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23 嵐の予感
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数日後、リトスは屋敷の近くにある大通りを訪れていた。目的は食材の調達で、ルヴィニや両親がよく食べてくれたスープを作るためだ。
(スープくらいでバシレウス様の疲れが癒えるとは思えないけど……)
それでも何かしたい。そこで思いついたのが母親に教わったスープだった。
それは滋養強壮にもよいというスープで、故郷では家庭料理の定番でもある。スパイスを利かせた中に干し肉を入れるのがリトス流だったが、普段何も言わないルヴィニもあのスープだけは「おいしい」と言って食べてくれていた。
(そう思って買い出しに来たのはいいんだけど……)
チラッと隣を見る。そこには濃い灰色の服に身を包んだロンヒがいた。手にはリトスが買った食材を持っている。
(焼き菓子を届けてくれただけなのに、こんなことまでしてもらっていいのかな)
一昨日からバシレウスの顔を見ていない。詳しくは聞いていないものの忙しくなったらしく、代わりに以前のようにロンヒが贈り物を届けてくれるようになった。
そんなロンヒから「今夜は夕食を一緒に食べられるかと思います」と聞いたリトスは、それならとスープのことを思い立った。そわそわしていると理由を尋ねられ、正直にスープのことを話したところまではよかった。そのまま「街へ出るのならお供します」とロンヒに言われ、断る前に「どちらへ行かれますか?」と問われるままこうして並んで歩いている。それが申し訳なくてチラチラと隣を見てしまう。
「どうかしましたか?」
「え!? あ、いえ、何でもないです」
荷物を持とうとしたら「持ちます」と言われてしまった。「大丈夫ですから」と言っても「これもわたしの役目ですので」と言って見守るように側に立つ。
(これじゃ、まるで僕の従者みたいだ)
そんな畏れ多いことが許されるはずもない。何とか荷物を返してもらおうと考えていると、どこからか「蒼灰の君」という言葉が聞こえて来た。
(え……?)
声がしたほうを見ると兎族の若い雌たちがおしゃべりをしていた。気になりながらもその場を後にしようとしたとき、「ねぇ聞いた!?」という興奮したような声にリトスの足が止まる。
「次の月の宴で蒼灰の君の花嫁選びがあるんですって!」
「聞いた聞いた! 前回は急に取りやめになったって話だけど、今度こそ花嫁が選ばれるのよね?」
「そうそう、理由はわからないけど残念だったわよねぇ。それでね、今回も花嫁候補にルヴィニが選ばれたんですって!」
「やっぱりね~。じゃあ、今度こそルヴィニで決まりね」
(蒼灰の君の花嫁候補……?)
聞こえた言葉にリトスは頭が真っ白になった。布で覆った耳の奥で「ルヴィニ」という名前が何度もこだまする。
(ルヴィニが、次の花嫁候補に……?)
まさか。いつかはそんな日が来ると思っていたが、こんなに早くその日が来るなんて思わなかった。
目の前が一瞬真っ暗になった。ぐるんと目が回り足元がふらりと揺れる。慌てて踏ん張ったものの「花嫁候補」という言葉が耳から離れない。
(きっと兎族が候補を出したんだ)
名家の狼族は元々複数の花嫁を持つことが多い。そういうこともあり、兎族は満月ごとに多くの番候補や花嫁候補を差し出してきた。きっと今回もその流れで花嫁候補を選んだのだろう。
(でも、前回は急に取りやめになったって……)
どういうことだろうか。自分が花嫁になったと兎族には伝わっていないのだろうか。
(……やっぱりアフィーテだから、なんだろうな)
アフィーテが花嫁になるなんて兎族にとっては汚点に違いない。だからなかったことにされたのだろう。そして、元々の花嫁候補だったルヴィニをもう一度選んだのだ。
(そうだ、それが正しい)
前回の月の宴の後、ルヴィニがどうなったか知るのが怖くて尋ねないままでいた。そうやって放置していた自分への罰に違いない。
立ち止まったまま動かなくなったリトスに「どうかされましたか?」とロンヒが声をかけた。
「リトス様?」
「……あの、もう帰ってもいいですか?」
「それはかまいませんが、買い物はお済みですか?」
「……はい」
本当は最後にスパイスを買うつもりだった。でも、いまは買い物を続けることもスープを作ろうという気持ちにもなれない。ただ一刻も早く屋敷に帰って気持ちを落ち着かせたかった。
