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「……いま、何て言った?」
「僕の伴侶になってほしいって言ったんだ。それから、一緒にウォルファ王国に来てほしい」
「伴侶ってのは、いわゆるあの伴侶のことか?」
「うん、一生添い遂げる相手のことだよ。狼族はつがいって呼ぶけど」
シィグは涙で若干ぼやけていた目をパチパチと瞬かせた。そうして真っ暗な夜空を見上げる。こんな空をアージルと見るのも二十回、いや二十一回目だ。
恐怖と絶望のどん底でびっくり箱を開けられたような気がした。しかも内容は予想もしていなかったもので、驚きを通り超えてスンと冷静になる。
「ちょっと確認したんだが、いい匂いでおいしそうってのは俺のことなんだよな?」
「うん。甘くていい匂いがする。それにすごくおいしそうだ」
「食べたいってのも俺のことなんだよな?」
「出会った日から食べたくて仕方がなかった。でも、いきなり食べたら驚くだろうし、それで嫌われるなんて最悪だからずっと我慢してた」
シィグは再び考えた。「あ、流れ星だ」なんて真っ黒な空を横切る星を見ながら、さらに考える。ついさっきまでブルブル震えるほどだった恐怖心は、流れ星と一緒に綺麗さっぱり流れた気がした。
「俺が兎族の王子だってわかったとき、絶好の機会だって思った理由は何なんだ?」
「あー……ええと、ウォルファ王国に伝わる古い言い伝えなんだけど……」
アージルの話はこうだった。
ウォルファ王国には、高貴な兎族を狩った王族に褒美を与えなければ国が滅ぶという言い伝えがあるらしい。とくに兎族の王族を狩るとどんな願いであっても叶えなければならず、過去にそれを違えた国王が無残な姿で死んだという話まであるそうだ。
アージルは、この言い伝えを使って自由を手に入れようと考えたらしい。そのために城を抜け出して森に入った。この森がラビッター王国に繋がっているとわかっていたからだ。
「で、途中で行き倒れたところに俺が現れたってことか」
「あのときは驚いたなぁ。まさか王子様のほうからやって来るなんて思わなかったから」
「それで俺に取り入って、気を許したところでウォルファ王国に連れて行こうと考えたわけか」
「それはちょっと違う」
「違う?」
アージルがぎゅうっと腕に力を込めてシィグの肩に顎を載せた。
「たしかにほんの一瞬、そう思ったのは本当だけど……。でも、すぐにシィグが僕のつがいだってわかったから考え直したんだ。だってこんなに甘くていい匂いがして、こんなにおいしそうに感じるのはつがいだからだ。だから無理やり連れて行ったり、騙すような形でつがいにするのは嫌だって思ったんだ」
シィグを抱きしめる力がますます強くなる。そうしてグリグリと額を黒髪に擦りつけたアージルは「僕のつがいになって」と囁いた。
「僕のつがいになってほしい。自由を得るために連れて行くんじゃなくて、つがいとして両親に紹介したい」
シィグは夜空の星を見ながら、また考えた。考えようとしたものの「何じゃそりゃ」という感想しか浮かばない。
「っていうかおまえ、伴侶を作ったら駄目なんじゃなかったのか?」
「狼族は伴侶にできないけど兎族なら大丈夫だよ。僕の幸運をどれだけ与えても狼族に与えたことにはならないからね。……あ、まずい。想像したら興奮してきた」
シィグのボンボンみたいな尻尾にゴリゴリと硬い何かが擦りつけられる。言わずもがな男の生理現象の一つだ。ただ抱きしめながら話をしているだけなのにこれだけ硬くするということは、心身共に本気だということなんだろう。
(こういうとき、どうするのが正解なんだ……?)
いろんな感情に一度に襲われたからか、いまいち現実味が湧かない。そもそも狼族と伴侶になるなんて考えたことすらなかった。それに狼族は兎族を狩るんじゃなかったんだろうか。
「狼族は兎族を狩るって話はどこ行ったんだよ」
「え? いま狩ってるよね?」
「は?」
「だから、こうしてつがいになってほしいってお願いしてるのが“狩り”だよ? 昔は無理やりつがいにする狼族が多かったから“狩り”なんて呼び方されてるけど、いまはそんなことはしない。そりゃあいまでも兎族の国をどうこうしたがってる狼族もいるにはいるけど、みんな本当は兎族が可愛くて仕方がないんだ。その証拠に兎族とつがう狼も増えてるし」
そんな話は聞いたことがなかった。
(それとも黒兎の俺だけ知らなかったってことか?)
