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52.選んだ先【完結】
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アリスとレイモンド様が見えなくなる。
あれからもたくさん話をして、アリスがにっこりと微笑んで「そろそろ行こうかな」と言った。ここがこんな場所でなければ、まだまだずっと話していたと思う。
――この場所は、先に進みたいと思わせてくる。
本能のようにその衝動が心の中に燻る。行かなければ、立ち去らなければと……。
アリスとは最後に抱擁を交わし、手を振ってトンと雲の上から彼らが足を離した瞬間に二人の姿が見えなくなった。光が雲の上に見えると言っていた。私たちの目には映らない光が。そこへ向かったのだろう。
そして――。
彼らがいなくなったあと、私たちを包むのは満天の星空だ。突如として青空が消えた。闇の中に光が集まる場所。神秘的な夜が私たちを迎える。
「ふふっ。そうよね、こうでなくてはね」
「そうだな。この景色が見たかった」
ヴィンスと微笑み合う。深い青緑の髪と藍色の瞳は、かつてと同様に夜空に溶け込んでしまいそう。彼には夜の闇と光がよく似合う。
私たちの足元がオーロラのように青白く光っている。その光の先にあるのは、あの時に見た世界樹だ。枝葉を伸ばして私たちを待ち構えているようだ。ひときわ輝いて、あの光の中が私たちの終わりだとなんとなく分かる。
どこからか曲が聞こえてきた。
『星屑のロンド』
私たちの大切な思い出の曲。
「あなたがピアノの前にいないのに、変な感じね」
「そうだな。だが、私の音だ」
「ええ、分かるわ。あなたの音よ」
手を繋いで一歩前に出る。
「あそこが始まりの場所か」
「そうね。きっとあそこが終わりの場所よ」
「ふっ……お前らしいな」
私が今着ているのは、今の若い私に似合いのゴシックロリータだ。元の世界のそれとは少しだけ変わった。あの世界で勝手に広まった闇系ファッション。闇コーデとも言われていた。黒のフリルがたくさんあしらわれ、そこかしこに蝶の金の刺繍が縫われている。青と黒が基調の、私が好んで着ていた系統の服。
「完全な死に魅せられて、この世界を自ら終わらせる。そういうことでしょう?」
「充足よりも虚無、誕生よりも終焉、世界の終わりは甘美な夢――そう言ってたな。新たな始まりは嫌いか?」
……ものすごく昔の言葉を引っ張ってきたわね。
「どうせ今の記憶を持ってはいけないのでしょう。それならやっぱり、あの場所は終わりよ」
「生まれ変わりは信じないと?」
「信じる信じないではないわ。記憶が消えるのなら、ないのと同じ。あなたは信じたいの?」
「私は弱いからな。お前と共に永遠にありたいと願ってしまう。でも――そうだな。それ以上にやはりお前には幸せになってほしい。私にこだわらなくてもいいな」
こんなとこでまで、それ?