(今度こそルヴィニにおめでとうを言わないと)
それに自慢の弟と揃って蒼灰の君の花嫁になれるなんてすごいことだ。
(父さんも母さんも、きっと喜んでくれてるはず)
そう思っているのに段々と足が重くなる。リトスは重い体を引きずるようにしながら屋敷へと戻った。
部屋に入ってしばらくするとバシレウスがやって来た。夜には来ると聞いていたが、その時間より随分早い。
「何かあったのか?」
ソファの隣に座りながら気遣うように尋ねてくる。
(そうか、ロンヒ様に何か聞いたんだ)
急に帰りたいと言ったからだろうか。もしかしたら変な顔をしていたのかもしれない。
ちらりと隣を見る。眉を下げて心配する美しい顔に胸が痛くなった。これまでなら心配をかけてはいけないと思うところなのに、そうした気遣いすらいまのリトスにはできない。
「リトス?」
「……何でもありません」
「本当に?」
「はい。あの、久しぶりに人混みの中を歩いたので、それで疲れたんだと思います」
そうだ、ただ少し疲れただけだ。そう思いながら目を伏せていると「何かあったんだろう?」となおも尋ねられる。
「本当に何でもないですから」
「それじゃあ、どうしてそんな顔をしているんだ? 俺には泣きそうな顔に見える。それに以前見た表情によく似ている」
「以前……?」
「二度目に会ったときだ。あの後、リトスはあの町から消えてしまった。もう一度会いに行ったときどれだけ焦ったことか……いや、そのことはもういいんだ、結果的にクシフォスのところにいたんだからな」
町を出た後もまた会いに来てくれていたなんて……リトスは嬉しさと申し訳なさでますます胸が痛くなった。
(そういえば、あのときもルヴィニを羨ましいと思ったっけ)
一瞬だったが、貸家にやって来たルヴィニを妬ましいと思ってしまった。心から祝いたいと思っていたのに、それとは矛盾した感情を抱くなんて情けないと思った。
(……いまも、そう思ってる)
本心からおめでとうと言いたいのは嘘じゃない。それなのにどうしようもなく妬ましくなる。羨ましくて、ルヴィニが花嫁に選ばれなければいいのにと思ってしまった。
(こんなことを思うなんて、僕は最低の兄だ)
わかっているのにわき上がる感情を抑えることができない。
「やっぱり何かあったんだろう? ……もしかして街で狼族に言い寄られたのか?」
低くなった声に慌てて「違います」と答えた。垂れ耳はしっかり隠していたからアフィーテだと気づかれることはない。気づかれなければ言い寄る狼族はいない。
「僕に言い寄る狼族なんていません。ただ……次の月の宴の話を聞いただけで」
「……あぁ、そのことか」
バシレウスの声が一段と低くなった。もしかして触れられたくなかったのだろうか。もしくは新しい花嫁を迎えることに口出しされたくないのかもしれない。そう思うとますます嫌な気持ちが膨れ上がっていく。
(駄目だ、こんなことじゃ本当に捨てられてしまう)
見た目どころか心まで汚くなってはバシレウスの側にいることはできない。リトスはきゅっと唇を噛み、グッと拳を握りしめた。そうして小さく深呼吸をしてからバシレウスを見る。
「あの、おめでとうございます」
「……は?」
「僕は全然気にしてませんから。名家の狼族が何人もの花嫁を迎えることは僕も知っています。だから大丈夫です」
リトスの言葉にバシレウスの眉が寄る。
「俺はリトス以外の花嫁を迎えるつもりはないが?」
「僕のことは気にしないでください」
「リトス、」
「それに、今回の花嫁候補もルヴィニだと聞きました。前にも話しましたけど、ルヴィニは僕の自慢の弟なんです。僕なんかと違って綺麗だし、体もちゃんとしてるし、きっといい花嫁になると思います。だから、」
「リトス」
鋭い声に垂れ耳がビクッと震えた。必死に動かしていた口をぎゅっと閉じる。
(……怒らせてしまった)
リトスを見る金色の目は、まるで怒っているように鋭くなっていた。
「俺の花嫁はリトスだけだと言ったはずだ」
低い声に今度は体全体が震える。バシレウスから初めて感じる威圧するような気配に、リトスは垂れ耳を震わせながら俯いた。
「リトスは俺の言葉が信じられないのか?」
「……それ、は」
信じたい。信じたいが、そういうわけにはいかないのだろうということもわかっていた。だから自分のことは気にしなくていいと言いたいのに言葉が出てこない。
「信じていないんだな」
ため息をついたバシレウスが立ち上がった。
「そもそもルヴィニという弟は……いや、何でもない」
