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けれど、帰るところはない。苦労して積み上げた学歴も有害無益。日本社会は個人を抹殺するのに丁度いいですね。
ご高覧頂き、まことにありがとうございます。
返信が遅くなってしまい、申し訳ありません。
主人公はとても頑張りやさんなのですけれど、不器用なんですよね。
過去の傷のせいで、対話がずれていってしまう。ボタンの掛け違いとでもいいましょうか、最初のひとつにつまずくと、それ以降もおかしくなってしまうんです。
もっと器用なひとなら、この日本でもうまく立ち回れたのかもしれません。けれど、そもそもうまく立ち回れるようなひとなら、最初から心に傷を負うような事態にはならないことが多かったりして。どうすれば、幸せになれたのでしょうね。
この世界では息をすることができない主人公にとって、この作品のラストはある意味で救いのようなものだったのではないかと考えております。
感想、ありがとうございました。