……可能性はある。閉じ込めた黒兎が狼族に出会う可能性はないからと伝えなかったに違いない。
「狼族は一人のつがいを生涯大事にする。安全な場所に囲って大事に大事にする。もちろん僕もそうするから安心して」
狩られた兎族が一人も戻って来なかった理由がわかった気がした。王家に“狼族には絶対に狩られるな”という言い伝えがある意味もわかった。
かつては願いを叶えたい狼族に攫われる王族が多かったのだろう。そのうえがっちり囲われて里帰りさえできなかったのだとしたら、残された家族が言い伝えを作ったのもわかる気がした。
「でも、俺は黒兎だぞ? 黒兎は不吉の象徴だ」
「そんなの関係ないよ。シィグはこんなに優しくてかっこいいから、みんなすぐに好きになる。僕が保証する」
「でも、」
「真っ黒はかっこいいよ。僕だって変われるなら黒狼になりたい。それにウォルファ王国初代の王様は黒狼だったんだ。だから狼族は黒色を不吉だなんて絶対に思わない。それにね、黒狼を支えた伴侶は白狼だったんだ。ほら、まるで僕たちみたいだよ?」
「僕がずっと守って上げるから」と続く言葉にシィグの長い耳がピクピクと反応した。ゴリゴリ押し当てられている尻尾がムズムズしてくる。こんなふうに誰かに求められたことがないシィグは、段々と気持ちが傾きかけていた。
(悪くない話だとは思う)
ラビッター王国に帰ればまた自由を奪われるだろうが、ウォルファ王国なら違うかもしれない。なれるかわからない面倒くさい兎族の王様を目指すよりはずっとマシだ。
(いや、そうなると俺は囲われるわけか)
それだとラビッター王国のときと同じになりはしないだろうか。このままアージルに着いていけば外に出られなくなるかもしれない。
(せっかく外に出たんだし、もっと自由を満喫したい)
シィグは「よし」と考えた。
「なぁ、一つ提案があるんだけど」
「なぁに?」
「せっかくお互いこうして自由を手に入れたんだから、もう少し二人きりで旅をしてみないか?」
「旅?」
「そろそろ森から出てあちこち見て回ろうと思っていたところだし。もちろん、おまえと二人でな」
「二人で?」
「そう、二人で。せっかくだから二人での初めて記念とか、いろいろやってみたいと思って。ほら、火興しも料理も初めてだったんだろ? そういうの、俺と二人でもっと一緒にやりたいと思わないか?」
シィグは「二人」という言葉を敢えて強調した。そこに「初めて」を加えて後押しする。アージルは初めてのことに興味津々のようだから、絶対に話に乗ってくるはず。
「二人でいろんな初めてかぁ」
シィグの予想どおり嬉しそうな声が聞こえてきた。顔は見えないが、白い耳がピクピク動いているのが想像できる。白い尻尾が地面をバサバサ叩く音も聞こえるし、興味が湧いているに違いない。
「それもいいなぁ。……うん、二人きりでいろんな初めてをやろう。国に帰るのはそれからでもいいかな」
乗ってきた。シィグの口元がにんまりとする。
(これで旅の間の安全も確保された)
狼族と一緒ならどこに行っても大抵は安全に過ごすことができる。追い剥ぎを気にすることなく、夢見ていた自由を満喫できるに違いない。
「よし、それじゃあ起きたらどこに行くか相談するか」
「うん」
「俺としては西の渓谷と、それに南の湖も見たいところなんだけど、ま、いくつか行き先を考えてから順番に行くことにしよう」
「わかった。……それで、あのさ。その前に、僕としてはさっそく二人の初めてをしたいんだけど」
「うん? 何だ?」
振り返ったシィグの鼻にアージルの唇がちょんと触れた。驚くシィグに「伴侶になったら初めてすること、シィグとしたい」とアージルが囁く。一瞬考えたシィグは、すぐさま頬をカッと熱くした。
「は!? いまここでか!?」
「うん。だっていまの話だと、僕と伴侶になってくれるって了承してくれるんだよね?」
「いや、それはまだ決めかねてるっていうか……いや、なる。なるって決めたけど、いやちょっと待て」
うっかり「決めかねている」と言ったところで飴色の目が鋭くなった。青ざめたシィグは慌てて「なる、伴侶になる」と約束する。
「よかった。僕、すごく嬉しいよ」
満面の笑みを浮かべたアージルは、もう一度ぎゅうっとシィグを抱きしめ頬にキスをした。
