オメガバース物語 ヤクザver.

本章

47話

-紬side-

店に入ると蓮さんに気付いた男性店員が営業スマイルで近寄ってくる。

「ご無沙汰してます。本日は何をお探しで？」

「こいつに着回しできそうな服を10パターンほど選んでやってくれ。」

「かしこまりました。ではこちらに。」

すぐに試着室へと案内され約2時間ほどそれじゃない、これじゃないと蓮さんの一言で着せ替え人形のように着替えさせられた。

「ありがとうございました！」

店員数人が店の外まで出向き頭を下げる。
果たしていくら使ったのか。
払うと財布を出したものの1円も払わせてもらえず買ったばかりの服に着替えているうちに代金は全て支払われていた。
服の他にも帽子アクセサリー靴など一式買ったためさすがに持ちきれず夕方頃届けられるとのことだった。

「よし、一通り揃ったし帰るか。」

当たり前のように肩に手を回してきて横を歩く。
さっきよりも視線が酷く刺さる。
ボーイッシュな女にでも見えているのだろうか。
それもきっと蓮さんが肩を抱くからだろう。