リトスの横をコツコツと靴音が通り過ぎていく。リトスは顔を上げることもできず、ただ足音が遠ざかるのをじっと聞くことしかできないでいた。
(スープくらいでバシレウス様の疲れが癒えるとは思えないけど……)
それでも何かしたい。そこで思いついたのが母親に教わったスープだった。
それは滋養強壮にもよいというスープで、故郷では家庭料理の定番でもある。スパイスを利かせた中に干し肉を入れるのがリトス流だったが、普段何も言わないルヴィニもあのスープだけは「おいしい」と言って食べてくれていた。
(そう思って買い出しに来たのはいいんだけど……)
チラッと隣を見る。そこには濃い灰色の服に身を包んだロンヒがいた。手にはリトスが買った食材を持っている。
(焼き菓子を届けてくれただけなのに、こんなことまでしてもらっていいのかな)
一昨日からバシレウスの顔を見ていない。詳しくは聞いていないものの忙しくなったらしく、代わりに以前のようにロンヒが贈り物を届けてくれるようになった。
そんなロンヒから「今夜は夕食を一緒に食べられるかと思います」と聞いたリトスは、それならとスープのことを思い立った。そわそわしていると理由を尋ねられ、正直にスープのことを話したところまではよかった。そのまま「街へ出るのならお供します」とロンヒに言われ、断る前に「どちらへ行かれますか?」と問われるままこうして並んで歩いている。それが申し訳なくてチラチラと隣を見てしまう。
「どうかしましたか?」
「え!? あ、いえ、何でもないです」
荷物を持とうとしたら「持ちます」と言われてしまった。「大丈夫ですから」と言っても「これもわたしの役目ですので」と言って見守るように側に立つ。
(これじゃ、まるで僕の従者みたいだ)
そんな畏れ多いことが許されるはずもない。何とか荷物を返してもらおうと考えていると、どこからか「蒼灰の君」という言葉が聞こえて来た。
(え……?)
声がしたほうを見ると兎族の若い雌たちがおしゃべりをしていた。気になりながらもその場を後にしようとしたとき、「ねぇ聞いた!?」という興奮したような声にリトスの足が止まる。
「次の月の宴で蒼灰の君の花嫁選びがあるんですって!」
「聞いた聞いた! 前回は急に取りやめになったって話だけど、今度こそ花嫁が選ばれるのよね?」
「そうそう、理由はわからないけど残念だったわよねぇ。それでね、今回も花嫁候補にルヴィニが選ばれたんですって!」
「やっぱりね~。じゃあ、今度こそルヴィニで決まりね」
(蒼灰の君の花嫁候補……?)
聞こえた言葉にリトスは頭が真っ白になった。布で覆った耳の奥で「ルヴィニ」という名前が何度もこだまする。
(ルヴィニが、次の花嫁候補に……?)
まさか。いつかはそんな日が来ると思っていたが、こんなに早くその日が来るなんて思わなかった。
目の前が一瞬真っ暗になった。ぐるんと目が回り足元がふらりと揺れる。慌てて踏ん張ったものの「花嫁候補」という言葉が耳から離れない。
(きっと兎族が候補を出したんだ)
名家の狼族は元々複数の花嫁を持つことが多い。そういうこともあり、兎族は満月ごとに多くの番候補や花嫁候補を差し出してきた。きっと今回もその流れで花嫁候補を選んだのだろう。
(でも、前回は急に取りやめになったって……)
どういうことだろうか。自分が花嫁になったと兎族には伝わっていないのだろうか。
(……やっぱりアフィーテだから、なんだろうな)
アフィーテが花嫁になるなんて兎族にとっては汚点に違いない。だからなかったことにされたのだろう。そして、元々の花嫁候補だったルヴィニをもう一度選んだのだ。
(そうだ、それが正しい)
前回の月の宴の後、ルヴィニがどうなったか知るのが怖くて尋ねないままでいた。そうやって放置していた自分への罰に違いない。
立ち止まったまま動かなくなったリトスに「どうかされましたか?」とロンヒが声をかけた。
「リトス様?」
「……あの、もう帰ってもいいですか?」
「それはかまいませんが、買い物はお済みですか?」
「……はい」
本当は最後にスパイスを買うつもりだった。でも、いまは買い物を続けることもスープを作ろうという気持ちにもなれない。ただ一刻も早く屋敷に帰って気持ちを落ち着かせたかった。
(今度こそルヴィニにおめでとうを言わないと)
それに自慢の弟と揃って蒼灰の君の花嫁になれるなんてすごいことだ。
(父さんも母さんも、きっと喜んでくれてるはず)
そう思っているのに段々と足が重くなる。リトスは重い体を引きずるようにしながら屋敷へと戻った。
