ビッグデータ探偵

なかの

文字の大きさ
上 下
50 / 100

第50話 できた

しおりを挟む
「佐鳥先生、こないだのできたんだよ!」
ヒカルちゃんが僕たちに対して報告した。
来てすぐ、クラウドサーバから結果を引き出したのだろう

「え?もう??」
僕は驚く。そろそろかな、とは思ったけどやっぱり早い。
はじめてクラウドサーバを触った人間がこんなスピードでできるものかなと試算した。

「あ、やっぱり速いんですか?」
高崎くんが質問する。

「実装も速いし、こんな短期間で解析できた??」
僕が聞く。

「やまとさんが手伝ってくれたんだよ!」
ヒカルちゃんが元気よく種明かしをする。

「あ、そうなの??」
僕が驚く。

「はい、分散処理の部分を書いておきました」
大和くんがさらりと言った。
簡単そうに言っているが簡単ではないはずだった。

「たしかに、そこは難しいしって、大サービスだなー」
僕は言う。

「Hadoop勉強してみたんだけど、全然分からなかったからすごく助かったんだよ!」
ヒカルちゃんが言う。この短期間でそこまで言っていた。全然分からなかったというのは謙遜表現である程度はわかったんだろうなと思った。使いこなすにはなかなか癖があるシステムなのでたしかに1日2日ではできないかもしれないので、大和くんのサポートは素晴らしい

「へー、それはそれは」
ぼくは、大和くんの大サービスに対して言った。

「分散処理というのをすると速くなるんですか?」
高崎くんが質問する。

「そうだね。1つのパソコンで10日かかることを、10台でやったらどうなると思う?」
ぼくが彼女に説明する。かなりざっくりした説明だがそんなに遠くはない。

「すごい!1日でできちゃうんですか??」
高碕くんが驚く。そんなシンプルな作戦で10日が1日になるのはたしかに体感たしてもすごいだろう。

「そう。原理的にはね。さすがにそんなに効率良くないけどね。イメージとしてはそんな感じ」
ぼくは簡単に説明する。この場合正確な説明を2時間かけてするよりはこのぐらいの理解をしてもらえてる方がよい。

「あと、ほんとはすごいお金かかるんだよ!ななちゃん!びっくりしちゃうよ!」
ヒカルちゃんが言った。しっかりわかっているようだった。そこは大和くんからの説明があったと思うけど、管理画面に価格が表示されるから一度見てびっくりしたんだろうな、とおもった。

「そう、ここは潤沢な研究費が出てるのと、クラウド系については特別にスポンサードされてるからね」
ぼくが説明をする。そう、このプロジェクトは一応日本を代表する最先端のビッグデータ研究プロジェクトなのでいろいろなところからサポートされている。

「そういえば、そうでしたね。最初の説明で聞いたような気がしました!難しすぎてよく分からなかったですが」
そう、一度は説明を受けているはずだった。まぁそんなに大した話じゃないので聞き飛ばすぐらいでよいけれども。

「クラウドのイメージはそのPC一つ一つを時間で借りてるみたいなイメージね」
ぼくがまたざっくりと説明した。

「へーおもしろいですね」
高碕くんは微笑んだ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

毒舌アルビノ・ラナンタータの事件簿

藤森馨髏 (ふじもりけいろ)
ミステリー
「はい。カナンデラ・ザカリー探偵事務所です。……いえ、結婚相談所ではございません。売れ残りの美形男子が二人おりますが、一人はジゴロ体質で、もう一人は口煩い母親タイプです。如何ですか……あ、左様でございますか。かなり美形ですのに。はい。顔だけで生きておりますが、あ、いらない。わかりました。はい。ご機嫌よう」 アルビノのラナンタータは天使と身間違う外見なのに毒舌家。従兄のお洒落なゲイ探偵カナンデラと、ショーファー兼ボディーガードの美形男子ラルポア・ミジェールの三人で、マイノリティの生きやすい社会作りを目指し、『アルビノ狩り』に狙われながらも、世界を変えるという意志を以て前向きに事件解決に挑む。ほっこりするかどうかはあなた任せのハードボイルドサスペンス。