「自分が幸せにしてやるんだくらい、言いなさいよ」
「生まれ変わりは信じないのではなかったのか。そんな私でありたいよ。いつまでも」
「仕方ないわね。それくらいで我慢してあげるわ。ヴィンスだものね」
「が……我慢……。来世でも幸せにする。ど、努力はする……」
「ありがと」
相変わらずの私たち。これからもずっとそんな関係が続いていく。そんな日常はもう過去のものだ。
「いろいろ……あったわね」
ゆっくりと歩き出す。
「ああ。お前のお陰で幸せだった」
「私もよ。飢えが満たされたわ。晩年はまた飢えたけど、ここで会えたものね。おおむね満足よ」
「そいつはよかった」
「ええ。世界を滅ぼさずに済んでほっとしたわ」
一緒に過去を振り返る。煌めく星を結んでいくように一つ一つの輝きを思い出す。ここに来た時の話、婚約をした時の話、海辺でピアノを弾いてもらった時の話。
積み上げてきた思い出は今も胸の中にあり、私たちを照らし続けている。
「ヴィンス」
「ああ、セイカ」
もうすぐ終わり。
最後のキスは甘く切ない。
私たちが私たちのまま交差することはもう二度とない。
「一緒に世界を終わらせましょう。この……どこだか分からない二人だけの世界を」
「ああ。共に終焉を迎えよう」
私の光はもう何も覆わない。目の前の光に全てを委ねるだけだ。そういえば、死ぬ間際に光を見た。光の精霊も。
きっと旅立つ者にだけ見えるのだろう……この場所へ導くために。
「愛しているわ、ヴィンス」
「愛している、セイカ」
二人で最後の一歩を踏み出す。
消える、消える、消える。
全てが無になる。
最後まで繋いだ手の記憶は、全てを失っても誰かを支える力になる。
――次の幸せを探しに行こう。
新たな誕生は、彼と同じ世界で。
――――――――
聖女がこの世界から旅立ったあと、彼女の娘が二冊の本を刊行した。託された『聖女の日記』と、小さな子供向けの絵本だ。
『セイカちゃんとアリスちゃん』
著者:非公表
違う世界の女の子、セイカちゃんのお友達はアリスちゃんだけ。二人はいつも一緒でした。
ある日、セイカちゃんは突然違う世界に飛ばされてしまいました。それはここ。みんながいる世界。お友達はいません。お父さんもお母さんもいません。ひとりぼっちになってしまったのに、この世界を救ってと頼まれてしまうのです。
さびしい。つらい。
私には何もできない。
だれか助けて。
大丈夫だよ。さびしいなら側にいるよ。
声をかけてくれたのは王子様。セイカちゃんはひとりではなくなりました。
いっしょうけんめい魔法をれんしゅうします。勇気をだしてお友だちもたくさんつくりました。みんなの力がセイカちゃんの力になります。でも、まだ足りません。生まれてしまった魔王をお空にかえす力がありません。
魔女が言いました。あなたのお友だちのアリスちゃんに会わせてあげましょう。
クリスマスに贈り物をしてくれる聖アリスちゃんは、違う世界のセイカちゃんのたったひとりのお友だち。この世界のずーっと昔に、迷いこんでいたのです。
二人は何をはなしたと思う?
おいしいおやつの話?
たいせつなおともだちの話?
それはないしょ。ないしょの話。
セイカちゃんは知りました。アリスちゃんはセイカちゃんためにがんばったこと。みんながえがおになって、弱い弱い魔王しかうまれずに、セイカちゃんがかんたんに魔王をお空にかえせますようにと祈っていたこと。
ひとりじゃなかった。
みんなに支えられていた。
ずっとずっと昔から支えられていた。
それから、どうなったと思う?
魔王はお空にかえっていきました。
世界は平和にもどりました。
セイカちゃんは王子様とけっこんして、しあわせにくらしました。
いつかきっと、違う世界からまた女の子がくるでしょう。その女の子がかんたんに魔王をお空にバイバイできるように、みんなができることは、なーんだ?
