ビッグデータ探偵

なかの

文字の大きさ
上 下
33 / 100

第33話 中学生

しおりを挟む
「ヒカルちゃんどうやってここがわかったの?」
僕がヒカルちゃんに聞く。
本当に技術的に解決してここに辿り付いたのか知りたかったからだ。
この状況だと普通にたまたま遊びにきた可能性もないわけではない。

「そんなの簡単だよ!自撮りの写真を集めて、ディープラーニングで瞳を拡大したんだよ!」
ヒカルちゃんはこともなさげにそう言った。
僕だちが議論した通りの技術を使って、ここにたどり着いたのだ。
僕が覚えている限りは確かヒカルちゃんはまだ中学生だった。

「いや、簡単じゃないし・・・」
僕が呟く。
いくらブログラミング教育が進んでいるからと言って、中学生が誰でもディープラーニングを含むプログラミングができるわけではない。

「佐々木が教えたのか??」
僕が率直な疑問を口に出す。
当然佐々木ならできてもおかしくないからだ。トップクラスの技術力を持ち数々の賞を手に入れている佐々木であれば。

「いや、僕は全く教えてない。基本的に会うことを禁止されている」
佐々木はそう言った。この言い方だとしばらくあって無さそうだった。トップクラスの教授がつきっきりで教えていればあるいは、と思ったのだが。

「じゃあ、どうやって??普通の中学生には無理だろ」
僕が佐々木に聞く。
普通の中学生には明らかにできないことをやってのけていた。

「簡単だよ!お父さんの研究室のブログにやり方いっぱい書いてあるんだよ!佐鳥先生のブログにも!」
ヒカルちゃんが僕らの疑問に答えてくれた。
なんと自力でこの能力を手に入れたと言うのだ。
僕らのブログを見て自力で学習して実力をつけたのだ。

「え?すごいな。あれ結構難しいよ?英語のもあるし」
そう、率直な感想を僕は口に出した。
あれを読んだからと言って誰でもできるわけではない。
うちの学生だって、あれを読んだだけでできない人はたくさんいる。

「英語なんて今はブラウザが翻訳してくれるし、専門用語を少し覚えれば簡単なんだよ!」
ヒカルちゃんはこともなげにそう言った。
発想がデジタルネイティブのそれそのものだった。

「え?え?どういうことですか?」
高崎くんが僕たちの話に付いてこれない、と言うジェスチャをしながら聞いた。

「つまりここにいるのは、独学でWebプログラミングと機械学習を覚えた天才中学生ってことだね」
僕は簡潔に説明した。

「なるほど。直接親子で会って指導しなくても、自力で学んだということだね。テクノロジーの勝利を感じる」
佐々木が人ごとのように言った。

「さすが佐々木の娘、情熱がすごい」
僕が呟く。そうエンジニアに必要なのは情熱だ。

「確かに、我ながら感心する。うちの研究室に欲しいぐらいだ」
佐々木が呟く。

「え!行きたい!!」
ヒカルちゃんのテンションが上がる。

「でも、大人になるまではダメなんだ!」
佐々木は残念そうに言う。確かにこの才能に適切な指導ができないのは勿体無い。

「えー!!やだーーー!!」
ヒカルちゃんが言う。

「それなら」
僕が切り出した。

「え?」
ヒカルちゃんが驚く。

「ヒカルちゃん。うちの研究室に来たらいいよ!うちなら怒られないよ」
僕が全てを解決するアイデアを出した。

「え?」
ヒカルちゃんはもう一度驚いた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

親戚のおじさんに犯された!嫌がる私の姿を見ながら胸を揉み・・・

マッキーの世界
大衆娯楽
親戚のおじさんの家に住み、大学に通うことになった。 「おじさん、卒業するまで、どうぞよろしくお願いします」 「ああ、たっぷりとかわいがってあげるよ・・・」 「・・・?は、はい」 いやらしく私の目を見ながらニヤつく・・・ その夜。

ロリっ子がおじさんに種付けされる話

オニオン太郎
大衆娯楽
なろうにも投稿した奴です

処刑された女子少年死刑囚はガイノイドとして冤罪をはらすように命じられた

ジャン・幸田
ミステリー
 身に覚えのない大量殺人によって女子少年死刑囚になった少女・・・  彼女は裁判確定後、強硬な世論の圧力に屈した法務官僚によって死刑が執行された。はずだった・・・  あの世に逝ったと思い目を覚ました彼女は自分の姿に絶句した! ロボットに改造されていた!?  この物語は、謎の組織によって嵌められた少女の冒険談である。

♡ちゅっぽんCITY♡

x頭金x
大衆娯楽
“旅人”が〈広い世界を見る〉ために訪れた【ちゅっぽんCITY】、そこにはちょっと不思議でエッチな人達が住んでいて、交流する度に”旅人”が下半身と共にちゅっぽんする物語です。 (今までに書いてきたショートショート を混ぜ合わせたりかき混ぜたり出したり入れたりくちゅくちゅしたりして作ってイキます)

冤罪! 全身拘束刑に処せられた女

ジャン・幸田
ミステリー
 刑務所が廃止された時代。懲役刑は変化していた! 刑の執行は強制的にロボットにされる事であった! 犯罪者は人類に奉仕する機械労働者階級にされることになっていた!  そんなある時、山村愛莉はライバルにはめられ、ガイノイドと呼ばれるロボットにされる全身拘束刑に処せられてしまった! いわば奴隷階級に落とされたのだ! 彼女の罪状は「国家機密漏洩罪」! しかも、首謀者にされた。  機械の身体に融合された彼女は、自称「とある政治家の手下」のチャラ男にしかみえない長崎淳司の手引きによって自分を陥れた者たちの魂胆を探るべく、ガイノイド「エリー」として潜入したのだが、果たして真実に辿りつけるのか? 再会した後輩の真由美とともに危険な冒険が始まる!  サイエンスホラーミステリー! 身体を改造された少女は事件を解決し冤罪を晴らして元の生活に戻れるのだろうか? *追加加筆していく予定です。そのため時期によって内容は違っているかもしれません、よろしくお願いしますね! *他の投稿小説サイトでも公開しておりますが、基本的に内容は同じです。 *現実世界を連想するような国名などが出ますがフィクションです。パラレルワールドの出来事という設定です。

お父様の相手をしなさいよ・・・亡き夫の姉の指示を受け入れる私が学ぶしきたりとは・・・

マッキーの世界
大衆娯楽
「あなた、この家にいたいなら、お父様の相手をしてみなさいよ」 義姉にそう言われてしまい、困っている。 「義父と寝るだなんて、そんなことは

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

処理中です...