いたずらはため息と共に

常森 楽

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5.時間

295.好きのその先

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長い時間かけて、彼女は私の背中に愛を落とした。
次はどうするのかと思ったら、彼女の唇が腕に移動する。
胸を揉む手つきはずっと優しくて、あたたかくて、彼女からの愛がひしひしと感じられる。
「寒くない?穂」
「大丈夫だよ」
深呼吸したつもりが「んっ」と声が漏れ出て、恥ずかしい。
チラリと私の腕に吸い付く彼女を見るけど、何も気にしていないみたいだった。

腕が終わると、脇に移動する。
脇が終わると、お腹に。
お腹が終わると、鎖骨に。
そうして少しずつ畳に押し倒されて、気づけば私は寝転んでいた。
最後に、彼女は乳房に吸い付く。
彼女の手が太ももを撫でて、また声が漏れ出てしまう。
彼女の唇が、1歩ずつ、突起に近づく。
もう無理だと思っていたのに…今だって、思っているのに、私の体は意思とは関係なく期待し始める。

突起を、唾液を纏った舌に押すように撫でられて、私は背を反った。
「あぁっ」
彼女の頭を抱くように、繋がれた両手を彼女に乗せる。
トロリと蜜がお尻まで垂れて、思わず腰を浮かせた。
スカートが、汚れちゃう…!
「永那ちゃん…」
「ん?」
「おまた、が…」
「ん?」
「おまたが、濡れて…スカートが…」
フフッと彼女が笑って、太ももを撫でていた手が恥部に触れる。
「ホントだ」
乳房に押し付けられた彼女の唇が動いて、「あっ」と声が出る。
両手を上げて、彼女の頭を解放した。

彼女が指を舐める。
スカートを脱がせてくれて、ホッとした。
でも、私、生まれたままの姿に…。
恥ずかしくなって、目を閉じる。
永那ちゃんが蕾に触れた。
「永那ちゃん…ちょっと、痛い」
「え?…いつも通りなのに」
彼女に見つめられて、私は眉根を下げた。
「んー…ちょっとヤりすぎちゃったか」
彼女が下におりて、蕾を口に含んだ。
「痛い?」
「ハァッ…痛く、ない…」
「良かった」
そう言ってすぐ、指をなかに挿れられる。

「あぁっ」
彼女の口が離れて、指が奥に入ってくる。
長い夜が、始まる。
雨はまだザーザー降りで、その音がまるで、私達を煽っているようだった。

もう、起き上がる体力なんて残っていなくて、シャワーを浴びれなかった。
お風呂に入らないなんて初めてのことで、汗もたくさんかいたし、なんだか気持ち悪い。
寝る直前にようやく手錠が外された。
手首には手錠の痕が残っていた。
永那ちゃんが服を脱いで、私の指をなかに挿れる。
彼女は自分の蕾を指で擦って、一度だけイッた。
私の指を私に咥えさせて、満足そうに笑う。
私達は裸のまま、抱き合った。
1つの布団で眠る。

アラームが鳴って、痛む体をなんとか起こす。
こんなに体が重たいのは、熱を出したとき以来だ。
「永那ちゃん」
彼女の肩を揺さぶる。
「永那ちゃん、起きて」
「ハァ」とため息をついて、彼女に体を寄せる。
「永那ちゃん…」
やわらかい乳房に触れる。
私の乳房も、彼女の肩に触れている。
「ん…」
彼女が片目を開けた。
「シャワー…浴びないと」
「あぁ…」
大きくあくびをして、永那ちゃんは起き上がる。
私も起きて、一緒にシャワーを浴びた。
抱きしめられて、胸を揉まれるから、睨む。
永那ちゃんは察したようで、すぐに手を引っ込めた。

パンを焼いて、ジャムを塗る。
「永那ちゃん…今日は、帰ったら洗濯と掃除と勉強するから…」
「わかったー」
…ホントにわかってるのかな。

2人で家を出る。
小降りの雨が降っていた。
永那ちゃんが傘を開いて、私も開こうとすると「相合傘しようよ」と誘われて、彼女の傘の中に入った。
千陽の家に寄って、学校に向かう。
「穂、大丈夫?」
「ん?うん」
千陽が目を細める。
今朝の2人は昨日と違って静かで、また喧嘩してるのかと思ったけど、こっちのほうが通常らしい。

授業中、何度もウトウトしてしまった。
ノートにミミズが這ったような字が書かれていて、机に顔を突っ伏した。
「穂、次体育だよ…」
千陽が言う。
「うん…」
「ホントに、大丈夫?具合悪いの?」
「…大丈夫。ありがとう」
なんとか立ち上がって、鞄から体操着を出す。
永那ちゃんと優里ちゃんが合流して、更衣室に向かう。

ウトウトしながらのんびり服を着替えていると、千陽に腕を掴まれて、びっくりして目が覚める。
「穂」
「ん?」
訳もわからず体をグルグル回されて、「なに?千陽」と眉間にシワを寄せた。
キャミソールまで捲られた。
「体中…キスマークだらけなんだけど…。早く服着たほうがいいよ」
そう言われて、腕を見る。
カーッと顔が熱くなって、ぴゅーっと湯気が出そうになる。
慌ててジャージを着て、長袖の上着を着る。
秋で良かった…。
永那ちゃんを睨んでも、彼女は優里ちゃんと楽しげに話していて気づかない。
「穂…ホント、無理しないで…」
千陽から哀れみの目で見られて項垂れる。
「もう…千陽、来てよ…」
上目遣いに見ると、彼女は自分を抱くように腕を擦って「それは、ちょっと…いきなりすぎて、まだ、心の準備が…」と目をそらした。
「ち、違うよ…!普通に!普通に!」
…ていうか千陽、3人でシたいって言ってたじゃん!
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