ビッグデータ探偵

なかの

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第20話 機械学習とビッグデータ

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「ええええええええええええええええ!!!」
高崎くんは驚く。そう、もはや一人で取れる量ではなく、マンパワーを使ったとしても大変だ。

「そう、それが機械学習のキモなんだ。」
僕が呟く。機械学習とビッグデータの相性がいい理由がまさにこれだ。

「せん、いちまん、じゅうまん、ひゃくまん、いっせんまん」
美少女警官高崎くんは指折り数える。

「うん、一万倍だね」
僕は計算して、そう言う。

「実際にはもうちょっと少なくても、なんとなくのものはできるかもしれないけど、ちゃんとしたものを作ろうとしたら。そのオーダで必要だね」
僕が言う。そこから先は精度の問題になってくる。

「オーダ?」
高崎くんが聞き返す。

「桁だね。機械学習や統計では、桁が大事なんだ。」
僕は言う。

「桁が変われば精度が変わるからだな。そして最近機械学習が話題になっているのは、インターネット上にあるデータの桁が数年で一気に増えたからだ。」
佐々木はそう説明する。そうテクノロジーの進化により拡大にデータ量が増えた。

「そう、機械学習自体は古くからある考え方なんだよね。有名なアルゴリズムの一つSVMは1963年に考えられたものだ。僕が生まれる前からある考え方なんだよ」
僕は説明する。

「最近さらにやっと成果が出てきている強化学習なんかも古くからロボットの研究でやられているものだしな」
佐々木が言う。

「将棋や囲碁でプロを倒している、人工知能に使われているものだね。ロボットが自分で手を打ってそれを評価して強いてを探していくと言うものだね」
僕は高崎くんに向けて優しく説明した。

「昔はデータを集めるのが難しかった」
佐々木は説明する。

「そう、だけど、今は違う。圧倒的な量の写真があるんだ」
僕は呟く。

「これの登場ですね!」
高崎くんは笑顔でスマホを取り出した。そして、おもむろに僕の方にカメラを向けて写真を一枚とった。

パシャ

「これで一枚とれちゃうんですもんね!」
高崎くんが笑う。

「そう、撮ろうと思ってから、わずか数秒で一枚の写真が取れてしまう。それは携帯カメラの登場でいきなり発生した新しい文化だ」
僕はそう呟く。

「なるほどなるほど」
高崎くんは言いながら、ボソリと、自然な流れで先生の写真を一枚ゲットしました!と呟いた。

「ちょっと高崎くん!」
僕が突っ込む。

「仲良いなぁ」
佐々木は笑っている。

「それはいいとして、どうやって1000万枚の画像を集めるんですか?」
高崎くんはごまかしつつ話を進めた。
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