30 / 76
Chapter02 色付く世界
Dream 029
しおりを挟む
マップを確認するとここは《エンガル中央広場》というらしかった。
広場を抜けるとそこはもう迷路のような街並み。赤煉瓦造りの美しい家々が建ち並んだ、まるで異国のような空間。
整備された水路と、往来する小舟があげる水飛沫が頬にかかる。
耳を澄ますと微かにバックグラウンドミュージックが聞こえた。
トランペット、軽やかなパーカッション。まさしく『始まり』のような音楽。
遠くに見えるのはまるで『世界樹』と呼ばれるような大樹。
しかしその世界樹は緑に溢れてなどいない、ただの枯れ果てた古木。威厳と荘厳さは感じられるが……何かが足りない。
私はそんな街並みを、ただひたすらに駆け抜けた。
「ちょいと、お嬢さん!」
他のプレイヤーが見えなくなったところで、おじいさんに話しかけられた。一体なんだろう。
「なんでしょうか?」
「お嬢さん……クレリックだろ? ちょっと私の孫の容態を見てくれないか」
私の何を見てクレリックだと判断したのかはわからないが、恐らくこのお爺さんはNPC。この入り組んだ路地裏をクレリックである私が通ったことにより生じたイベント。スルーするわけにはいかない。
そういえばNPCかプレイヤーかは照準のマークでわかるんだっけ。そうだ、NPCの場合は黄色いマーク、プレイヤーの場合は青いマークだった。
確認すると、やっぱり目の前のお爺さんは黄色い円形のカーソルが頭上に表示された。
それはいいとして──
「孫の容態? お孫さんが病気なんですか?」
もしも病気というのが単純なHPの減少だったら、天使の歌声を使えばいい。だけどそんな単純なものではないはずだ。クレリック以外にもHP回復系のスキルを使える職業はあるだろうし。
「いや、これは『呪い』の類だと思うんだけどねえ……」
「呪い?」
「クレリックなのに呪いを知らないのかい?」
「あー、確かデバフ? の一種ですよね」
なんだか知らないとダメっぽかったので、なんとか気合いで思い出した。
確か呪いにも種類があるんだっけ……? てっきりプレイヤーにしかかからないものだと思ってたけど……NPCにもデバフってかかるものなんだ。
「ああ。基本的な呪いは5種類ある。そのどれかを見破るにはクレリックやパラディンが持っているスキル『聖職者の心眼』が必要なのだ……」
「え……」
焦る。聖職者の心眼なんてスキル、取得してない……そういえばスキルを使用するにはスキルスロットにスキルを入れておかないといけないんだっけ。
もうダメかもしれないけど……確認だけでもしてみよう。
「どうしたんだい?」
私があたふたしているのを感じ取ったのか、少し眉を顰めているお爺さん。
「ちょっと待っててください……」
えーと、メニューウィンドウからスキルを開いて……そこからスキルスロット……これだ。
スキルスロットをタップしたところで、私が今取得していて、スキルスロットに入れることができるアクティブスキルの一覧が表示された。
そこにはなんと取得した記憶のない『聖職者の心眼』が存在し、私は思わず「嘘!」と叫んでしまった。さらには『聖職者の祈り』というスキルまであった。
説明を読むと、聖職者の心眼は呪いの効果が分かるというスキル。聖職者の祈りは効果の分かった呪いを解除できるというスキル。つまり聖職者の心眼を使った後に聖職者の祈りを使うということらしい。
「何が嘘なんだね?」
「あっいや……なんでもないです。聖職者の心眼……わかりました。お孫さんを見せてください」
おそらくこのスキルは職業由来のもの。クレリックなら最初から確定で取得済みとなっているスキル……なはず。
私は案内されるがままお爺さんについて行き、家の中へと入った。
内部は実に質素な造りで、キッチン、テーブル、椅子、そして男の子が寝ているベットしかなかった。
そのまま男の子の元まで歩みを進め杖を振り、スキル『聖職者の心眼』を発動させる。
それにより私の目の前には『生命力の呪い』と書かれたウィンドウが表示された。
それを更にタップすると、『生命力の呪い(小)──HPの最大値が30%減少。HP自然回復不可』という説明が表示された。
