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第二十三話『アーマー』

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「ただのゴリラじゃないようだな」
とライオンが笑った。
そして戦闘が開始する。

「よくぞ私の攻撃をよけた!」
と、『アーマードゴリラ』が言った。
紳士的な口調だった。

「めちゃくちゃ口調が丁寧なのよね。みんながウホウホいうから、ギャップが凄い」
と、私が言った。

「ヤギっちもウホウホ言ってるじゃん!失礼だよ!」
とへびくんが笑う。

「それ、へびくんが言う?」と私が笑う。

「ほんと、ふざけた連中だ。」
と『アーマードゴリラ』さんはご立腹だった。
当然だった。
私だって、初対面の相手にウホウホ言われたら、怒りがマックスになる。
間違いなく!

「ねぇみんな、砦のボスがめちゃくちゃ怒ってるけど・・・それわざとなの?ねえ?」
やる気あるの?と妖精くんが呆れている。

やる気はもちろんある。多分。

「ヤギっち、ちゃんとやってよね!!」
「ヤギ、ちゃんとやれ!」
とへびくんとライオンに言われた。
それをキミタチが言うかね・・・。
結構強い敵。正真正銘のボス戦なのにふざけている二人だった。

「私のせいにすんな!!」
と私は笑った。

「まぁ、実際笑っていられる状況でもないんだよね」
とへびくんがトーンを落として言う。
へびくんの状況分析が始まる。
普段はふざけているが、実はしっかりと人?動物?を見ているヘビっちだ。観察眼がすごい。女子が髪を切ったらかならず気がつくタイプだ。

「鎧があるせいで、僕の『蛇毒 - ポイズン』が使えないんだよねぇ、噛みつく隙がないし。」
と言うへびくん、しっかりと『アーマード』つまり鎧の意味が出ている。ただのゴリラだったら、あっさり、がぶりといけているだろう。
「あ、ほんとだ」
と私もやっと事態を飲み込んだ。

「そういえば、鎧ってそういうためにあるんだもんね。最近のゲームは何故か強くなるとどんどん鎧が減って、露出が高くなっていくから忘れてたわ!」
と、私は、今はやっているソーシャルゲームが、レベルが上がるとドンドン露出が高くなりつつ強くなる事を思い出していた。

「そうなんだよね、あれなんなんだろう。いや、うれしいけどね!!」
とへびくんが笑った。
彼は、ソーシャルゲームを嗜むみたいなのでわかるみたいだった。私はお兄ちゃんが一生懸命集めてたからなんとなくわかる。

「なんじゃそりゃ?強くなると、鎧の面積が減る??」
とライオンは、チンプンカンプンだな、という顔をしていた。そう、最近のゲームは難しいのだ!

「多分、オーラ的ななにかで守られるようになるんだろうね。超常の力。適当だけど」
「超常の力じゃ、しょうが無いわね。」
と、分析をすっかり忘れて雑談をしている私とへびくん。

「オヌシらは、おしゃべりばかりだな!」
と、怒りを全身にまとった『アーマードゴリラ』さんがおっしゃった。

「次の攻撃でおしゃべりできないようにしてやろう!」
そう言って『アーマードゴリラ』は次の攻撃態勢に移った。
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