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(……うぅん、なんだろう……)

 体がぞわぞわする。それにちょっと肌寒い気もした。半分眠ったまま、ごそごそと手を動かしてタオルケットを探すけど目的の物が手に触れない。

(ソファで寝ちゃったんだっけ……?)

 そんな姿を先生に見られたら、また注意されてしまう。だから起きないとと思っているのに、眠いからかなかなか体が動かない。それでも寒くて手を動かしたとき、体の奥がゾクンとしてパチッと目が覚めた。

「眠り姫はやっとお目覚めか」
「あれ……? 先生、いつ帰って……」

 そこまで言って、また体の奥がゾクンとして「ひゃん!」なんて変な声が出てしまった。

「起きたら早速可愛い声か」
「ちょっ、せんせ、なにし……っんぁ!」

 慌てて胸を見たら、先生の長くて綺麗な指が僕の乳首をこねているところだった。

「え? なんで裸に、んっ」
「俺が脱がせたんだよ。脱がせてもキスしても乳首舐めても起きないくせに、体はしっかり反応するんだよな。まったく鈍いんだか敏感なんだか」
「せんせ、待って、ぁんっ」
「もう随分待ったぞ? 風呂も入ったし洗濯もしたし乾燥もさっき終わったところだ」
「せんせ、手、待って、」
「それに見てみろ、もう土曜日だ」

 そう言った先生が僕のスマホを目の前に差し出した。画面には午前二時過ぎの時間と土曜日って文字が表示されている。

「朝まで待ってもよかったんだが、おまえがえらく可愛い格好をしてるから俄然やる気が出てきた」
「へ……?」

 ポカンとしたあと、ハッと気がついた。慌てて下を見ると、上半身は裸なのに下はカボチャパンツを穿いたままだ。

「こっちはギリギリまで穿いたままにしておくか」
「せんせ、これ違うからっ。そういうんじゃなくて、んっ、んぁっ、はぅっ」
「大丈夫、大丈夫。菜月なつきはどんな格好でも可愛い」
「待って、せんせ、待って、」
「ん? 待てないのはおまえのほうじゃないのか? ほら、ぐっしょりになってる」
「ひゃうっ」

 先生の手が撫でた僕の股間はぐっしょり濡れていた。寝ている間に大きくなった挙げ句、漏らしてしまったらしい。僕は先走りが多いみたいで、いつもすぐにぐちょぐちょになってしまう。

「先生、待って」

 僕だけこんなになっているなんて恥ずかしすぎる。そう思って股間を撫でている先生の腕を掴んだら、なぜかニヤリって笑われてしまった。

「この状況で先生なんて呼ばれると犯罪の臭いしかしないな」

 先生の表情が変わったと思った。こういう顔を僕は知っている。初めてセックスしたときと、二回目にしたときもこんな顔をしていた。

「さぁて、お待ちかねのセックス、するか」

 どうしよう、心臓が痛いくらいドキドキする。本当はすぐに「はい」って答えたかったけどなぜか声がうまく出せなくて、代わりにこくりと頷いた。
 そんな僕にニヤッと笑った先生が、仰向けの僕の体をくるっとひっくり返した。そうして「今度は下着なしでこれ着ろよ」と言いながらカボチャパンツと下着をグッと引っ張り下ろす。驚いて慌てて「待って」と言ったのに、先生の指は容赦なくお尻の中に入ってきた。

「んっ」
「やっぱり準備してたか」
「だ……って、」
「ん、上手に準備できてる。そういや暗記科目の点数はよかったな」

 そんなことを言いながらぐちゅぐちゅ動かす指に、僕のお尻はヒクヒク震えっぱなしだった。

「ほら、もう少し腰上げて」
「せんせ、パンツ、じゃま」
「せっかくだから、一回目はこのままな」
「このままって、ひゃっ! せん、せ……っ、待っ、ゆっくり、入れ、て……っ」

 指が抜けたと思ったら、すぐに熱くて硬いものが入り口にぴたりとくっついた。そのままググッと穴を広げていく。二回目のときはもっと指でしてからだったのにと思って「待って」と言ったのに、先生は「悪い」と言ってそのまま動いた。

「ゆっくりするのは後でな」
「ひぃ……!」

 カボチャパンツと下着を中途半端に着たままの状態で、熱くて硬いものが一気に入ってきた。前回したのは一カ月以上前なのに、そんなに急に入れるのは怖い。そう思ってぎゅうっと目を瞑ったけど、痛みを感じたのは一瞬だけだった。お腹は少し苦しかったけど、奥のほうがゾクッとして耳の裏がぞわぞわしてくる。

