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8.閑話
27.永那 中1 春《相澤芽衣編》
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私は永那の膝から下りて、彼女のお臍にキスする。
舐めて、上に移動していく。
小さな乳房に吸い付いて、乳首を舐めた。
「んぅっ」
永那を見ると、目を閉じていた。
舌先で乳首を撫で回してみる。
乳首がどんどん硬くなっていく。
気持ち良いってことだよね?
…ちょっと、椅子が邪魔だな。
膝立ちでも中腰でも、体勢が辛い。
「わ!!」
椅子の背もたれに両手をついて、立ち上がろうと体重を乗せた瞬間、椅子ごと永那が後ろに倒れた。
「いっ…」
そして私の手が、床と椅子に挟まった。
永那がゴロゴロと床を転がって、起き上がる。
「大丈夫!?」
「めっちゃ痛い…」
「ごめん」
「なんで永那が謝るの…」
「私が、背もたれに体重かけてたから…」
「そんなの…」
私が体重かけたせいで…。
座ってる人が背もたれに寄りかかるのは普通じゃん。
両手の指が腫れてる。
「冷やそう」
永那は捲れていたシャツを戻して、走って防音室を出た。
お母さんも連れてきて、指を保冷剤で冷やしてくれる。
「芽衣の大事な手が…」
永那が私の手を優しく両手で包む。
「まあ…挟んだだけだから…」
「そうそう。永那ちゃん、気にしなくていいんだよ。どうせすぐ治るって」
お母さんのこういう適当さは嫌。
心配してよ。
「永那ちゃん、ご飯食べてく?」
「え、いいんですか?」
「いいよいいよ~。出来たら呼ぶねー!」
お母さんは手を振って、防音室から出ていく。
ああ…下手どころじゃない。
大失敗だ…。
恥ずかしいを通り越して悲しい。
手の甲にチュッチュッとキスされて、顔が熱くなっていく。
「春休みは、芽衣の歌たくさん聞けるのかなって、楽しみにしてたんだ」
なに、それ…。
私、エッチのことばっか考えて…酷い奴みたいじゃん。
「私のせいで…」
「違うでしょ。私が、立ち上がろうとして、体重かけたの。あの椅子、折りたたみ式だし…考えれば危ないってわかることだったのに…」
必死に、やりすぎた。
永那が項垂れるように頷く。
「部屋…戻ろ…」
ベッドに寝転ぶ。
永那が床に座るから「永那も来てよ」と言うと、彼女はベッドに座った。
俯く彼女の顔は、まだ晴れない。
「ん~、ん~、ラララララ、ん~ん~」
私が鼻歌を歌うと、永那の顔がパッと明るくなる。
「芽衣の作った歌?」
「違うよ」
「なんだー」
私は天井を見て、フゥッと息を吐く。
「いつだって君は強引で 私の気持ちなんて 知らないで わがままだって言うけれど 君のほうがずるいんだ」
永那をチラリと見ると、嬉しそうに笑っていた。
一緒に歌い始める。
…楽しい。
それから1週間、私達はキスだけして、エッチはしなかった。
一緒に歌って、永那にギターを教えて…。
手の腫れは、次の日の夜には良くなっていたけど、永那は過剰に私を心配して、何も持たせようとしなかった。
その大袈裟なくらいの優しさが、嬉しい。
でも、また小倉心音に呼び出された日、永那は首筋にキスマークをつけて家に来た。
家族はみんないなかったから、私がドアを開けた。
ドアを開けた瞬間に目に入って、胸が痛む。
前に友達が自慢して見せてきたから、すぐにキスマークだってわかった。
悔しくて、部屋に入ってすぐに永那を押し倒した。
「なにこれ?」
「え?」
「これ!キスマークでしょ!?」
気づいたら涙が溢れていて、永那が私の頬を指で拭う。
「金貰ってるから、永那は小倉のものなわけ!?永那は小倉に買われたの?そういうこと?私に嫌がらせ?」
「え…?え?違うよ」
永那の顔が不安の色に染まる。
声が震えて、怯えているみたいだった。
「芽衣、なんで泣いてんの?」
「ふざけんな!ふざけんな!!」
永那を叩く。
「芽衣!」
両手を掴まれる。
「手、大事にしてよ」
「うっさい…」
「ごめんね…」
永那が起き上がって、私を抱きしめた。
「お金のためなんでしょ…。私がとやかく言うことじゃないのは、わかってる…。でも、キスマークって…“私は誰かの恋人です”って言ってるようなものでしょ?」
「そっか…知らなかった…」
「なんで知らないの…バカ…」
散々セックスしてるくせに。
何を知ってて何を知らないのか、全然わかんない。
「ごめん…。でも…だから…私は、心音の恋人じゃないよ。心音のものでもない。買われてなんかないし、私は…誰とも、付き合わない」
なんなの…。
涙が溢れて、止まらない。
なんで今、私が振られたみたいになってんの。
「なんで…付き合わないの…?」
「だって、好きだから付き合うんでしょ?みんな。私、まだ“好き”ってよくわからないから」
なに、そのピュアな考え…。
そこまで好きじゃなくても、大抵みんな“付き合うってどんな感じだろう?”って、良い感じの雰囲気の人と付き合うでしょ。
その人とキスしたりセックスしたりするかどうかは別として、“付き合う”って、もっと軽いものでしょ?