なるほど。NPCのHPを見ることはできないが、この男の子は瀕死の状態というわけね。
よーし、次は呪いのデバフを無効化できるというスキル『聖職者の祈り』を使って……
聖職者の祈りの発動条件は、杖を掲げ5秒静止すること。この5秒は言わば『CNT』というらしい。
「はい。とりあえず呪いは解きました!」
「おお……! 本当かね!」
私の言葉にお爺さんは孫だという男の子の元まで駆け寄った。だが男の子は少しは顔色が良くなったもののぐったりしたまま。
やはりHPの自然回復だけではまだ元気になるには足りないか。ってことで、
「次はHPを回復させます」
今度はスキル『天使の歌声』を男の子を対象に発動。
天使の歌声はHPを僅かしか回復させることができないが、HPの最大値が低いであろう男の子が元気になるHPまで回復するには十分だったようで、男の子はパッチリと目を覚ました。
「おお……目を覚ましたのか……! あなたにはなんとお礼を言ったらいいか……」
元気になった男の子を見て、感激からか声を震わしているお爺さん。
やだなあそんなに感激しなくても。ちょっと照れちゃうな。
「いえいえ、お役に立てたようでよかったです!」
丁寧に頭を下げるお爺さん。私はすっかり気分が良くなったところで、踵を返そうとした。だが。
「ちょっと待ってくれ。よかったらこれを使っておくれ」
そう言ってお爺さんがどこからか取り出したのは、銀色のシンプルだが美しい錫杖。
「いいんですか? 大したことしてないのに…」
「当家に代々伝わる物ですが……私が持っていても使うことがないのでね……あなたに使ってもらった方がその杖も喜ぶでしょう」
「そうですか。では有り難く頂戴します」
なんだか気が引ける部分もあったが、私はその錫杖を貰い受け、再びエンガルの街並みに足を踏み入れた。
それにしても……
「あれが本当にAIだというの?」
先ほどからずっと疑問に思っていたこと。その呟きはエンガルのBGMに溶け込んで──消えた。
後書き
『聖職者の心眼…対象にかけられた呪いの効果が分かる CT5s MP5』
『聖職者の祈り…効果の判明した呪いを解呪することができる。CT5s MP30 CNT5s』
それぞれの職業には取得せずとも最初から取得済みとなっているスキルが存在します。上記2つはクレリック、パラディン、またはその上位職専用スキルです。
CNTは詠唱時間…chant timeの略です。
呪いについて。
呪いには種類が存在し、『生命力の呪い』『精神力の呪い』『攻撃力の呪い』『魔法攻撃力の呪い』『防御力の呪い』の5つが基本的な呪いとして存在します。
その他にも厄介な呪いは存在しますが…それはまた後ほど。
NPCの呪いは聖職者の心眼など鑑定系のスキルを通さないと判明しないです。しかしプレイヤーならどの呪いにかかったかはステータスを見れば分かります。
ローレンティアが最後に貰った杖について。
『ガルー家秘伝の杖 E
MATK + 85
HP + 22
MP + 15
INT + 10
DEX + 8
AGI + 5』
名前の横のEはその武器のレア度です。
広場を抜けるとそこはもう迷路のような街並み。赤煉瓦造りの美しい家々が建ち並んだ、まるで異国のような空間。
整備された水路と、往来する小舟があげる水飛沫が頬にかかる。
耳を澄ますと微かにバックグラウンドミュージックが聞こえた。
トランペット、軽やかなパーカッション。まさしく『始まり』のような音楽。
遠くに見えるのはまるで『世界樹』と呼ばれるような大樹。
しかしその世界樹は緑に溢れてなどいない、ただの枯れ果てた古木。威厳と荘厳さは感じられるが……何かが足りない。
私はそんな街並みを、ただひたすらに駆け抜けた。
「ちょいと、お嬢さん!」
他のプレイヤーが見えなくなったところで、おじいさんに話しかけられた。一体なんだろう。
「なんでしょうか?」
「お嬢さん……クレリックだろ? ちょっと私の孫の容態を見てくれないか」
私の何を見てクレリックだと判断したのかはわからないが、恐らくこのお爺さんはNPC。この入り組んだ路地裏をクレリックである私が通ったことにより生じたイベント。スルーするわけにはいかない。
