ビッグデータ探偵

なかの

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第92話 汎用

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「まずはヒカルが作った、瞳の超解像?」
佐々木が言う。
そう、地下アイドル相田きらりさんの瞳を超解像で拡大して、彼女の嘘を見抜いたところから今回のことは始まった。

「あ、超解像!瞳の中を拡大する技術ですね!やっと追いつけるようになってきました!」
高崎くんは言う。
そう、彼女は僕たとの会話に出てきた新しい単語を覚えて色々勉強しているようだった。

「うん、実際、高崎くんは飲み込みが速いからね。聞いたことない単語ばかりだろうに!」
僕が言う。なるべく気を使っているつもりだが、それでも専門用語は出てきてしまう。よく出てくる単語は覚えないとやはり前に進まない。

「はい!頑張ってます!!」
高崎くんがにっこり笑っていった。
笑顔の裏にちゃんとした努力がある。さすが格闘技日本トップ、何かでトッブになれる人間はきちんと他の分野でも成果が出せる。

「超解像は他にも色々活かせそうだよね」
佐々木が言う。そうあれはかなり応用範囲の広い技術で、あれの派生で白黒の写真をカラーに変換するような技術も出てきている。

「うん、ヒカルちゃんが作ってたのは自分用のシステムだから、それを汎用的に使えるシステムにする、というのを大和くんとやったらいいんじゃないかと話してたんだ」
僕が言う。

「大和くん優秀だよね」
佐々木が言う。
何度か遊びにきている時に話しているはずだった。
彼が手伝ってくれるなら安心だな、という顔をしていた。

「そうなんだ」
僕は頷く。

「汎用的にするってなんですか??」
高崎くんが聞く。

「いい質問だね!こないだ囲碁のチャンピオンを倒したAIあるでしょ?」
僕が言う。ディープラーニング技術で囲碁のチャンピョンを倒したAIがある。

「ありますね!凄かったですね!人間負けちゃうんですね!」
高崎くんが言う。そうあれが出てくる前は囲碁は自由度が高すぎてコンピュータが勝つのは難しいと言われていた。

「そう、あれは囲碁用のシステムなんだけど、基幹として横展開していて、今はリアルタイム戦略のビデオゲームとかもチャンピオンと対決しようとしてるんだ」
僕が言う。そう、ルールだけ教えて自動で学習していく仕組みを取り出して、他のゲームでも圧勝できるようにするプロジェクトが進んでいる。

「え!そうなんですか?」
高崎くんが聞く。

「そう、基本的には大量の連続した画像。つまり動画だね、これを勉強して人のプレイに勝つということなので、そういったことができるんだ」
僕が説明する。
画像に対してインプットとアウトプットがあると言うものに関してはいずれどれも勝てなくなるはずだった。

「画面上で操作するものはそのうち全部人では勝てなくなっちゃうだろうな」
僕が言った。
そうそれはある程度時間の問題だった。
コンビュータパワーは今後も一定のスピードで上がっていくので、より大規模な問題を解くことができるようになっていく。

「そうなんですか!?」
高崎くんが驚く。
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