部屋に入ってしばらくするとバシレウスがやって来た。夜には来ると聞いていたが、その時間より随分早い。
「何かあったのか?」
ソファの隣に座りながら気遣うように尋ねてくる。
(そうか、ロンヒ様に何か聞いたんだ)
急に帰りたいと言ったからだろうか。もしかしたら変な顔をしていたのかもしれない。
ちらりと隣を見る。眉を下げて心配する美しい顔に胸が痛くなった。これまでなら心配をかけてはいけないと思うところなのに、そうした気遣いすらいまのリトスにはできない。
「リトス?」
「……何でもありません」
「本当に?」
「はい。あの、久しぶりに人混みの中を歩いたので、それで疲れたんだと思います」
そうだ、ただ少し疲れただけだ。そう思いながら目を伏せていると「何かあったんだろう?」となおも尋ねられる。
「本当に何でもないですから」
「それじゃあ、どうしてそんな顔をしているんだ? 俺には泣きそうな顔に見える。それに以前見た表情によく似ている」
「以前……?」
「二度目に会ったときだ。あの後、リトスはあの町から消えてしまった。もう一度会いに行ったときどれだけ焦ったことか……いや、そのことはもういいんだ、結果的にクシフォスのところにいたんだからな」
町を出た後もまた会いに来てくれていたなんて……リトスは嬉しさと申し訳なさでますます胸が痛くなった。
(そういえば、あのときもルヴィニを羨ましいと思ったっけ)
一瞬だったが、貸家にやって来たルヴィニを妬ましいと思ってしまった。心から祝いたいと思っていたのに、それとは矛盾した感情を抱くなんて情けないと思った。
(……いまも、そう思ってる)
本心からおめでとうと言いたいのは嘘じゃない。それなのにどうしようもなく妬ましくなる。羨ましくて、ルヴィニが花嫁に選ばれなければいいのにと思ってしまった。
(こんなことを思うなんて、僕は最低の兄だ)
わかっているのにわき上がる感情を抑えることができない。
「やっぱり何かあったんだろう? ……もしかして街で狼族に言い寄られたのか?」
低くなった声に慌てて「違います」と答えた。垂れ耳はしっかり隠していたからアフィーテだと気づかれることはない。気づかれなければ言い寄る狼族はいない。
「僕に言い寄る狼族なんていません。ただ……次の月の宴の話を聞いただけで」
「……あぁ、そのことか」
バシレウスの声が一段と低くなった。もしかして触れられたくなかったのだろうか。もしくは新しい花嫁を迎えることに口出しされたくないのかもしれない。そう思うとますます嫌な気持ちが膨れ上がっていく。
(駄目だ、こんなことじゃ本当に捨てられてしまう)
見た目どころか心まで汚くなってはバシレウスの側にいることはできない。リトスはきゅっと唇を噛み、グッと拳を握りしめた。そうして小さく深呼吸をしてからバシレウスを見る。
「あの、おめでとうございます」
「……は?」
「僕は全然気にしてませんから。名家の狼族が何人もの花嫁を迎えることは僕も知っています。だから大丈夫です」
リトスの言葉にバシレウスの眉が寄る。
「俺はリトス以外の花嫁を迎えるつもりはないが?」
「僕のことは気にしないでください」
「リトス、」
「それに、今回の花嫁候補もルヴィニだと聞きました。前にも話しましたけど、ルヴィニは僕の自慢の弟なんです。僕なんかと違って綺麗だし、体もちゃんとしてるし、きっといい花嫁になると思います。だから、」
「リトス」
鋭い声に垂れ耳がビクッと震えた。必死に動かしていた口をぎゅっと閉じる。
(……怒らせてしまった)
リトスを見る金色の目は、まるで怒っているように鋭くなっていた。
「俺の花嫁はリトスだけだと言ったはずだ」
低い声に今度は体全体が震える。バシレウスから初めて感じる威圧するような気配に、リトスは垂れ耳を震わせながら俯いた。
「リトスは俺の言葉が信じられないのか?」
「……それ、は」
信じたい。信じたいが、そういうわけにはいかないのだろうということもわかっていた。だから自分のことは気にしなくていいと言いたいのに言葉が出てこない。
「信じていないんだな」
ため息をついたバシレウスが立ち上がった。
「そもそもルヴィニという弟は……いや、何でもない」
リトスの横をコツコツと靴音が通り過ぎていく。リトスは顔を上げることもできず、ただ足音が遠ざかるのをじっと聞くことしかできないでいた。
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