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4.踏み込む
197.文化祭準備
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両角さんと佐藤さんは、入学して早々、学校中の話題になりました。
当然です。2人とも、あの美貌ですから。
それに比べて空井さんは、すごく有名だったわけではありません。
高1のときはクラスも違ったし、彼女のことを詳しく知っていたわけではありません。
でも、生徒会に入った友人2人の話を聞いて、私は興味を持ちました。
規律正しく、品行方正、成績も常にトップで、クラス委員も生徒会もやっている。
…そんな完璧なアニメキャラみたいな人、います?
信じられませんでした。
友人たちの生徒会にこっそりついていって初めて見た彼女はとても綺麗で、両角さんや佐藤さんに引けを取らないと思いました。
彼女の気品のある振る舞いが、余計そう思わせたのだと思います。
それからは、私の頭のなかでは、空井さん×両角さんか空井さん×佐藤さんで、妄想が繰り広げられていたのです。
…ちなみにどちらかと言うと私は、空井さん×佐藤さん推しでした。
それが…頭の中だけで繰り広げられていた光景が…急に目の前に飛び込んできたのです。
失神しかけるのも当然です。
そもそも、空井さん、両角さん、佐藤さんと同じクラスになれただけでも眼福で、幸せでした。
人生の幸運を全て使ったのではないかとすら思いました。
友人2人から羨ましがられたのは、良い思い出です。
ちょっとした優越感と言うのでしょうか…。
“何か情報があったら、常に教えてほしい”と懇願されました。
空井さんと佐藤さんが喧嘩をした日は、焦りました。
(わ、私の一番の推しカプが、喧嘩だなんて…)と。
それでも、例えば(喧嘩した後に仲直りで…)なんて考えたら萌えましたが。
トイレに行きたくなって廊下を歩いていると、授業にいなかった両角さんと佐藤さんが2人でいる姿を見てしまいました。
壁の影に隠れていてよく見えなかったのですが、キスしているように…見えたのです。
(やっぱり、両角さん×佐藤さんだよね…)と、少しガッカリしつつも、友人に情報提供しました。
しっかり“見間違いかもしれない”と強調して。
実は、私は佐藤さんの家の近所に住んでいます。
なので、昔から佐藤さんのことは知っていました。
“近所に、ものすごく可愛い子がいる”と話題になっていましたから。
でも彼女の両親は、決して愛想の良い人達とは言えませんでした。
なので、近所に住んでいても彼女と交流する機会なんてありませんでした。
同じ小学校、同じ中学校、同じ高校でしたが、彼女と話したのは、今回が初めてです。
一度も同じクラスになったことはありませんでしたが、彼女が両角さんと付き合っているらしいという話は、中学のときからありました。
彼女が、酷いイジメにあっていたことも…知っています。
それを両角さんが守っているのだと、なんとなく、思っていました。
だから、私からすれば両角さん×佐藤さんは、当たり前というか…簡単に想像ができたのです。
このことは、友人2人には話していませんが。
人のデリケートな問題を簡単に他人に話すほど、自分が落ちぶれているとは思っていません。
私は生徒会なんて、とてもじゃないけどできる器じゃないから、少しでも空井さんにお近づきになれたら…と、体育祭委員も文化祭員も立候補しました。
純粋に、空井さんに対する憧れもあったので。
そして…空井さんと両角さんが、お揃いのアンクレットをつけていると気づいたときには、大興奮しました。
(両角さん×佐藤さんじゃないの!?)と、1人で転げまわりました。
2人の秘密の関係…気づいた日の夜は、眠ることもできませんでした。
…ただ、やっぱり私は空井さん×佐藤さんの組み合わせが好きで、少しの寂しさも感じました。
なんというか、両角さんは見るからにかっこいいですし、誰と組み合わせても違和感がありません。
だからこそ、少し闇を抱えたクールな佐藤さんと品行方正でクールな空井さんが掛け合わさったら、とんでもなく萌えるのではないかと…妄想していたのです。
両角さんに対してだけは甘えるような態度を取る佐藤さんが、空井さんにだけしか見せない姿を…なんて考えたら、それだけで涎が垂れて止まりません。
…それが!!そんな、私の妄想が!!…目の前で……。
え、許されるの?
私の推しカプが、両方とも叶うって、あり得るの?
あり得ていいのですか!?神様!!
“空井さんは永那のだけど、あたしは空井さんのなの”
あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙…そんなこと…そんなことあっていいの…。
頭が…おかしくなる…。
「森山?…大丈夫!?」
「し、塩見君…だ、大丈夫、です…」
床に倒れていたら、塩見君に見られてしまいました。
とんでもなく恥ずかしいです。
なんとか起き上がって、生徒会室に戻ります。
もう、佐藤さんと空井さんを、ただ妄想する存在として見れなくなっていました。
…マジかよーーーー、リアルかよーーーー、ヤバイじゃん!!!!
