61 / 71
第六十一話『土剣 - マッドソード』
しおりを挟む
「手に入れたスキルをいろいろ試してみるか!」
と僕は微笑んだ。
そう、僕は、前回の戦闘でいくつかスキルを手に入れていたのだった。
僕は、キングゴーレムから手に入れたスキルを発動させた。
『土剣 - マッドソード』
すると、土で出来た剣が発現した。
手を伸ばして、スキルが発動していいように構えていた。
しかし、それは、思っていたよりも、あまりにも大きかった。
「でか!」
そう、これは僕の身の丈くらいある、巨大な剣だった。
僕はその剣を構えていた。
大きく構えていて良かった。
何にもぶつかることなく、自動で、手に握られる形で発現した。
「さすがに、キングゴーレムが使っていた剣よりは小さいんだけど・・・これは、斬るために使うというより・・・」
と、言いながら、僕はサンドバッグに向かって振り下ろした。
ブオン。
風を斬る大きな音がする。
ズガン
そして、土の剣が、木のサンドバッグ、土に埋まった丸太に当たった。
そして、たった一撃で『潰した』!
ぐにゃっと、潰れて最初の丸太の形を失って、子どもの粘土細工みたいな形になった。
「・・・叩き潰すためのスキル、だ」
と、『土剣 - マッドソード』を振り下ろして、呟いた。
そう、それは、剣というよりはハンマー。
斬るというよりは、叩き潰す。
そういう、根本的な力を利用するスキルだった。
そして、その振り下ろした剣を持ち上げると、おっとっと、とよろよろとしてしまった。
「わ、すごいね〜!」
と、ヒカルが言う。
「あ、壊しちゃった」
と、潰れてしまった、木の丸太を見て僕が言った。
今までのスキルの中で一番原始的な、力を利用したスキルにより、丸太は潰れてしまった。
「いいの、いいの!壊すためにあるんだから!」
とヒカルが言う。
とは言うものの、壊す度にお金も掛かるんだろうなぁ、と少し心配になるのだった。
「しかし、なかなか、男らしいスキルだな・・・」
と僕は言う。
そう、力を基本としたスキル。
体力に自信がない僕には向いていない。
こんな重いもの持ち上げ続けようとしたらプルプルしてしまう。
今回は目標が動かないので、当てることが出来たけど、動きまわる敵にあてられるとは思えない。
「これは僕には向いてない感じがする・・・。体力自慢の人向けの、スキルっぽいなぁ」
「そうねー。男らしいキングゴーレムさんが使ってたしね〜」とヒカルが笑った。
そう、僕の何倍もマッチョな、キングゴーレムさんにはピッタリなスキルなのだったが、僕には扱いが難しい。
僕にはもうちょっと軽くて小回りが効くようなスキルがありがたい。
僕はこの重くて扱いにこまる『土剣 - マッドソード』をキャンセルした。
シュッ、と土の剣は消えた。
「これは、難しかった。次行ってみよう!」
と、僕は、キングゴーレム戦で手に入れた、二つ目のスキルを発動させた。
と僕は微笑んだ。
そう、僕は、前回の戦闘でいくつかスキルを手に入れていたのだった。
僕は、キングゴーレムから手に入れたスキルを発動させた。
『土剣 - マッドソード』
すると、土で出来た剣が発現した。
手を伸ばして、スキルが発動していいように構えていた。
しかし、それは、思っていたよりも、あまりにも大きかった。
「でか!」
そう、これは僕の身の丈くらいある、巨大な剣だった。
僕はその剣を構えていた。
大きく構えていて良かった。
何にもぶつかることなく、自動で、手に握られる形で発現した。
「さすがに、キングゴーレムが使っていた剣よりは小さいんだけど・・・これは、斬るために使うというより・・・」
と、言いながら、僕はサンドバッグに向かって振り下ろした。
ブオン。
風を斬る大きな音がする。
ズガン
そして、土の剣が、木のサンドバッグ、土に埋まった丸太に当たった。
そして、たった一撃で『潰した』!