「僕の伴侶になってほしいって言ったんだ。それから、一緒にウォルファ王国に来てほしい」
「伴侶ってのは、いわゆるあの伴侶のことか?」
「うん、一生添い遂げる相手のことだよ。狼族はつがいって呼ぶけど」
シィグは涙で若干ぼやけていた目をパチパチと瞬かせた。そうして真っ暗な夜空を見上げる。こんな空をアージルと見るのも二十回、いや二十一回目だ。
恐怖と絶望のどん底でびっくり箱を開けられたような気がした。しかも内容は予想もしていなかったもので、驚きを通り超えてスンと冷静になる。
「ちょっと確認したんだが、いい匂いでおいしそうってのは俺のことなんだよな?」
「うん。甘くていい匂いがする。それにすごくおいしそうだ」
「食べたいってのも俺のことなんだよな?」
「出会った日から食べたくて仕方がなかった。でも、いきなり食べたら驚くだろうし、それで嫌われるなんて最悪だからずっと我慢してた」
シィグは再び考えた。「あ、流れ星だ」なんて真っ黒な空を横切る星を見ながら、さらに考える。ついさっきまでブルブル震えるほどだった恐怖心は、流れ星と一緒に綺麗さっぱり流れた気がした。
「俺が兎族の王子だってわかったとき、絶好の機会だって思った理由は何なんだ?」
「あー……ええと、ウォルファ王国に伝わる古い言い伝えなんだけど……」
アージルの話はこうだった。
ウォルファ王国には、高貴な兎族を狩った王族に褒美を与えなければ国が滅ぶという言い伝えがあるらしい。とくに兎族の王族を狩るとどんな願いであっても叶えなければならず、過去にそれを違えた国王が無残な姿で死んだという話まであるそうだ。
アージルは、この言い伝えを使って自由を手に入れようと考えたらしい。そのために城を抜け出して森に入った。この森がラビッター王国に繋がっているとわかっていたからだ。
「で、途中で行き倒れたところに俺が現れたってことか」
「あのときは驚いたなぁ。まさか王子様のほうからやって来るなんて思わなかったから」
「それで俺に取り入って、気を許したところでウォルファ王国に連れて行こうと考えたわけか」
「それはちょっと違う」
「違う?」
アージルがぎゅうっと腕に力を込めてシィグの肩に顎を載せた。
「たしかにほんの一瞬、そう思ったのは本当だけど……。でも、すぐにシィグが僕のつがいだってわかったから考え直したんだ。だってこんなに甘くていい匂いがして、こんなにおいしそうに感じるのはつがいだからだ。だから無理やり連れて行ったり、騙すような形でつがいにするのは嫌だって思ったんだ」
シィグを抱きしめる力がますます強くなる。そうしてグリグリと額を黒髪に擦りつけたアージルは「僕のつがいになって」と囁いた。
「僕のつがいになってほしい。自由を得るために連れて行くんじゃなくて、つがいとして両親に紹介したい」
シィグは夜空の星を見ながら、また考えた。考えようとしたものの「何じゃそりゃ」という感想しか浮かばない。
「っていうかおまえ、伴侶を作ったら駄目なんじゃなかったのか?」
「狼族は伴侶にできないけど兎族なら大丈夫だよ。僕の幸運をどれだけ与えても狼族に与えたことにはならないからね。……あ、まずい。想像したら興奮してきた」
シィグのボンボンみたいな尻尾にゴリゴリと硬い何かが擦りつけられる。言わずもがな男の生理現象の一つだ。ただ抱きしめながら話をしているだけなのにこれだけ硬くするということは、心身共に本気だということなんだろう。
(こういうとき、どうするのが正解なんだ……?)
いろんな感情に一度に襲われたからか、いまいち現実味が湧かない。そもそも狼族と伴侶になるなんて考えたことすらなかった。それに狼族は兎族を狩るんじゃなかったんだろうか。
「狼族は兎族を狩るって話はどこ行ったんだよ」
「え? いま狩ってるよね?」
「は?」
「だから、こうしてつがいになってほしいってお願いしてるのが“狩り”だよ? 昔は無理やりつがいにする狼族が多かったから“狩り”なんて呼び方されてるけど、いまはそんなことはしない。そりゃあいまでも兎族の国をどうこうしたがってる狼族もいるにはいるけど、みんな本当は兎族が可愛くて仕方がないんだ。その証拠に兎族とつがう狼も増えてるし」
そんな話は聞いたことがなかった。
(それとも黒兎の俺だけ知らなかったってことか?)