当然です。2人とも、あの美貌ですから。
それに比べて空井さんは、すごく有名だったわけではありません。
高1のときはクラスも違ったし、彼女のことを詳しく知っていたわけではありません。
でも、生徒会に入った友人2人の話を聞いて、私は興味を持ちました。
規律正しく、品行方正、成績も常にトップで、クラス委員も生徒会もやっている。
…そんな完璧なアニメキャラみたいな人、います?
信じられませんでした。
友人たちの生徒会にこっそりついていって初めて見た彼女はとても綺麗で、両角さんや佐藤さんに引けを取らないと思いました。
彼女の気品のある振る舞いが、余計そう思わせたのだと思います。
それからは、私の頭のなかでは、空井さん×両角さんか空井さん×佐藤さんで、妄想が繰り広げられていたのです。
…ちなみにどちらかと言うと私は、空井さん×佐藤さん推しでした。
それが…頭の中だけで繰り広げられていた光景が…急に目の前に飛び込んできたのです。
失神しかけるのも当然です。
そもそも、空井さん、両角さん、佐藤さんと同じクラスになれただけでも眼福で、幸せでした。
人生の幸運を全て使ったのではないかとすら思いました。
友人2人から羨ましがられたのは、良い思い出です。
ちょっとした優越感と言うのでしょうか…。
“何か情報があったら、常に教えてほしい”と懇願されました。
空井さんと佐藤さんが喧嘩をした日は、焦りました。
(わ、私の一番の推しカプが、喧嘩だなんて…)と。
それでも、例えば(喧嘩した後に仲直りで…)なんて考えたら萌えましたが。
トイレに行きたくなって廊下を歩いていると、授業にいなかった両角さんと佐藤さんが2人でいる姿を見てしまいました。
壁の影に隠れていてよく見えなかったのですが、キスしているように…見えたのです。
(やっぱり、両角さん×佐藤さんだよね…)と、少しガッカリしつつも、友人に情報提供しました。
しっかり“見間違いかもしれない”と強調して。
実は、私は佐藤さんの家の近所に住んでいます。
なので、昔から佐藤さんのことは知っていました。
“近所に、ものすごく可愛い子がいる”と話題になっていましたから。
でも彼女の両親は、決して愛想の良い人達とは言えませんでした。
なので、近所に住んでいても彼女と交流する機会なんてありませんでした。
同じ小学校、同じ中学校、同じ高校でしたが、彼女と話したのは、今回が初めてです。
一度も同じクラスになったことはありませんでしたが、彼女が両角さんと付き合っているらしいという話は、中学のときからありました。
彼女が、酷いイジメにあっていたことも…知っています。
それを両角さんが守っているのだと、なんとなく、思っていました。
だから、私からすれば両角さん×佐藤さんは、当たり前というか…簡単に想像ができたのです。
このことは、友人2人には話していませんが。
人のデリケートな問題を簡単に他人に話すほど、自分が落ちぶれているとは思っていません。
私は生徒会なんて、とてもじゃないけどできる器じゃないから、少しでも空井さんにお近づきになれたら…と、体育祭委員も文化祭員も立候補しました。
純粋に、空井さんに対する憧れもあったので。
そして…空井さんと両角さんが、お揃いのアンクレットをつけていると気づいたときには、大興奮しました。
(両角さん×佐藤さんじゃないの!?)と、1人で転げまわりました。
2人の秘密の関係…気づいた日の夜は、眠ることもできませんでした。
…ただ、やっぱり私は空井さん×佐藤さんの組み合わせが好きで、少しの寂しさも感じました。
なんというか、両角さんは見るからにかっこいいですし、誰と組み合わせても違和感がありません。
だからこそ、少し闇を抱えたクールな佐藤さんと品行方正でクールな空井さんが掛け合わさったら、とんでもなく萌えるのではないかと…妄想していたのです。
両角さんに対してだけは甘えるような態度を取る佐藤さんが、空井さんにだけしか見せない姿を…なんて考えたら、それだけで涎が垂れて止まりません。
…それが!!そんな、私の妄想が!!…目の前で……。
え、許されるの?
私の推しカプが、両方とも叶うって、あり得るの?
あり得ていいのですか!?神様!!
“空井さんは永那のだけど、あたしは空井さんのなの”
あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙…そんなこと…そんなことあっていいの…。
頭が…おかしくなる…。
「森山?…大丈夫!?」
「し、塩見君…だ、大丈夫、です…」
床に倒れていたら、塩見君に見られてしまいました。
とんでもなく恥ずかしいです。
なんとか起き上がって、生徒会室に戻ります。
もう、佐藤さんと空井さんを、ただ妄想する存在として見れなくなっていました。
…マジかよーーーー、リアルかよーーーー、ヤバイじゃん!!!!
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