名前を書くとお漏らしさせることが出来るノートを拾ったのでイジメてくる女子に復讐します。ついでにアイドルとかも漏らさせてやりたい放題します

カルラ アンジェリ
ファンタジー
平凡な高校生暁 大地は陰キャな性格も手伝って女子からイジメられていた。 そんな毎日に鬱憤が溜まっていたが相手が女子では暴力でやり返すことも出来ず苦しんでいた大地はある日一冊のノートを拾う。 それはお漏らしノートという物でこれに名前を書くと対象を自在にお漏らしさせることが出来るというのだ。 これを使い主人公はいじめっ子女子たちに復讐を開始する。 更にそれがきっかけで元からあったお漏らしフェチの素養は高まりアイドルも漏らさせていきやりたい放題することに。 ネット上ではこの怪事件が何らかの超常現象の力と話題になりそれを失禁王から略してシンと呼び一部から奉られることになる。 しかしその変態行為を許さない美少女名探偵が現れシンの正体を暴くことを誓い…… これはそんな一人の変態男と美少女名探偵の頭脳戦とお漏らしを楽しむ物語。

10秒で読めるちょっと怖い話。

絢郷水沙
ホラー
 ほんのりと不条理なギャグが香るホラーテイスト・ショートショートです。意味怖的要素も含んでおりますので、意味怖好きならぜひ読んでみてください。(毎日昼頃1話更新中!)

人狼ゲーム『Selfishly -エリカの礎-』

半沢柚々
ミステリー
「誰が……誰が人狼なんだよ!?」 「用心棒の人、頼む、今晩は俺を守ってくれ」 「違う! うちは村人だよ!!」  『汝は人狼なりや?』  ――――Are You a Werewolf?  ――――ゲームスタート 「あたしはね、商品だったのよ? この顔も、髪も、体も。……でもね、心は、売らない」 「…………人狼として、処刑する」  人気上昇の人狼ゲームをモチーフにしたデスゲーム。  全会話形式で進行します。  この作品は『村人』視点で読者様も一緒に推理できるような公正になっております。同時進行で『人狼』視点の物も書いているので、完結したら『暴露モード』と言う形で公開します。プロット的にはかなり違う物語になる予定です。 ▼この作品は【自サイト】、【小説家になろう】、【ハーメルン】、【comico】にて多重投稿されております。

【完結】真実の行方 悠々自適なマイライフを掴むまで

との
恋愛
結婚記念日に、義妹を連れて夫が帰ってきた。数ヶ月ぶりの帰還だと言うのに、やりたい放題の二人に呆れ顔の主人公アイラ。 近々離婚しようと思っていたのに、夫にとある疑惑が判明。離婚は一時停止する事に。 良い領主になろうと、仕事人間に徹していた主人公が、ちょっとしたキッカケから、猪突猛進。周りのハラハラを他所目に、真相究明に突き進みます。 「嘘じゃありません。あれはハッタリですの」 「俺いつか絶対禿げる」 ーーーーーーーーーー 全89話、完結。 “人気の完結” リストに載せていただいています。 ありがとうございます。 所々、胸糞表現や悪辣な表現があります。 設定他かなりゆるいです。 ご理解いただけますようお願いいたします。

僕は警官。武器はコネ。【イラストつき】

本庄照
ミステリー
とある県警、情報課。庁舎の奥にひっそりと佇むその課の仕事は、他と一味違う。 その課に属する男たちの最大の武器は「コネ」。 大企業の御曹司、政治家の息子、元オリンピック選手、元子役、そして天才スリ……、 様々な武器を手に、彼らは特殊な事件を次々と片付けていく。 *各章の最初のページにイメージイラストを入れています! *カクヨムでは公開してるんですけど、こっちでも公開するかちょっと迷ってます……。

綾町奈々子はいかにして毒島奇麗を落としたか?

奥野とびら
ミステリー
ドジっ娘新人編集者の綾町奈々子が自分が担当する高飛車な美人作家・毒島綺麗に恋をして、やがては結ばれる物語です。ミステリです。

処理中です...