ぐにゃっと、潰れて最初の丸太の形を失って、子どもの粘土細工みたいな形になった。
「・・・叩き潰すためのスキル、だ」
と、『土剣 - マッドソード』を振り下ろして、呟いた。
そう、それは、剣というよりはハンマー。
斬るというよりは、叩き潰す。
そういう、根本的な力を利用するスキルだった。
そして、その振り下ろした剣を持ち上げると、おっとっと、とよろよろとしてしまった。
「わ、すごいね〜!」
と、ヒカルが言う。
「あ、壊しちゃった」
と、潰れてしまった、木の丸太を見て僕が言った。
今までのスキルの中で一番原始的な、力を利用したスキルにより、丸太は潰れてしまった。
「いいの、いいの!壊すためにあるんだから!」
とヒカルが言う。
とは言うものの、壊す度にお金も掛かるんだろうなぁ、と少し心配になるのだった。
「しかし、なかなか、男らしいスキルだな・・・」
と僕は言う。
そう、力を基本としたスキル。
体力に自信がない僕には向いていない。
こんな重いもの持ち上げ続けようとしたらプルプルしてしまう。
今回は目標が動かないので、当てることが出来たけど、動きまわる敵にあてられるとは思えない。
「これは僕には向いてない感じがする・・・。体力自慢の人向けの、スキルっぽいなぁ」
「そうねー。男らしいキングゴーレムさんが使ってたしね〜」とヒカルが笑った。
そう、僕の何倍もマッチョな、キングゴーレムさんにはピッタリなスキルなのだったが、僕には扱いが難しい。
僕にはもうちょっと軽くて小回りが効くようなスキルがありがたい。
僕はこの重くて扱いにこまる『土剣 - マッドソード』をキャンセルした。
シュッ、と土の剣は消えた。
「これは、難しかった。次行ってみよう!」
と、僕は、キングゴーレム戦で手に入れた、二つ目のスキルを発動させた。
0
お気に入りに追加
177
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
ちょっとエッチな執事の体調管理
mm
ファンタジー
私は小川優。大学生になり上京して来て1ヶ月。今はバイトをしながら一人暮らしをしている。
住んでいるのはそこらへんのマンション。
変わりばえない生活に飽き飽きしている今日この頃である。
「はぁ…疲れた」
連勤のバイトを終え、独り言を呟きながらいつものようにマンションへ向かった。
(エレベーターのあるマンションに引っ越したい)
そう思いながらやっとの思いで階段を上りきり、自分の部屋の方へ目を向けると、そこには見知らぬ男がいた。
「優様、おかえりなさいませ。本日付けで雇われた、優様の執事でございます。」
「はい?どちら様で…?」
「私、優様の執事の佐川と申します。この度はお嬢様体験プランご当選おめでとうございます」
(あぁ…!)
今の今まで忘れていたが、2ヶ月ほど前に「お嬢様体験プラン」というのに応募していた。それは無料で自分だけの執事がつき、身の回りの世話をしてくれるという画期的なプランだった。執事を雇用する会社はまだ新米の執事に実際にお嬢様をつけ、3ヶ月無料でご奉仕しながら執事業を学ばせるのが目的のようだった。
「え、私当たったの?この私が?」
「さようでございます。本日から3ヶ月間よろしくお願い致します。」
尿・便表現あり
アダルトな表現あり
うちの娘が悪役令嬢って、どういうことですか?
プラネットプラント
ファンタジー
全寮制の高等教育機関で行われている卒業式で、ある令嬢が糾弾されていた。そこに令嬢の父親が割り込んできて・・・。乙女ゲームの強制力に抗う令嬢の父親(前世、彼女いない歴=年齢のフリーター)と従者(身内には優しい鬼畜)と異母兄(当て馬/噛ませ犬な攻略対象)。2016.09.08 07:00に完結します。
小説家になろうでも公開している短編集です。
魔境に捨てられたけどめげずに生きていきます
ツバキ
ファンタジー
貴族の子供として産まれた主人公、五歳の時の魔力属性検査で魔力属性が無属性だと判明したそれを知った父親は主人公を魔境へ捨ててしまう
どんどん更新していきます。
ちょっと、恨み描写などがあるので、R15にしました。
辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
Lunaire
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる