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7.向
426.期待
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「結局、私は恋もできないまま…受験勉強に突入だ…!うっ…うっ…」
優里ちゃんが泣き真似をしながら嘆く。
「予備校で出会いとかないの?」
永那ちゃんが興味なさそうにしながらも質問する。
「ないよー!みんな完全に受験勉強モードだし…。たまにだらけてる人もいるけど、そういう人とは合わないだろうし、私。そもそも話しかける機会なんてないよ~」
「へえ、そういうもんか」
「そういうもん。学校と違ってイベントとかあるわけじゃないからねー」
「ふーん」
「千陽と桜ちゃんが来てくれるってなって、今までは予備校行きたくないな~って思ってたのが、少しは行く気になった!やっぱり友達がいるって心強いよ!」
「学校近くの予備校だし、他にも知り合いいそうなのに、いないの?」
私が聞くと、優里ちゃんが考える。
「顔見知り程度の人はいるかな?でも私、バドミントン部の子かみんなくらいしか、心許してないからさ!」
優里ちゃんは鼻の穴を膨らませて、親指を立てる。
優里ちゃんなら誰とでも仲良くあれそうなのに、“心許してる”と言われて、心がほわほわする。
駅前のゲームセンターにみんなで寄る。
森山さんと私は全然慣れていなくて、居心地が悪くて、2人してソワソワしていた。
私はうるさいのがあまり得意ではないから、ゲームセンターは長時間滞在できそうにない。
永那ちゃんも千陽も優里ちゃんも、勝手知ったる様子で、迷路のようなゲームセンター内を迷いなく進んでいく。
3人が選んだプリクラの中に入って、優里ちゃんが操作していく。
千陽と初めて撮った時は、ポーズがぎこちなくて笑われた。
今回は笑われない程度にはまともに写りたい。
…と、思っていたら、永那ちゃんに抱きしめられた。
「永那ちゃん!?」
「穂とのラブラブを見せつけてやる!」
驚いている間に1枚撮られる。
永那ちゃんから離れようとして、また1枚。
「ほら!穂!ちゃんとポーズとって!」
叱られて、慌ててポーズをとったのが1枚。
その後も数枚撮られ、私がまともに写っているのは1枚だけだった。
永那ちゃん、千陽、優里ちゃんに笑われ、出来上がった写真をよく見てみると森山さんもぎこちなく、私も笑った。
「5人だと分けるの大変だね」
「ってか千陽とプリ撮れる日が来るなんて思わなかった~!」
永那ちゃんと優里ちゃんがハサミで切って、分けてくれる。
「千陽、今まで撮ったことなかったの?」
「うん」
サラリと言われて、驚愕する。
「じゃ、じゃあ…私とが初めてだったの?」
「うん」
とても初めてには見えなかった。
私も初めてだったのに、あの差はなに…?
「でも、みんなが撮ってるそばにはいたから」
千陽が微笑む。
「あ!そっか!…どうやって断ってたの?」
「永那が“待ってて”って」
「なるほど」
もっと永那ちゃんが好きになる。
切り分けてくれたプリクラは、写真の組み合わせがバラバラだった。
5人だと、どうしてもそうなってしまうらしい。
じゃんけんで選ぶ順番を決める。
永那ちゃんが1番に選び、私、優里ちゃん、千陽、森山さんの順で、好みの物を選んでいく。
優里ちゃんがゲームで遊びたがったけれど、永那ちゃんが「もう帰らなきゃだから」と言うと、しょんぼりとしながらも帰ることになった。
永那ちゃんと千陽とは駅前で分かれた。
森山さんは、この後予備校に寄るらしく、2人と一緒には帰らなかった。
優里ちゃんと森山さんと、途中まで一緒に帰る。
なんだか珍しいメンバーだ。
「穂ちゃん」
「ん?」
「永那と付き合って結構経ったけど、どう?恋人いるってやっぱり楽しい!?」
「…うん。楽しいよ」
「い~な~!桜ちゃんも塩見と付き合ったら…あ~!私だけ好きな人がいない~!」
「え!?し、塩見君ですか!?な、ないですないです!それは、ない」
森山さんが慌てながら全力で否定する。
「え~?塩見結構良い奴だと思うけどな?」
「塩見君が良い人なのは、知ってるけど…恋愛感情なんてないですよ。お互いに」
森山さんは千陽がいると敬語じゃなくなるけど、千陽がいないと敬語に戻る。
「塩見は違いそうだけど」
優里ちゃんがニヤニヤする。
森山さんの顔が真っ赤に染まって「からかわないでくださいよ…!」と俯いていた。
その後も、他愛ない話をして、先に森山さんと分かれる。
すぐに優里ちゃんと分かれて、家に帰った。
夜、千陽から電話がかかってきた。
「穂、また勉強?」
「うん。千陽は?」
「誉とゲームしてた」
「そうなんだ」
「ホテル泊まる日」
「うん?」
「あたしと永那で穂のこと…気持ち良くするんだって」
ビックリしすぎて、持っていたシャープペンを落とす。
「ど、どういうこと…?」
「知らない。永那がそう言ってた」
永那ちゃん…なんてこと言ってるの…。
「あたし、ホントに実現するんだって…なんか、まだ全然実感わかない」
「私もだよ…。千陽、どこのホテルか聞いても教えてくれないし、尚のこと実感わかないよ?」
彼女が笑う。
「楽しみ」
