オメガバース物語 ヤクザver.

本章

116話

-紬side-

「今、お母さんは…別の所で他の男と暮らしてるそうだ。」

「そう…」

家に帰ってこない間どこに居て何をしているのか想像したことがないわけじゃない。
そんなに驚きもしなかった。

「その家から職場まで通ってるみたいだな。俺が話を付けとくから週末にでも少しだけ行ってみないか？」

「分かった…」

蓮さんはそれ以上母親の話はしなかった。
お風呂から上がるといつも通り蓮さんの中に座る。
毎日ではないけど最近は何も言われずとも自分から座りに行くようになった。
座り甘えに行くと蓮さんは凄く嬉しそうな顔をする。

「紬…」

「ん、なっ…」

後頭部を抑えられ蓮さんの方に顔を向けられると不意に唇を塞がれる。