そういえばNPCかプレイヤーかは照準のマークでわかるんだっけ。そうだ、NPCの場合は黄色いマーク、プレイヤーの場合は青いマークだった。
確認すると、やっぱり目の前のお爺さんは黄色い円形のカーソルが頭上に表示された。
それはいいとして──
「孫の容態? お孫さんが病気なんですか?」
もしも病気というのが単純なHPの減少だったら、天使の歌声を使えばいい。だけどそんな単純なものではないはずだ。クレリック以外にもHP回復系のスキルを使える職業はあるだろうし。
「いや、これは『呪い』の類だと思うんだけどねえ……」
「呪い?」
「クレリックなのに呪いを知らないのかい?」
「あー、確かデバフ? の一種ですよね」
なんだか知らないとダメっぽかったので、なんとか気合いで思い出した。
確か呪いにも種類があるんだっけ……? てっきりプレイヤーにしかかからないものだと思ってたけど……NPCにもデバフってかかるものなんだ。
「ああ。基本的な呪いは5種類ある。そのどれかを見破るにはクレリックやパラディンが持っているスキル『聖職者の心眼』が必要なのだ……」
「え……」
焦る。聖職者の心眼なんてスキル、取得してない……そういえばスキルを使用するにはスキルスロットにスキルを入れておかないといけないんだっけ。
もうダメかもしれないけど……確認だけでもしてみよう。
「どうしたんだい?」
私があたふたしているのを感じ取ったのか、少し眉を顰めているお爺さん。
「ちょっと待っててください……」
えーと、メニューウィンドウからスキルを開いて……そこからスキルスロット……これだ。
スキルスロットをタップしたところで、私が今取得していて、スキルスロットに入れることができるアクティブスキルの一覧が表示された。
そこにはなんと取得した記憶のない『聖職者の心眼』が存在し、私は思わず「嘘!」と叫んでしまった。さらには『聖職者の祈り』というスキルまであった。
説明を読むと、聖職者の心眼は呪いの効果が分かるというスキル。聖職者の祈りは効果の分かった呪いを解除できるというスキル。つまり聖職者の心眼を使った後に聖職者の祈りを使うということらしい。
「何が嘘なんだね?」
「あっいや……なんでもないです。聖職者の心眼……わかりました。お孫さんを見せてください」
おそらくこのスキルは職業由来のもの。クレリックなら最初から確定で取得済みとなっているスキル……なはず。
私は案内されるがままお爺さんについて行き、家の中へと入った。
内部は実に質素な造りで、キッチン、テーブル、椅子、そして男の子が寝ているベットしかなかった。
そのまま男の子の元まで歩みを進め杖を振り、スキル『聖職者の心眼』を発動させる。
それにより私の目の前には『生命力の呪い』と書かれたウィンドウが表示された。
それを更にタップすると、『生命力の呪い(小)──HPの最大値が30%減少。HP自然回復不可』という説明が表示された。
なるほど。NPCのHPを見ることはできないが、この男の子は瀕死の状態というわけね。
よーし、次は呪いのデバフを無効化できるというスキル『聖職者の祈り』を使って……
聖職者の祈りの発動条件は、杖を掲げ5秒静止すること。この5秒は言わば『CNT』というらしい。
「はい。とりあえず呪いは解きました!」
「おお……! 本当かね!」
私の言葉にお爺さんは孫だという男の子の元まで駆け寄った。だが男の子は少しは顔色が良くなったもののぐったりしたまま。
やはりHPの自然回復だけではまだ元気になるには足りないか。ってことで、
「次はHPを回復させます」
今度はスキル『天使の歌声』を男の子を対象に発動。
天使の歌声はHPを僅かしか回復させることができないが、HPの最大値が低いであろう男の子が元気になるHPまで回復するには十分だったようで、男の子はパッチリと目を覚ました。
「おお……目を覚ましたのか……! あなたにはなんとお礼を言ったらいいか……」
元気になった男の子を見て、感激からか声を震わしているお爺さん。
やだなあそんなに感激しなくても。ちょっと照れちゃうな。
「いえいえ、お役に立てたようでよかったです!」