おうちの人におしえてあげてね。
それが、セイカちゃんのみんなへのおねがいです。
――――――――
それは千年後の物語。
「ようこそ、僕たちの世界へ」
「ここはどこなの?」
「君の新しい居場所。どうか僕たちの世界を好きになってほしい」
「……好きに?」
「さぁ、案内をしよう。まずはこの世界を楽しんでほしい。誰もが君を歓迎している。そうしてもし好きになれたのなら、僕たちのお願いを聞いてほしいんだ」
「それはどんな?」
「届け物をしてほしいんだ。僕たちの祈りをとある場所にね」
「どうして自分たちでしないの?」
彼は思い出す。魔女に「浄化に失敗する可能性はあるのか」と聞いた時のことを。「人の未来は未知数。ゼロではない」と返ってきたその答えを。
少し考え込んでから、彼は悪戯っぽい笑顔でこう言った。
「きっと試されているんだ、神に。違う世界の女の子を大事にできない世界なら、いらないってさ!」
〈完〉
あれからもたくさん話をして、アリスがにっこりと微笑んで「そろそろ行こうかな」と言った。ここがこんな場所でなければ、まだまだずっと話していたと思う。
――この場所は、先に進みたいと思わせてくる。
本能のようにその衝動が心の中に燻る。行かなければ、立ち去らなければと……。
アリスとは最後に抱擁を交わし、手を振ってトンと雲の上から彼らが足を離した瞬間に二人の姿が見えなくなった。光が雲の上に見えると言っていた。私たちの目には映らない光が。そこへ向かったのだろう。
そして――。
彼らがいなくなったあと、私たちを包むのは満天の星空だ。突如として青空が消えた。闇の中に光が集まる場所。神秘的な夜が私たちを迎える。
「ふふっ。そうよね、こうでなくてはね」
「そうだな。この景色が見たかった」
ヴィンスと微笑み合う。深い青緑の髪と藍色の瞳は、かつてと同様に夜空に溶け込んでしまいそう。彼には夜の闇と光がよく似合う。
私たちの足元がオーロラのように青白く光っている。その光の先にあるのは、あの時に見た世界樹だ。枝葉を伸ばして私たちを待ち構えているようだ。ひときわ輝いて、あの光の中が私たちの終わりだとなんとなく分かる。
どこからか曲が聞こえてきた。
『星屑のロンド』
私たちの大切な思い出の曲。
「あなたがピアノの前にいないのに、変な感じね」
「そうだな。だが、私の音だ」
「ええ、分かるわ。あなたの音よ」
手を繋いで一歩前に出る。
「あそこが始まりの場所か」
「そうね。きっとあそこが終わりの場所よ」
「ふっ……お前らしいな」
私が今着ているのは、今の若い私に似合いのゴシックロリータだ。元の世界のそれとは少しだけ変わった。あの世界で勝手に広まった闇系ファッション。闇コーデとも言われていた。黒のフリルがたくさんあしらわれ、そこかしこに蝶の金の刺繍が縫われている。青と黒が基調の、私が好んで着ていた系統の服。
「完全な死に魅せられて、この世界を自ら終わらせる。そういうことでしょう?」
「充足よりも虚無、誕生よりも終焉、世界の終わりは甘美な夢――そう言ってたな。新たな始まりは嫌いか?」
……ものすごく昔の言葉を引っ張ってきたわね。
「どうせ今の記憶を持ってはいけないのでしょう。それならやっぱり、あの場所は終わりよ」
「生まれ変わりは信じないと?」
「信じる信じないではないわ。記憶が消えるのなら、ないのと同じ。あなたは信じたいの?」
「私は弱いからな。お前と共に永遠にありたいと願ってしまう。でも――そうだな。それ以上にやはりお前には幸せになってほしい。私にこだわらなくてもいいな」
こんなとこでまで、それ?
