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第二章
059 和音
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思いがけず良い人に出会ったけど、良い人もいれば当然、悪い人も居るわけで……。
「お前調子のってんじゃねぇぞ!」
「なんだ僕たちって? もういっちょまえにパーティメンバー気取りかよ!」
「たまたま良いパーティに拾われただけの分際で……なんでお前ばっかり!」
僕を囲んで怨嗟の声を上げるのは、僕と同じく、戦闘やポーター向きのギフトを持たないポーター。俗にポーターもどきと呼ばれる冒険者の底辺連中だ。
彼らにとって、自分たちと同じく冒険者向きのギフトを持たないポーターもどきの僕が、勇者の幼馴染みというだけで、栄えある勇者パーティの一員だったことが許せないのだ。そして、勇者パーティを捨てられた僕が、今度は別の将来有望なパーティに拾われたことが許せないのだ。
自分たちと同じ立場のはずなのに、僕ばかりが贔屓されているように感じるのだろう。言ってしまえば、醜い嫉妬だ。
「くそっ! オレたちだって金さえあれば…!」
「そうだ! そうだ!」
そして、僕が宝具を買い漁って、ポーターもどきとは一線を画すポーターとしての能力を手に入れたことも、彼らの嫉妬が加速する原因である。この能力は、当然だけど僕自身が成長して手に入れたものではない。宝具の力だ。僕以外の人が使っても僕同様のポーター能力が手に入るのである。
彼らはまた、僕ばかりズルいと嫉妬しているのだ。自分たちも宝具さえあれば、お金さえあれば、ポーターもどきとバカにされることもなくなり、将来有望なパーティに入れてもらえるに違いないと夢想しているのである。
「聞いたぜ。パーティのお前以外は皆、幼馴染らしいな? お前以外は仲が良いんだろうなー。お前以外は」
「お前、新しいパーティでもボッチなのかよ? 前は幼馴染を寝取られてボッチだったんだろ? どうだ? 悔しかったか? 悔しかったのかなぁ?」
「いざとなったら真っ先に捨てられるぜ? そのご自慢の宝具とか奪われてよー? 案外そのためにお前をパーティに入れたんだろうぜ?」
気に障る言葉を吐くポーターもどきたちを努めて無視して前に進む。反応すれば調子に乗らせるだけだ。僕に彼らの相手をしている時間なんて無い。早く同じく情報収集と喧伝をしているルイーゼたちと合流しないと。
◇
冒険者たち、特にレベル7ダンジョンである『万魔の巨城』の攻略に乗り出しそうな高レベルパーティに僕たちのことを喧伝したり、ラインハルトとイザベルによくよく相談して、冒険に必要なさそうな宝具を売却して、そのお金で新しく宝具を購入したり、食料や魔法薬なんかも多めに買い揃えたりしているうちに、瞬く間に4日は過ぎ去っていった。
4日後の早朝。まだ日が昇って間もないというのに、たくさんの人々が忙しなく行き交う王都東門前広場の片隅に、僕たち『融けない六華』は集結していた。
「みんな、揃ってるわね?」
僕は、ルイーゼの問いかけに頷いてみせる。ついにこの日がきてしまった。今日、僕たちはレベル7ダンジョン『万魔の巨城』に向かう。おそらく、今が皆を引き留める最後の機会だ。この期に及んでも、まだ楔のように刺さった小さな迷いを捨てきれない僕は、意思が弱いというかなんというか……。
ルイーゼたちの実力は間違いなく信じている。信じ切れないのは自分自身だ。相変わらずの自己嫌悪に押し潰されて、身動きが取れずに足掻いているちっぽけな僕自身。『融けない六華』という美しい調べを、僕という不協和音が壊してしまうことを恐れている。僕の無能が、パーティメンバーを危険にさらすのではないかと恐怖と不安に襲われる。
「揃っていますよ。ルイーゼ、号令をお願いします」
「分かったわ」
僕の不安をよそに、着々と出発のための準備が進んでいく。僕はそれをまるで別世界の出来事のような実感の伴わない心地で見ることしかできなかった。このままでいいのだろうか? 本当に引き止めなくてもいいのだろうか?