……可能性はある。閉じ込めた黒兎が狼族に出会う可能性はないからと伝えなかったに違いない。
「狼族は一人のつがいを生涯大事にする。安全な場所に囲って大事に大事にする。もちろん僕もそうするから安心して」
狩られた兎族が一人も戻って来なかった理由がわかった気がした。王家に“狼族には絶対に狩られるな”という言い伝えがある意味もわかった。
かつては願いを叶えたい狼族に攫われる王族が多かったのだろう。そのうえがっちり囲われて里帰りさえできなかったのだとしたら、残された家族が言い伝えを作ったのもわかる気がした。
「でも、俺は黒兎だぞ? 黒兎は不吉の象徴だ」
「そんなの関係ないよ。シィグはこんなに優しくてかっこいいから、みんなすぐに好きになる。僕が保証する」
「でも、」
「真っ黒はかっこいいよ。僕だって変われるなら黒狼になりたい。それにウォルファ王国初代の王様は黒狼だったんだ。だから狼族は黒色を不吉だなんて絶対に思わない。それにね、黒狼を支えた伴侶は白狼だったんだ。ほら、まるで僕たちみたいだよ?」
「僕がずっと守って上げるから」と続く言葉にシィグの長い耳がピクピクと反応した。ゴリゴリ押し当てられている尻尾がムズムズしてくる。こんなふうに誰かに求められたことがないシィグは、段々と気持ちが傾きかけていた。
(悪くない話だとは思う)
ラビッター王国に帰ればまた自由を奪われるだろうが、ウォルファ王国なら違うかもしれない。なれるかわからない面倒くさい兎族の王様を目指すよりはずっとマシだ。
(いや、そうなると俺は囲われるわけか)
それだとラビッター王国のときと同じになりはしないだろうか。このままアージルに着いていけば外に出られなくなるかもしれない。
(せっかく外に出たんだし、もっと自由を満喫したい)
シィグは「よし」と考えた。
「なぁ、一つ提案があるんだけど」
「なぁに?」
「せっかくお互いこうして自由を手に入れたんだから、もう少し二人きりで旅をしてみないか?」
「旅?」
「そろそろ森から出てあちこち見て回ろうと思っていたところだし。もちろん、おまえと二人でな」
「二人で?」
「そう、二人で。せっかくだから二人での初めて記念とか、いろいろやってみたいと思って。ほら、火興しも料理も初めてだったんだろ? そういうの、俺と二人でもっと一緒にやりたいと思わないか?」
シィグは「二人」という言葉を敢えて強調した。そこに「初めて」を加えて後押しする。アージルは初めてのことに興味津々のようだから、絶対に話に乗ってくるはず。
「二人でいろんな初めてかぁ」
シィグの予想どおり嬉しそうな声が聞こえてきた。顔は見えないが、白い耳がピクピク動いているのが想像できる。白い尻尾が地面をバサバサ叩く音も聞こえるし、興味が湧いているに違いない。
「それもいいなぁ。……うん、二人きりでいろんな初めてをやろう。国に帰るのはそれからでもいいかな」
乗ってきた。シィグの口元がにんまりとする。
(これで旅の間の安全も確保された)
狼族と一緒ならどこに行っても大抵は安全に過ごすことができる。追い剥ぎを気にすることなく、夢見ていた自由を満喫できるに違いない。
「よし、それじゃあ起きたらどこに行くか相談するか」
「うん」
「俺としては西の渓谷と、それに南の湖も見たいところなんだけど、ま、いくつか行き先を考えてから順番に行くことにしよう」
「わかった。……それで、あのさ。その前に、僕としてはさっそく二人の初めてをしたいんだけど」
「うん? 何だ?」
振り返ったシィグの鼻にアージルの唇がちょんと触れた。驚くシィグに「伴侶になったら初めてすること、シィグとしたい」とアージルが囁く。一瞬考えたシィグは、すぐさま頬をカッと熱くした。
「は!? いまここでか!?」
「うん。だっていまの話だと、僕と伴侶になってくれるって了承してくれるんだよね?」
「いや、それはまだ決めかねてるっていうか……いや、なる。なるって決めたけど、いやちょっと待て」
うっかり「決めかねている」と言ったところで飴色の目が鋭くなった。青ざめたシィグは慌てて「なる、伴侶になる」と約束する。
「よかった。僕、すごく嬉しいよ」
満面の笑みを浮かべたアージルは、もう一度ぎゅうっとシィグを抱きしめ頬にキスをした。
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