも、クチュクチュと音が鳴り響いた。
頭がボーッとして、何も考えられなくなって、永那にされるがままになった。
ガクガクと膝が震えて“もうイけない”ってとこまでイかされて、あたしはなんとかヤり続ける永那を止めた。
穂なんて、一言も発せられないみたいだった。
自分の恥部が、永那の唾液と蜜でビショビショに濡れていた。
それを穂の膝につけるなんて、ちょっと申し訳なかったけど、すぐには動けなくて座り込んだ。
永那は人に奢られるのを嫌う。
拒絶するわけじゃないけど、毎回少し不機嫌になる。
「わーい!」って喜んだフリをするけど、その後必ずイライラするのがわかるから、あたしは永那に気軽に奢ったりはしない。
あたしの分を分けてあげる、とかだったら問題ないんだけど。
お金のこととなると、永那はピリピリするから、なるべくあたしも刺激しないようにしてるけど…今回ばかりはどうしようもなかった。
で、やっぱり…と言うべきか、案の定、永那はイライラした。
コーラと夕食の値段を知ってしまったから。
頭がボーッとしていて、お腹もすいていて、そこまで考えが至らなかった自分に苛立った。
永那が苛立っているのにつられて、あたしも自制が利かなくなった。
唯一穂だけは普段通りで、それだけが救いだった。
永那も同じだったのか、穂の言葉に笑顔を見せていてホッとした。
意外と穂は、奢られることに躊躇いを見せない。
そういうことに細かそうなのに、どうしてだろう?
1番面倒なことを片付けようと、食後にあたしはスマホを出した。
こういう高い買い物をした時、すぐにお礼を言わないと、パパが不機嫌になる。
大袈裟なくらいに喜んで見せないと、「そんなに生意気なら、俺の金を使うな」とか言ってくる。
そして時折、対価を支払わされる。
もちろんお金でではない。
“パーティに参加してお客様をおもてなししろ”だとか“マッサージしろ”だとか“ほっぺにキスしろ”だとか…その時々によって要求は変わる。
そんな対価を支払っていると知ったら、きっと永那は傷つく。
“自分のせいでそんなことをさせてしまった”とか言い始める。
べつに永那のせいでもなんでもなく、あたしがしたいと思ったから対価を支払って、お金を貰ってるだけなんだけど。
だから知られたくなかった。
誰にも知られたくないけど、特別永那には知られたくなかった。
まさか、永那があたしのスマホを奪うなんて想像もしてなかった。
だって、あたしに興味ないのが永那でしょ?
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