ランパンマン

山ノ 悠久

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プロローグ

白銀のランパンマン

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バコッ
狭い路地に、物騒な音が響く。
「おい、にいちゃん金。おら金貸せよ。」
「金もってんだろ、早くやれや。」
「早く出したほうが身のためだと思うけどなぁ。なぁ。」
結構屈強そうな男三人が、15ぐらいの男子を囲んでいる。
少年はブルブル震えている。頬が赤黒く腫れている。
「早く出せよ!」
ボスッ
また殴った。次は脇腹を。
あまりの痛さに、少年は倒れこみ、唇が切れたそうで、血が垂れる。
「・・すすみません。・・・お金一円も持ってないんです。」
少年は怯えた表情で言う。
「あぁん?」

はぁー。穏やかじゃない。

「おーい、大丈夫か少年君。」
そこにいた、人達が声がするほうを見ると、廃ビルの上に銀のマントを羽織り、巨大な拡声器を持った16程の銀髪少女がいた。
少女は月の光に反射している。
「とおー。」
! 高層ビルの上から飛んだ。
タッ
着地した。
「大丈夫かいな、少年君。」
少女は手を差し出す。
「姉ちゃん、何?遊びたいの?」
男達が手をかけると。
!?
いつの間にか男達が倒れていた。
死んではいないようだ。
「名前は?」
少女が聞く。
「ぼ僕の名前は・・・あれ?・・なんだっけ、ごめん分からない。」
少女はにっこり笑い言う。
「私もだよ。でも私の名前は、ランパンマン。白銀に身を包み、この腐った地獄な世界を変えるための、スーパーヒーロー。」
少女は無邪気に、ポーズを決める。
2つの拡声器を銃を撃つような感じのポーズだ。
「で、少年君の名前は?」
少年は戸惑った。名前のことではない。同じ年ぐらいの少女が自分の名前を知らないのに、どうして明るく振る舞えるのか、自分も大変なはずなのに助けてくれたことに。
少年は思った、自分がこの少女に助けてられたように、逆に守ってやりたいと。
「僕の名前・・・僕の名前もランパンマンだよ。」
少女は不思議な顔をしたが、直ぐに笑って
「同じだね!これから宜しくねランパンマン!」
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