「おまえ、物覚えがよすぎだろ。それとも我慢できなくて自分でいじってたとか?」
「待っ、せん、せ」
「あっという間に柔らかくなったぞ。これならある程度いけるな」
「せん、っ!」

 硬い先端が奥にごつんとぶつかった気がした。目の奥がバチバチして息ができなくなる。「先生のバカ!」って思ったのは一瞬で、すぐに体の奥からゾワゾワが広がってお尻がビクンビクンと跳ねた。

「トコロテンとか、エロいにも程があるだろ」
「ところ……?」

 ぼんやりしたまま顔を下半身のほうに向ける。覗き込むように見えた僕のちんこは下着に引っかかったままだ。そのちんこがビクビク揺れながら射精していた。

(したぎと、カボチャパンツが、よごれる)

 そんなことを思っていたら、腰を掴んだ先生がずるっと硬いものを動かした。そのまま今度はずぶっと奥に入ってくる。

「まって、僕いってるから、まって」
「一回、出すから」
「まっ、や、んぁ! いって、から、ぁんっ! やだ、まって、まってって、……っ!」

 そのまま何度かズボズボ動かした先生が、僕の中にグーッと突っ込んでからブルッと震えた。その間も僕のちんこからはトロトロ漏れっぱなしで、同じくらい僕の口からも声が出っぱなしになった。

「けっこう出たな」

 うつ伏せのまま力が抜けている僕の隣で、先生がゴムをティッシュに包んでいる。いつの間にゴムなんて付けたんだろう。そんなことを思いながらぼんやり見ていたら、薄ピンク色の新しいゴムが先生の立派すぎるものを包み込んだ。

「じゃあ、お望みどおりゆっくりしたセックス、するか」
「待って、まだお尻、変だから」
「ん? ……大丈夫、切れてない。少し赤くなってるだけで、めちゃくちゃエロいぞ」
「んっ、さわん、ないで」

 穴を指でふにふにされてゾクンとした。中も入り口もぞわぞわして、それが玉とちんこに伝わってじんじんしてくる。

「その前に脱がすか」

 中途半端に引っかかっていた下着とカボチャパンツを引っ張り下ろされた。ちんこと下着の間にヌチャァとしたものが糸を引く。そのままさらに引っ張り下ろされて、ぶるんと飛び出たちんこから僕のお腹に精液が飛び散った。

「おまえも結構出たな」
「せんせ、待ってって、」

 素っ裸になった僕の体が、今度は仰向けに転がされた。脱力したままの両足を持ち上げた先生が楽しそうに僕の股間を見ている。きっとまた入れるつもりなんだ。
 まだお尻がジンジンしていた僕は、このまま入れられたら大変なことになると思って「待って」と手を伸ばした。その手が先生の腕に触れる前に硬いものがズズッと穴を押し広げた。

「ん……っ」
「ゆーっくり入れような」
「ん、んっ」

 穴がゆっくり広がっていく。硬いものが少しずつ入って、ゆっくり奥に進み始めた。

「ぁ……ぁ、あ……」

 穴と同じくらい、お尻の中がゆっくり押し広げられる。硬いものがどんどん奥に移動して、僕の真ん中が先生の熱でいっぱいになった。

「まだ三回目なのに、熱烈歓迎だな」

 先生の熱がトンとどこかにぶつかった。その瞬間、僕の背中をゾクンとした痺れが走り抜けた。それが頭のてっぺんに伝わって、今度はお尻に向かって降りて来る。

「ふぁ、ぁ、やだ、せんせ、これ、やだ」
「気持ちいいだろ? 中、ずっとうねってるぞ」
「やだ、せんせ、ゆっくり、だめ、」
「嘘つけ、こんなに絡みつかせて」
「やだ、へんなかんじ、するから、おく、ぞくぞくするから、やだって」

 先生がゆっくり動くたびにお腹の奥がゾクゾクした。背中を突き抜ける痺れも大きくなっていく。気持ちいいのがじわじわ広がっていくのが怖くて何度も頭を振った。

「や、せんせ、やめ、ぞくぞくが、くるから、やめ、て」
「トロットロだな。これじゃあ頻繁にセックスなんてできないだろ。そもそもおまえの体がもつとは思えない」
「まって、せんせ、なんかくる、やだ、まって、せんせ、まって」
「大学に入ってから、ますます可愛くなりやがって。俺がどれだけ我慢してるか、考えたこともないだろ?」
「せんせ、まって、」
「待たない。俺を煽ったぶん、今夜はとことんやるからな」

