上 下
191 / 286

第百九十〇話『鬼神の剣』

しおりを挟む
「いままでの、弱小モンスターならそれで倒して来れたんでしょうけど・・・」
と『鬼王のアルバート』は低い声でゆっくりと言う。

「私は四天王なのでね」
と『鬼王のアルバート』は微笑んだ。
そして、腰に装備していた、剣をゆっくりと握った。

「さて、次は私の番ですね、『鬼神の剣』の力をお見せしましょう!」
と、『鬼王のアルバート』は剣を抜いて構えた。

「サラ!!」
と僕が叫ぶ!

「いや、大丈夫!私を狙ってない!!」
とサラが僕に言う。

実はかなり冷静なサラだった。
敵がどこをみているか、しっかり目で追っているのだった。

普通そんなことできるか・・・。

「ほう!」
と『鬼王のアルバート』が呟く。

「そう、そのとおり、この『鬼神の剣』の力をお見せするだけです!」
と、砦にいくつか立っていた像に向かって剣戟を放った。

ドカァァァァァァァン
と、そこにあった石の像は一撃で破壊された。

「なるほどなるほど、奈緒子ちゃん!あれつよい??」
と、サラが聞く。

「はい、かなり良い色をしています!当たったら大変です、サラちゃん!」
と奈緒子は敵の強さが色でわかる「天秤 - ライブラ」を使って『鬼神の剣』を見た。

「ほう、強さがわかるのですか!なら、わざわざ見せなくてもよろしかったですかな、まあ、良いでしょう!これで戦意喪失していただけば、無駄な殺生もしなくてよくなります!」
と四天王『鬼王のアルバート』は言った。

「だれが、あきらめるってー??」
とサラが笑う。

むしろ楽しくなってきた、といったように見えた。

『雷迅 - ライトニング』

バチィ、バチィィィィィ
と再び格闘家の靴のスキル『雷迅 - ライトニング』を発動させるサラ。

「強い攻撃なら・・・当たらなきゃいいだけでしょ!!」
と、再度『雷迅 - ライトニング』で地面を蹴って近づく

「よろしい!」
と大きく剣を構える。『鬼王のアルバート』

「よしっまっすぐいくからね!!」
と、先ほどとは違い、まっすぐ、高速に向かっていく。

それを迎え撃つように『鬼王のアルバート』は剣を振り下ろした。

「よし!」
僕が呟く。

そう、サラは、彼の射程範囲に入る寸前に『横に飛んだ』

「なに!!」
『鬼王のアルバート』は誰もいないところに、『鬼神の剣』で斬りかかった。

「よっし!もらったー!!」
と言いながら、大きく横に飛んだところから、更に、もう一度、『鬼王のアルバート』に向かって電撃の蹴りを放った。

「電撃キーック!」
と、サラがいつものネーミングセンスで、『鬼王のアルバート』に電撃の蹴りを当て、吹き飛ばした。

「サラ・・・まじか・・・すごいな!」
と僕が呟く。
ほんとにここで四天王を倒してしまうかもしれない、そう思い始めていた。

「サラちゃんすごいです!」
と美少女魔法使いの奈緒子も言う。。

「これはこれは、ほんとに、素早いお嬢さんですな・・・私も本気を出しましょう!」
そう言って『鬼王のアルバート』は新たなスキルを発動させた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】復讐の館〜私はあなたを待っています〜

リオール
ホラー
愛しています愛しています 私はあなたを愛しています 恨みます呪います憎みます 私は あなたを 許さない

冷徹女王の中身はモノグサ少女でした ~魔女に呪われ国を奪われた私ですが、復讐とか面倒なのでのんびりセカンドライフを目指します~

日之影ソラ
ファンタジー
タイトル統一しました! 小説家になろうにて先行公開中 https://ncode.syosetu.com/n5925iz/ 残虐非道の鬼女王。若くして女王になったアリエルは、自国を導き反映させるため、あらゆる手段を尽くした。時に非道とも言える手段を使ったことから、一部の人間からは情の通じない王として恐れられている。しかし彼女のおかげで王国は繁栄し、王国の人々に支持されていた。 だが、そんな彼女の内心は、女王になんてなりたくなかったと嘆いている。前世では一般人だった彼女は、ぐーたらと自由に生きることが夢だった。そんな夢は叶わず、人々に求められるまま女王として振る舞う。 そんなある日、目が覚めると彼女は少女になっていた。 実の姉が魔女と結託し、アリエルを陥れようとしたのだ。女王の地位を奪われたアリエルは復讐を決意……なーんてするわけもなく! ちょうどいい機会だし、このままセカンドライフを送ろう! 彼女はむしろ喜んだ。

引退したオジサン勇者に子供ができました。いきなり「パパ」と言われても!?