「自分が幸せにしてやるんだくらい、言いなさいよ」
「生まれ変わりは信じないのではなかったのか。そんな私でありたいよ。いつまでも」
「仕方ないわね。それくらいで我慢してあげるわ。ヴィンスだものね」
「が……我慢……。来世でも幸せにする。ど、努力はする……」
「ありがと」
相変わらずの私たち。これからもずっとそんな関係が続いていく。そんな日常はもう過去のものだ。
「いろいろ……あったわね」
ゆっくりと歩き出す。
「ああ。お前のお陰で幸せだった」
「私もよ。飢えが満たされたわ。晩年はまた飢えたけど、ここで会えたものね。おおむね満足よ」
「そいつはよかった」
「ええ。世界を滅ぼさずに済んでほっとしたわ」
一緒に過去を振り返る。煌めく星を結んでいくように一つ一つの輝きを思い出す。ここに来た時の話、婚約をした時の話、海辺でピアノを弾いてもらった時の話。
積み上げてきた思い出は今も胸の中にあり、私たちを照らし続けている。
「ヴィンス」
「ああ、セイカ」
もうすぐ終わり。
最後のキスは甘く切ない。
私たちが私たちのまま交差することはもう二度とない。
「一緒に世界を終わらせましょう。この……どこだか分からない二人だけの世界を」
「ああ。共に終焉を迎えよう」
私の光はもう何も覆わない。目の前の光に全てを委ねるだけだ。そういえば、死ぬ間際に光を見た。光の精霊も。
きっと旅立つ者にだけ見えるのだろう……この場所へ導くために。
「愛しているわ、ヴィンス」
「愛している、セイカ」
二人で最後の一歩を踏み出す。
消える、消える、消える。
全てが無になる。
最後まで繋いだ手の記憶は、全てを失っても誰かを支える力になる。
――次の幸せを探しに行こう。
新たな誕生は、彼と同じ世界で。
――――――――
聖女がこの世界から旅立ったあと、彼女の娘が二冊の本を刊行した。託された『聖女の日記』と、小さな子供向けの絵本だ。
『セイカちゃんとアリスちゃん』
著者:非公表
違う世界の女の子、セイカちゃんのお友達はアリスちゃんだけ。二人はいつも一緒でした。
ある日、セイカちゃんは突然違う世界に飛ばされてしまいました。それはここ。みんながいる世界。お友達はいません。お父さんもお母さんもいません。ひとりぼっちになってしまったのに、この世界を救ってと頼まれてしまうのです。
さびしい。つらい。
私には何もできない。
だれか助けて。
大丈夫だよ。さびしいなら側にいるよ。
声をかけてくれたのは王子様。セイカちゃんはひとりではなくなりました。
いっしょうけんめい魔法をれんしゅうします。勇気をだしてお友だちもたくさんつくりました。みんなの力がセイカちゃんの力になります。でも、まだ足りません。生まれてしまった魔王をお空にかえす力がありません。
魔女が言いました。あなたのお友だちのアリスちゃんに会わせてあげましょう。
クリスマスに贈り物をしてくれる聖アリスちゃんは、違う世界のセイカちゃんのたったひとりのお友だち。この世界のずーっと昔に、迷いこんでいたのです。
二人は何をはなしたと思う?
おいしいおやつの話?
たいせつなおともだちの話?
それはないしょ。ないしょの話。
セイカちゃんは知りました。アリスちゃんはセイカちゃんためにがんばったこと。みんながえがおになって、弱い弱い魔王しかうまれずに、セイカちゃんがかんたんに魔王をお空にかえせますようにと祈っていたこと。
ひとりじゃなかった。
みんなに支えられていた。
ずっとずっと昔から支えられていた。
それから、どうなったと思う?
魔王はお空にかえっていきました。
世界は平和にもどりました。
セイカちゃんは王子様とけっこんして、しあわせにくらしました。
いつかきっと、違う世界からまた女の子がくるでしょう。その女の子がかんたんに魔王をお空にバイバイできるように、みんなができることは、なーんだ?
おうちの人におしえてあげてね。
それが、セイカちゃんのみんなへのおねがいです。
――――――――
それは千年後の物語。
「ようこそ、僕たちの世界へ」
「ここはどこなの?」
「君の新しい居場所。どうか僕たちの世界を好きになってほしい」
「……好きに?」
「さぁ、案内をしよう。まずはこの世界を楽しんでほしい。誰もが君を歓迎している。そうしてもし好きになれたのなら、僕たちのお願いを聞いてほしいんだ」
「それはどんな?」
「届け物をしてほしいんだ。僕たちの祈りをとある場所にね」
「どうして自分たちでしないの?」
彼は思い出す。魔女に「浄化に失敗する可能性はあるのか」と聞いた時のことを。「人の未来は未知数。ゼロではない」と返ってきたその答えを。
少し考え込んでから、彼は悪戯っぽい笑顔でこう言った。
「きっと試されているんだ、神に。違う世界の女の子を大事にできない世界なら、いらないってさ!」
〈完〉
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