千陽が楽しみにしてくれてるなら、良かった。
「穂、好き」
「私も千陽、好きだよ」
「うん。おやすみ」
「おやすみ」
優里ちゃんが泣き真似をしながら嘆く。
「予備校で出会いとかないの?」
永那ちゃんが興味なさそうにしながらも質問する。
「ないよー!みんな完全に受験勉強モードだし…。たまにだらけてる人もいるけど、そういう人とは合わないだろうし、私。そもそも話しかける機会なんてないよ~」
「へえ、そういうもんか」
「そういうもん。学校と違ってイベントとかあるわけじゃないからねー」
「ふーん」
「千陽と桜ちゃんが来てくれるってなって、今までは予備校行きたくないな~って思ってたのが、少しは行く気になった!やっぱり友達がいるって心強いよ!」
「学校近くの予備校だし、他にも知り合いいそうなのに、いないの?」
私が聞くと、優里ちゃんが考える。
「顔見知り程度の人はいるかな?でも私、バドミントン部の子かみんなくらいしか、心許してないからさ!」
優里ちゃんは鼻の穴を膨らませて、親指を立てる。
優里ちゃんなら誰とでも仲良くあれそうなのに、“心許してる”と言われて、心がほわほわする。
駅前のゲームセンターにみんなで寄る。
森山さんと私は全然慣れていなくて、居心地が悪くて、2人してソワソワしていた。
私はうるさいのがあまり得意ではないから、ゲームセンターは長時間滞在できそうにない。
永那ちゃんも千陽も優里ちゃんも、勝手知ったる様子で、迷路のようなゲームセンター内を迷いなく進んでいく。
3人が選んだプリクラの中に入って、優里ちゃんが操作していく。
千陽と初めて撮った時は、ポーズがぎこちなくて笑われた。
今回は笑われない程度にはまともに写りたい。
…と、思っていたら、永那ちゃんに抱きしめられた。
「永那ちゃん!?」
「穂とのラブラブを見せつけてやる!」
驚いている間に1枚撮られる。
永那ちゃんから離れようとして、また1枚。
「ほら!穂!ちゃんとポーズとって!」
叱られて、慌ててポーズをとったのが1枚。
その後も数枚撮られ、私がまともに写っているのは1枚だけだった。
永那ちゃん、千陽、優里ちゃんに笑われ、出来上がった写真をよく見てみると森山さんもぎこちなく、私も笑った。
「5人だと分けるの大変だね」
「ってか千陽とプリ撮れる日が来るなんて思わなかった~!」
永那ちゃんと優里ちゃんがハサミで切って、分けてくれる。
「千陽、今まで撮ったことなかったの?」
「うん」
サラリと言われて、驚愕する。
「じゃ、じゃあ…私とが初めてだったの?」
「うん」
とても初めてには見えなかった。
私も初めてだったのに、あの差はなに…?
「でも、みんなが撮ってるそばにはいたから」
千陽が微笑む。
「あ!そっか!…どうやって断ってたの?」
「永那が“待ってて”って」
「なるほど」
もっと永那ちゃんが好きになる。
切り分けてくれたプリクラは、写真の組み合わせがバラバラだった。
5人だと、どうしてもそうなってしまうらしい。
じゃんけんで選ぶ順番を決める。
永那ちゃんが1番に選び、私、優里ちゃん、千陽、森山さんの順で、好みの物を選んでいく。
優里ちゃんがゲームで遊びたがったけれど、永那ちゃんが「もう帰らなきゃだから」と言うと、しょんぼりとしながらも帰ることになった。
永那ちゃんと千陽とは駅前で分かれた。
森山さんは、この後予備校に寄るらしく、2人と一緒には帰らなかった。
優里ちゃんと森山さんと、途中まで一緒に帰る。
なんだか珍しいメンバーだ。
「穂ちゃん」
「ん?」
「永那と付き合って結構経ったけど、どう?恋人いるってやっぱり楽しい!?」
「…うん。楽しいよ」
「い~な~!桜ちゃんも塩見と付き合ったら…あ~!私だけ好きな人がいない~!」
「え!?し、塩見君ですか!?な、ないですないです!それは、ない」
森山さんが慌てながら全力で否定する。
「え~?塩見結構良い奴だと思うけどな?」
「塩見君が良い人なのは、知ってるけど…恋愛感情なんてないですよ。お互いに」
森山さんは千陽がいると敬語じゃなくなるけど、千陽がいないと敬語に戻る。
「塩見は違いそうだけど」
優里ちゃんがニヤニヤする。
森山さんの顔が真っ赤に染まって「からかわないでくださいよ…!」と俯いていた。
その後も、他愛ない話をして、先に森山さんと分かれる。
すぐに優里ちゃんと分かれて、家に帰った。
夜、千陽から電話がかかってきた。
「穂、また勉強?」
「うん。千陽は?」
「誉とゲームしてた」
「そうなんだ」
「ホテル泊まる日」
「うん?」
「あたしと永那で穂のこと…気持ち良くするんだって」
ビックリしすぎて、持っていたシャープペンを落とす。
「ど、どういうこと…?」
「知らない。永那がそう言ってた」
永那ちゃん…なんてこと言ってるの…。
「あたし、ホントに実現するんだって…なんか、まだ全然実感わかない」
「私もだよ…。千陽、どこのホテルか聞いても教えてくれないし、尚のこと実感わかないよ?」
彼女が笑う。
「楽しみ」
千陽が楽しみにしてくれてるなら、良かった。
「穂、好き」
「私も千陽、好きだよ」
「うん。おやすみ」
「おやすみ」
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