「ん?」
そんな僕の迷いに気が付いたのか、ルイーゼの視線が僕に止まる。意志の強い輝きを放つ青空のようなライトブルーの瞳に見つめられて、僕の不安や恐怖が晴れていき、胸が高鳴るのを感じた。
「あなたまた不安に思ってたでしょ?」
「え…?」
ルイーゼに一目で胸中を言い当てられて驚いてしまう。
「なんで…?」
「顔見れば分かるわよ。すごく悲しそうな、泣いちゃいそうな顔してるもの」
僕って顔に出やすいんだろうか? そんな顔をルイーゼに見られたのかと思うと恥ずかしいものがあった。
「そうだわ! クルト、あなたが号令出しなさいよ」
「え!?」
号令っていつもルイーゼがやってるかけ声だよね? それを僕が? そんなこと許されるのだろうか?
「あれは普通リーダーがやるものじゃ…?」
「今回はあなたが指示を出すんだもの、あなたがリーダーみたいなものでしょ?」
「ッ!?」
リ、リーダー!? 僕が!? 僕はリーダーなんて器じゃないよ。でも、今回の冒険で指示を出すのは僕だし、リーダーといえばリーダーになるのか…? 僕なんかが本当にリーダーでいいのだろうか? 僕は思わず助けを求めるように皆を見渡してしまう。
「良いのではないですか。今回のリーダーは、間違いなくクルトですよ」
「そうね。情けない顔してないで、少しは自信を持ちなさい」
「いーじゃん、いーじゃん。元気出してこー!」
「がん、ばって…!」
「皆……」
皆の温かい言葉を受けて、胸が熱くなり、涙が出そうになる。
「さあクルト、やっちゃいなさい!」
「…うん!」
ルイーゼに背中を押されて、皆の前に立つ。皆の視線が僕へと集まり、緊張してしまう。
「えっと、その……本日はお日柄も良く……」
「固い、固い! もっとビシッと決めなさい!」
ビシッとって、どうやればいいんだろう? こんな時、ルイーゼならなんて言うだろうか……。
「さあ、行くわよ!」
「「「「「おおー!」」」」」
「なんで“わよ”?」
ルイーゼを意識しすぎて、口調までマネしてしまった……。一気に顔が熱くなるのを感じた。
「クルクル顔真っ赤ー!」
「ふふ、かわいい」
「あーもう! 行くよ! 置いて行っちゃうからね!」
僕は恥ずかしくなって叫ぶと、速足で歩き出すのだった。
「お前調子のってんじゃねぇぞ!」
「なんだ僕たちって? もういっちょまえにパーティメンバー気取りかよ!」
「たまたま良いパーティに拾われただけの分際で……なんでお前ばっかり!」
僕を囲んで怨嗟の声を上げるのは、僕と同じく、戦闘やポーター向きのギフトを持たないポーター。俗にポーターもどきと呼ばれる冒険者の底辺連中だ。
彼らにとって、自分たちと同じく冒険者向きのギフトを持たないポーターもどきの僕が、勇者の幼馴染みというだけで、栄えある勇者パーティの一員だったことが許せないのだ。そして、勇者パーティを捨てられた僕が、今度は別の将来有望なパーティに拾われたことが許せないのだ。
自分たちと同じ立場のはずなのに、僕ばかりが贔屓されているように感じるのだろう。言ってしまえば、醜い嫉妬だ。
「くそっ! オレたちだって金さえあれば…!」
「そうだ! そうだ!」
そして、僕が宝具を買い漁って、ポーターもどきとは一線を画すポーターとしての能力を手に入れたことも、彼らの嫉妬が加速する原因である。この能力は、当然だけど僕自身が成長して手に入れたものではない。宝具の力だ。僕以外の人が使っても僕同様のポーター能力が手に入るのである。
彼らはまた、僕ばかりズルいと嫉妬しているのだ。自分たちも宝具さえあれば、お金さえあれば、ポーターもどきとバカにされることもなくなり、将来有望なパーティに入れてもらえるに違いないと夢想しているのである。
「聞いたぜ。パーティのお前以外は皆、幼馴染らしいな? お前以外は仲が良いんだろうなー。お前以外は」
「お前、新しいパーティでもボッチなのかよ? 前は幼馴染を寝取られてボッチだったんだろ? どうだ? 悔しかったか? 悔しかったのかなぁ?」
「いざとなったら真っ先に捨てられるぜ? そのご自慢の宝具とか奪われてよー? 案外そのためにお前をパーティに入れたんだろうぜ?」