 持ち上げられた両足がぐぐーっと頭のほうに押しつけられる。ものすごく苦しい体勢のはずなのに、それより押さえつける先生の体にきゅんとした。

「前から思ってたんだが、おまえ体柔らかいのな」

 そういえば体育のとき「体柔らけぇ」ってクラスメイトに驚かれたことがあった。そんなことを思い出していたら、先生に耳の中をべろっと舐められた。

「ひん!」
「ほんと、何やっても敏感で可愛すぎだろ」
「や、ぁ……なんか、くる、からぁ」
菜月なつき、可愛い」

 囁かれながら体を押さえつけられた。そうしてお腹の奥まで先生の熱が入り込む。それまでゆっくり動いていた先生が、そこで僕の体の奥を抉るようにゴリゴリし始めた。

「……っ!」

 一度だけビクンと体が跳ねた。すぐに押さえつけるように先生に抱きしめられて、今度は腕の中でビクビク震える。ちんこをいじられるより強烈な何かが体の中で膨らんで、下腹のあたりがブルブル震えるのがわかった。

「~~……!」

 口を開けたけど声は出なかった。体が勝手にビクンビクン動いている。気がついたら先生の背中を力いっぱい抱きしめていて、同じくらいお尻にも力が入っていた。そんな僕のお尻に先生が何度も腰を押しつけている。

「はー……、二回目なのに結構出たな」

 体を起こした先生が、ゆっくりと硬いものを引き抜いた。それだけで、僕の体はまたビクッと震えてしまった。

「さて、あと何回いけるかな」
「せんせ……?」

 ぐったりしたまま顔だけ動かして先生を見る。僕の大好きな手が、新しい薄ピンクのゴムを持っているのが見えた。

「せ、んせ」
「二回じゃ収まらないくらい、俺も菜月なつきが好きなんだよ」

 その後、僕は声が枯れるまで先生とセックスした。途中からお尻の感覚がなくなって、ちんこからは何も出なくなった。それでも先生はセックスをやめなかった。
 先生が三度目を出すまでに、僕はお尻だけで何度も気持ちよくなった。最後は精液か何かわからないものをプシュッと吹き出して、そのまま気絶するように眠った。

 次の日、目が覚めてからも僕はぐったりしていた。

「先生、やりすぎ」
「やりたがってたのはおまえのほうだろ?」
「そ、うだけど、でもあんなにまでしなくても」
「嫌だったか?」

 そんなことを思うはずがない。あんなに何回もしてもらって嬉しくないはずがなかった。

「そもそも、おまえだけがしたいわけじゃないからな」
「へ?」
「セックスしたいのはおまえだけじゃないって言ってるんだ。俺だってまだ二十代だ。十代には負けるが性欲が枯れているわけじゃない。それにおまえはもう教え子じゃなくなった。それなら遠慮なくできるって、俺だって考えないわけじゃない」
「それって」
「だからって、おまえが学生の本分を忘れるような環境にはしたくない。教え子じゃなくなっても、可愛い恋人のことが心配なんだよ」

 ニヤリと笑う先生を見て顔が熱くなった。

「というわけで、今後も平日はしない。……そういえば、そろそろ夏休みだな」

 先生の笑顔が少しだけ変化した。ニヤリとしているのは同じだけど、見ているだけでドキドキする笑顔だ。

「夏休みなら、次の日のことを気にする必要はないか」
「先生?」
「夏休みが楽しみだなぁ? ドロッドロにして、そうだな、一晩で何回いけるか数えてみるか。それとも尻だけでいける数にするか?」
「あの、先生、」
「楽しみだなぁ、菜月なつき?」

 先生の笑顔が、セックスのときと同じ雰囲気に変わった。僕はようやく「大好きな恋人がセックスしてくれない」なんて悩みは、悩みでも何でもなかったことに気づいた。
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みんなの感想(2件)

セザンヌ108
2023.11.12 セザンヌ108

いつもいつもいつも
性癖にぶっ刺さる甘々を
ありがとうございます。
いいですね!
オンオフきっちり!
嗚呼とても良いものであります。

朏猫(ミカヅキネコ)
2023.11.12 朏猫(ミカヅキネコ)

感想ありがとうございます。
性癖にヒットできて良かったです(エアー握手)! やっぱりイケナイ大人はいいなぁと思います。真面目なのに不真面目な大人と純情青年……あ、涎が。

解除
「 」
2023.06.01 「 」

はじめまして!
とてもドストライクなお話でした。
夏休み編を求む…

朏猫(ミカヅキネコ)
2023.06.02 朏猫(ミカヅキネコ)

感想ありがとうございます。
ドストライク…(エアー握手)! ありがとうございます! 夏休み、先生は一体何をするつもりなのか…むしろカボチャパンツでまた誘うのか…!?

解除

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