キスとかセックスするほうが重いじゃん。
「付き合ってないのに、セックスするのは良いんだ?普通は、付き合ってからキスとかセックスとかするんじゃないの?」
「それは…でも…心音とも、芽衣とも、付き合ってないでそういうことして…私は、それ以外、知らないから…」
歪んでる。
…歪ませて…しまったの、かな。
舐めて、上に移動していく。
小さな乳房に吸い付いて、乳首を舐めた。
「んぅっ」
永那を見ると、目を閉じていた。
舌先で乳首を撫で回してみる。
乳首がどんどん硬くなっていく。
気持ち良いってことだよね?
…ちょっと、椅子が邪魔だな。
膝立ちでも中腰でも、体勢が辛い。
「わ!!」
椅子の背もたれに両手をついて、立ち上がろうと体重を乗せた瞬間、椅子ごと永那が後ろに倒れた。
「いっ…」
そして私の手が、床と椅子に挟まった。
永那がゴロゴロと床を転がって、起き上がる。
「大丈夫!?」
「めっちゃ痛い…」
「ごめん」
「なんで永那が謝るの…」
「私が、背もたれに体重かけてたから…」
「そんなの…」
私が体重かけたせいで…。
座ってる人が背もたれに寄りかかるのは普通じゃん。
両手の指が腫れてる。
「冷やそう」
永那は捲れていたシャツを戻して、走って防音室を出た。
お母さんも連れてきて、指を保冷剤で冷やしてくれる。
「芽衣の大事な手が…」
永那が私の手を優しく両手で包む。
「まあ…挟んだだけだから…」
「そうそう。永那ちゃん、気にしなくていいんだよ。どうせすぐ治るって」
お母さんのこういう適当さは嫌。
心配してよ。
「永那ちゃん、ご飯食べてく?」
「え、いいんですか?」
「いいよいいよ~。出来たら呼ぶねー!」
お母さんは手を振って、防音室から出ていく。
ああ…下手どころじゃない。
大失敗だ…。
恥ずかしいを通り越して悲しい。
手の甲にチュッチュッとキスされて、顔が熱くなっていく。
「春休みは、芽衣の歌たくさん聞けるのかなって、楽しみにしてたんだ」
なに、それ…。
私、エッチのことばっか考えて…酷い奴みたいじゃん。
「私のせいで…」
「違うでしょ。私が、立ち上がろうとして、体重かけたの。あの椅子、折りたたみ式だし…考えれば危ないってわかることだったのに…」
必死に、やりすぎた。
永那が項垂れるように頷く。
「部屋…戻ろ…」
ベッドに寝転ぶ。
永那が床に座るから「永那も来てよ」と言うと、彼女はベッドに座った。
俯く彼女の顔は、まだ晴れない。
「ん~、ん~、ラララララ、ん~ん~」
私が鼻歌を歌うと、永那の顔がパッと明るくなる。
「芽衣の作った歌?」
「違うよ」
「なんだー」
私は天井を見て、フゥッと息を吐く。
「いつだって君は強引で 私の気持ちなんて 知らないで わがままだって言うけれど 君のほうがずるいんだ」
永那をチラリと見ると、嬉しそうに笑っていた。
一緒に歌い始める。
…楽しい。
それから1週間、私達はキスだけして、エッチはしなかった。
一緒に歌って、永那にギターを教えて…。
手の腫れは、次の日の夜には良くなっていたけど、永那は過剰に私を心配して、何も持たせようとしなかった。
その大袈裟なくらいの優しさが、嬉しい。
でも、また小倉心音に呼び出された日、永那は首筋にキスマークをつけて家に来た。
家族はみんないなかったから、私がドアを開けた。
ドアを開けた瞬間に目に入って、胸が痛む。
前に友達が自慢して見せてきたから、すぐにキスマークだってわかった。
悔しくて、部屋に入ってすぐに永那を押し倒した。
「なにこれ?」
「え?」
「これ!キスマークでしょ!?」
気づいたら涙が溢れていて、永那が私の頬を指で拭う。
「金貰ってるから、永那は小倉のものなわけ!?永那は小倉に買われたの?そういうこと?私に嫌がらせ?」
「え…?え?違うよ」
永那の顔が不安の色に染まる。
声が震えて、怯えているみたいだった。
「芽衣、なんで泣いてんの?」
「ふざけんな!ふざけんな!!」
永那を叩く。
「芽衣!」
両手を掴まれる。
「手、大事にしてよ」
「うっさい…」
「ごめんね…」
永那が起き上がって、私を抱きしめた。
「お金のためなんでしょ…。私がとやかく言うことじゃないのは、わかってる…。でも、キスマークって…“私は誰かの恋人です”って言ってるようなものでしょ?」
「そっか…知らなかった…」
「なんで知らないの…バカ…」
散々セックスしてるくせに。
何を知ってて何を知らないのか、全然わかんない。
「ごめん…。でも…だから…私は、心音の恋人じゃないよ。心音のものでもない。買われてなんかないし、私は…誰とも、付き合わない」
なんなの…。
涙が溢れて、止まらない。
なんで今、私が振られたみたいになってんの。
「なんで…付き合わないの…?」
「だって、好きだから付き合うんでしょ?みんな。私、まだ“好き”ってよくわからないから」
なに、そのピュアな考え…。
そこまで好きじゃなくても、大抵みんな“付き合うってどんな感じだろう?”って、良い感じの雰囲気の人と付き合うでしょ。
その人とキスしたりセックスしたりするかどうかは別として、“付き合う”って、もっと軽いものでしょ?
キスとかセックスするほうが重いじゃん。
「付き合ってないのに、セックスするのは良いんだ?普通は、付き合ってからキスとかセックスとかするんじゃないの?」
「それは…でも…心音とも、芽衣とも、付き合ってないでそういうことして…私は、それ以外、知らないから…」
歪んでる。
…歪ませて…しまったの、かな。
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