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第二百四十三話『五月雨矢 - サミダレ』
しおりを挟む「よし、いいぞ!アスカ!」
と、サヤカが、大きく避けたアスカに対して言った。
『五月雨矢 - サミダレ』
と、サヤカはスキルを発動させて空に向かって、弓矢を向けた。
「す、すごーい!!」
とサラが言う。
「まるで、雨みたいですね!」
と、奈緒子も言う。
「これは・・・」
と僕も呟く。
「グエェェェェ」
と、アスカ、サヤカ、エリカと対戦中の『ダークウィザード』が呻き声をあげる。
そう、それは雨の用にふりそそぐ、サヤカがスキルをつかって生み出した、矢の雨だった。
ガッガッガッ、と、『ダークウィザード』たちの体力が削られていく。
「これは・・・すごいな・・・」
と僕は呟く。
「やっぱりすごいの?」
とサラが僕に聞く。
「うん、すごいよ!だって、これ、狙って打ってる・・・」
と僕が呟く。
「え、この山なりの矢をですか?」
と奈緒子も驚く。
「それほどでもない・・・」
とサヤカはつぶやいている。
「どうだジュン!!まいったか!!サヤねぇさまも凄いんだぞ!」
と籠手弓矢使いのアスカはまるで自分の事のようにが自信満々で言った。
「うん、ほんとに凄い。直線じゃなく、ものを狙うのは最新テクノロジーでもかなり難しいんだ。弾を当てるのは、物理の基本、プログラムの目標の一つなんだけど、外乱、つまり風とかがあって難しい」
「ふむふむ」
と僕の説明にサラが相槌を打つ。
「だから、最新の必ず当てなきゃ行けない弾は、弾にカメラがついてて画像認識で追いかけるんだ」
「えー!!カメラついてるの!?」
とサラが驚く。
「そう、だから、かなり高価だ」
「そうだよねー、カメラって高いもんね。それをカメラなしでサヤカちゃんはやったんだ?」
と僕の説明にサラが相槌を打つ。
「そう、『五月雨矢 - サミダレ』というスキルを使って」
と僕が言う。
「さみだれ・・・ってなんだっけ?たしか・・・なんか読み方が難しい漢字だよね?」
とサラが聞く。
「五月雨は、ごがつあめって書くね」
「あー!それだ!テスト中にどんなに頑張っても読めないやつだ!」
僕の説明にとサラが笑う。
「で、どういう意味なんだっけ」
とサラが聞くと、奈緒子が応えた。
「五月雨は本来は、5月の雨のことですよ!5月に長く降る雨
のことです!」
と奈緒子が言う。
「あれ?それってあれじゃない・・・?」
とサラが聞く。
そして奈緒子が微笑んで頷く。
「つ・・・つゆ!!」
とサラが梅雨を思い出して言う。
これもそのままは読めない漢字の一つだな、と僕は思った。
「そうなんです!五月雨とは梅雨の事をさすんです、この5月は昔の5月で今の6月をさすんです!」
「あー実は今の6月なんだ!ややこしいなぁ」
と、サラが笑った。
「そうやって、全体攻撃をしたんだ・・・一気に3体を倒すつもりなのかな?」
と僕が呟いた。
「さすがだね!」
と普通弓のサヤカが微笑んで、籠手弓矢のアスカが動き出した。
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