リオール
ファンタジー
俺は魔王を倒し世界を救った最強の勇者。 誰もが俺に憧れ崇拝し、金はもちろん女にも困らない。これぞ最高の余生! まだまだ30代、人生これから。謳歌しなくて何が人生か! ──なんて思っていたのも今は昔。 40代とスッカリ年食ってオッサンになった俺は、すっかり田舎の農民になっていた。 このまま平穏に田畑を耕して生きていこうと思っていたのに……そんな俺の目論見を崩すかのように、いきなりやって来た女の子。 その子が俺のことを「パパ」と呼んで!? ちょっと待ってくれ、俺はまだ父親になるつもりはない。 頼むから付きまとうな、パパと呼ぶな、俺の人生を邪魔するな! これは魔王を倒した後、悠々自適にお気楽ライフを送っている勇者の人生が一変するお話。 その子供は、はたして勇者にとって救世主となるのか? そして本当に勇者の子供なのだろうか?

転生したら悪役令嬢になっていましたが、婚約者が推しなので全力でフラグをへし折ろうかと思います!(改稿版)

七宮 ゆえ
恋愛
【9月分の更新についてのお知らせがあるので、宜しければ近状ボードを覗いてくださればと思います(*- -)(*_ _)ペコリ】 気が付くと前世で私が一番好きだった乙女ゲームの世界に転生していました。 しかも婚約者は前世の推し。 その事実だけでこのまま、また死んでも悔いは残らないです…! ただ、一つだけ。どうしても不満があります。 ——どうして悪役令嬢としてなの!!? 最悪の場合死にますよ?最良の場合でも国外追放ですよ? 少し…いえ、大分酷すぎやしませんか? しかも推しには嫌われる位置にいますよね、私って。 ……そんなの耐えられない。 いいわ、こうなったらフラグなんて全てへし折ってあげる! 当て馬になるつもりもないし、推しの隣を誰かに譲る気もないもの! ☆この小説は、『転生したら悪役令嬢になっていましたが、婚約者が推しなので全力でフラグをへし折ろうと思います!』 の改稿版となっております。

虐げられた落ちこぼれ令嬢は、若き天才王子様に溺愛される~才能ある姉と比べられ無能扱いされていた私ですが、前世の記憶を思い出して覚醒しました~

日之影ソラ
恋愛
異能の強さで人間としての価値が決まる世界。国内でも有数の貴族に生まれた双子は、姉は才能あふれる天才で、妹は無能力者の役立たずだった。幼いころから比べられ、虐げられてきた妹リアリスは、いつしか何にも期待しないようになった。 十五歳の誕生日に突然強大な力に目覚めたリアリスだったが、前世の記憶とこれまでの経験を経て、力を隠して平穏に生きることにする。 さらに時がたち、十七歳になったリアリスは、変わらず両親や姉からは罵倒され惨めな扱いを受けていた。それでも平穏に暮らせるならと、気にしないでいた彼女だったが、とあるパーティーで運命の出会いを果たす。 異能の大天才、第六王子に力がばれてしまったリアリス。彼女の人生はどうなってしまうのか。

拒絶者の行く世界

蒼華 スー
ファンタジー
十八歳という若さでまさかの心臓発作!?そしてやってきたあの世で、来世について聞いたりしていたら………。 『記憶を消去!?』 そんなの絶対嫌なので、代償を支払い、何とか記憶を持ったまま転生+能力を持って転生出来る事に!!! そして、転生した世界は妖怪やモンスター達がいる世界。 だけど、他にも行きたい世界はあるんだよなー。 という事で、将来、違う世界にも旅行に行こうと思います! で、違う世界に旅行に行ったら、勇者召喚?……………なんじゃそりゃぁぁぁ!!!

貴方にとって、私は2番目だった。ただ、それだけの話。

天災
恋愛
 ただ、それだけの話。

我儘女に転生したよ

B.Branch
ファンタジー
転生したら、貴族の第二夫人で息子ありでした。 性格は我儘で癇癪持ちのヒステリック女。 夫との関係は冷え切り、みんなに敬遠される存在です。 でも、息子は超可愛いです。 魔法も使えるみたいなので、息子と一緒に楽しく暮らします。

処理中です...