気に障る言葉を吐くポーターもどきたちを努めて無視して前に進む。反応すれば調子に乗らせるだけだ。僕に彼らの相手をしている時間なんて無い。早く同じく情報収集と喧伝をしているルイーゼたちと合流しないと。
◇
冒険者たち、特にレベル7ダンジョンである『万魔の巨城』の攻略に乗り出しそうな高レベルパーティに僕たちのことを喧伝したり、ラインハルトとイザベルによくよく相談して、冒険に必要なさそうな宝具を売却して、そのお金で新しく宝具を購入したり、食料や魔法薬なんかも多めに買い揃えたりしているうちに、瞬く間に4日は過ぎ去っていった。
4日後の早朝。まだ日が昇って間もないというのに、たくさんの人々が忙しなく行き交う王都東門前広場の片隅に、僕たち『融けない六華』は集結していた。
「みんな、揃ってるわね?」
僕は、ルイーゼの問いかけに頷いてみせる。ついにこの日がきてしまった。今日、僕たちはレベル7ダンジョン『万魔の巨城』に向かう。おそらく、今が皆を引き留める最後の機会だ。この期に及んでも、まだ楔のように刺さった小さな迷いを捨てきれない僕は、意思が弱いというかなんというか……。
ルイーゼたちの実力は間違いなく信じている。信じ切れないのは自分自身だ。相変わらずの自己嫌悪に押し潰されて、身動きが取れずに足掻いているちっぽけな僕自身。『融けない六華』という美しい調べを、僕という不協和音が壊してしまうことを恐れている。僕の無能が、パーティメンバーを危険にさらすのではないかと恐怖と不安に襲われる。
「揃っていますよ。ルイーゼ、号令をお願いします」
「分かったわ」
僕の不安をよそに、着々と出発のための準備が進んでいく。僕はそれをまるで別世界の出来事のような実感の伴わない心地で見ることしかできなかった。このままでいいのだろうか? 本当に引き止めなくてもいいのだろうか?
「ん?」
そんな僕の迷いに気が付いたのか、ルイーゼの視線が僕に止まる。意志の強い輝きを放つ青空のようなライトブルーの瞳に見つめられて、僕の不安や恐怖が晴れていき、胸が高鳴るのを感じた。
「あなたまた不安に思ってたでしょ?」
「え…?」
ルイーゼに一目で胸中を言い当てられて驚いてしまう。
「なんで…?」
「顔見れば分かるわよ。すごく悲しそうな、泣いちゃいそうな顔してるもの」
僕って顔に出やすいんだろうか? そんな顔をルイーゼに見られたのかと思うと恥ずかしいものがあった。
「そうだわ! クルト、あなたが号令出しなさいよ」
「え!?」
号令っていつもルイーゼがやってるかけ声だよね? それを僕が? そんなこと許されるのだろうか?
「あれは普通リーダーがやるものじゃ…?」
「今回はあなたが指示を出すんだもの、あなたがリーダーみたいなものでしょ?」
「ッ!?」
リ、リーダー!? 僕が!? 僕はリーダーなんて器じゃないよ。でも、今回の冒険で指示を出すのは僕だし、リーダーといえばリーダーになるのか…? 僕なんかが本当にリーダーでいいのだろうか? 僕は思わず助けを求めるように皆を見渡してしまう。
「良いのではないですか。今回のリーダーは、間違いなくクルトですよ」
「そうね。情けない顔してないで、少しは自信を持ちなさい」
「いーじゃん、いーじゃん。元気出してこー!」
「がん、ばって…!」
「皆……」
皆の温かい言葉を受けて、胸が熱くなり、涙が出そうになる。
「さあクルト、やっちゃいなさい!」
「…うん!」
ルイーゼに背中を押されて、皆の前に立つ。皆の視線が僕へと集まり、緊張してしまう。
「えっと、その……本日はお日柄も良く……」
「固い、固い! もっとビシッと決めなさい!」
ビシッとって、どうやればいいんだろう? こんな時、ルイーゼならなんて言うだろうか……。
「さあ、行くわよ!」
「「「「「おおー!」」」」」
「なんで“わよ”?」
ルイーゼを意識しすぎて、口調までマネしてしまった……。一気に顔が熱くなるのを感じた。
「クルクル顔真っ赤ー!」
「ふふ、かわいい」
「あーもう! 行くよ! 置いて行っちゃうからね!」
僕は恥ずかしくなって叫ぶと、速足で歩き出すのだった。
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