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第1章
とうろくのじかん
しおりを挟むやって来ました!冒険者ギルド!ここまでプラプラ揺られて来ちゃったユズキです!…ギルドって言うんだね。
で、到着したんだけど。なんとですねぇ、冒険者ギルドと同じ建物に商業ギルドもあるんだって!出入口は別々で端と端にあって、建物内は2分割されてるんだって。
一度外に出ないとそれぞれの窓口には行けなくなってる。
でも、冒険者ギルドの登録の後に商業ギルドでも登録して、拠点探しをしようと思ってたので移動時間が大分浮いたよ~。
取り敢えず、登録するためにギルドの受付にやって来た。カウンターを見ると見事に座ってるのは男性だけだった……。なぜっ!綺麗なお姉さんじゃないの!?ガックシ……
「おんにゃのひちょがいない……」
「ん?冒険者ギルドの受付は男だらけだぞ。商業ギルドには数人居るらしいが。」
「荒くれの多い冒険者の受付にいたら、面倒事ばかりになってしまうからなぁ…」
「まぁ、実際は一人だけいるにはいるんだが……」
「?」
やっぱり、冒険者ギルドと言えば綺麗か可愛いか神々しいか魔性の女性ってセットって思ってたのに……。
自分の呟きにロンズ達が反応してくれて、いるらしいことを言ってるけど…?
「ほら、あの一番端っこだ」
ウィースが教えてくれた先にはカッコイイお兄さんがいる。少し髪は長めだけど、切れ長の目と相まってとても良く似合っている。金髪に青い瞳で王子さまみたいだ!受付のなかで一番カッコイイ。そして、彼の前には女性の冒険者がズラリと並んでいる。
「ほわぁ…、かっこいいねぇ」
「いやいやいや、そうじゃなくて、あいつが冒険者ギルドの受付で唯一の女だ」
「……………………………………ふぇ?おんにゃのひちょ?」
「あぁ、そうだ」
なんと!女の人だった!?え?一番カッコイイよ?他にもカッコイイ人とか渋目の人とかもいるけど一番カッコイイよ!?……はっ!男装の麗人だ!!
「……ユエ、セバス、あのひちょのとこならぼー」
「「わかった(わかりました)」」
申込み用紙に必要事項をセバスに書いてもらい、3人分の用紙を持って並ぶ。見た目だけじゃなく仕事捌きも受付の中で一番早く、尚且つ丁寧な対応をしているので一番端の受付に並ぶ。
ロンズ達は女性だらけの列には並べないと別の受付に行ってしまった。依頼の完了報告があるらしい。
でも、ここの列より短い受付に向かっていったが、順番が回ってきたのはこちらの方が早かった。
「お待たせ致しました、受付のルーシュです。本日のご用件を伺います」
「しゃんにんのぼうけんちゃとうりょくおねがいちましゅ!」
「畏まりました。少々お待ちください。………………お待たせ致しました、登録完了です。カードの発行は明日の朝となりますので、朝以降に受け取りをお願い致します」
「ありがとーごじゃます!」
やっぱり、丁寧、迅速な対応だった。見た目は王子さまだけど、声は綺麗な女性の声で落ち着いた感じのする人だった。
「さ、ユズキ様。ウィース様方が終わるまで時間がありそうなので商業ギルドに先に参りましょう。」
「じゃあ、オレはウィース達に伝えてから向かう。主を頼んだ」
「わかりました」
セバスの提案で商業ギルドに登録しに行くことにした。ウィース達はまだ並んでいる途中なのでしばらく時間がかかりそうだ。
「ここが、しょうぎょうぎるど……。ふいんきちあう…」
冒険者ギルドは男性の受付ばかりに対して商業ギルドは女性の数が半数だ。男性の受付も爽やか系や誠実系ばかりに見えるので全体的に受ける印象が違う。冒険者ギルドの受付は野性味溢れる人が多かった様に見えたので、余計にそう感じるのかも?
「いらっしゃいませ。お手伝いは必要ですか?」
「!」
「ええ。商業ギルドに登録とこの街での住まい兼店舗の紹介を。兼用が難しければ出来るだけ近い距離での物件を」
冒険者ギルドとの違いを見比べていたので案内の人の声に驚いてしまった。
「では、どちらも対応させて頂きますのでこちらのカウンターでお待ちください。すぐに担当者へ引き継ぎさせていただきます」
「分かりました」
どうやら、ここではセバスが対応してくれるみたい。お金も絡むからセバスにお願いするのが一番安心だよね♪
「お待たせ致しました、本日担当致しますユーリィと申します。宜しくお願い致します。
早速ですが、先ずは登録としてこちらの用紙に必要事項の記入を、…………ありがとうございます。
お次に、住まい兼店舗、もしくは出来るだけ近い距離での物件をと言うことでお伺い致しましたがお間違いありませんか?」
「ええ。出来れば、どちらにせよ広めですぐにでも使用出来る物件の紹介をお願いしたい」
「畏まりました。幾つか見繕っていますので、その中で条件に合う物件の紹介をさせていただきます」
んんー、正直、横で資料見ていてもよく分からない…。ここはセバスに任せて大人しくしていよう。しばらくすればユエ達も来るだろうしね。
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◇◇◇
ようやく一区切りへの目処がついてきました
拙いお話ですがお付き合いいただければ幸いです
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