丁寧に頭を下げるお爺さん。私はすっかり気分が良くなったところで、踵を返そうとした。だが。
「ちょっと待ってくれ。よかったらこれを使っておくれ」
そう言ってお爺さんがどこからか取り出したのは、銀色のシンプルだが美しい錫杖。
「いいんですか? 大したことしてないのに…」
「当家に代々伝わる物ですが……私が持っていても使うことがないのでね……あなたに使ってもらった方がその杖も喜ぶでしょう」
「そうですか。では有り難く頂戴します」
なんだか気が引ける部分もあったが、私はその錫杖を貰い受け、再びエンガルの街並みに足を踏み入れた。
それにしても……
「あれが本当にAIだというの?」
先ほどからずっと疑問に思っていたこと。その呟きはエンガルのBGMに溶け込んで──消えた。
後書き
『聖職者の心眼…対象にかけられた呪いの効果が分かる CT5s MP5』
『聖職者の祈り…効果の判明した呪いを解呪することができる。CT5s MP30 CNT5s』
それぞれの職業には取得せずとも最初から取得済みとなっているスキルが存在します。上記2つはクレリック、パラディン、またはその上位職専用スキルです。
CNTは詠唱時間…chant timeの略です。
呪いについて。
呪いには種類が存在し、『生命力の呪い』『精神力の呪い』『攻撃力の呪い』『魔法攻撃力の呪い』『防御力の呪い』の5つが基本的な呪いとして存在します。
その他にも厄介な呪いは存在しますが…それはまた後ほど。
NPCの呪いは聖職者の心眼など鑑定系のスキルを通さないと判明しないです。しかしプレイヤーならどの呪いにかかったかはステータスを見れば分かります。
ローレンティアが最後に貰った杖について。
『ガルー家秘伝の杖 E
MATK + 85
HP + 22
MP + 15
INT + 10
DEX + 8
AGI + 5』
名前の横のEはその武器のレア度です。
11
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
世界最速の『魔法陣使い』~ハズレ固有魔法【速記術】で追放された俺は、古代魔法として廃れゆく『魔法陣』を高速展開して魔導士街道を駆け上がる~
葵すもも
ファンタジー
十五歳の誕生日、人々は神から『魔力』と『固有魔法』を授かる。
固有魔法【焔の魔法剣】の名家――レヴィストロース家の長男として生まれたジルベール・レヴィストロースには、世継ぎとして大きな期待がかかっていた。
しかし、【焔の魔法剣】に選ばれたのは長男のジルベールではなく、次男のセドリックだった。
ジルベールに授けられた固有魔法は――【速記術】――
明らかに戦闘向きではない固有魔法を与えられたジルベールは、一族の恥さらしとして、家を追放されてしまう。
一日にして富も地位も、そして「大魔導になる」という夢も失ったジルベールは、辿り着いた山小屋で、詠唱魔法が主流となり現在では失われつつあった古代魔法――『魔法陣』の魔導書を見つける。
ジルベールは無為な時間を浪費するのように【速記術】を用いて『魔法陣』の模写に勤しむ毎日を送るが、そんな生活も半年が過ぎた頃、森の中を少女の悲鳴が木霊した。
ジルベールは修道服に身を包んだ少女――レリア・シルメリアを助けるべく上級魔導士と相対するが、攻撃魔法を使えないジルベールは劣勢を強いられ、ついには相手の魔法詠唱が完成してしまう。
男の怒声にも似た詠唱が鳴り響き、全てを諦めたその瞬間、ジルベールの脳裏に浮かんだのは、失意の中、何千回、何万回と模写を繰り返した――『魔法陣』だった。
これは家を追われ絶望のどん底に突き落とされたジルベールが、ハズレ固有魔法と思われた【速記術】を駆使して、仲間と共に世界最速の『魔法陣』使いへと成り上がっていく、そんな物語。
--------
※小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。
『魔王討伐クエスト』で役に立たないからと勇者パーティーに追い出された回復師は新たな仲間と無双する〜PK集団が英雄になるって、マジですか!?〜
あーもんど
ファンタジー
1プレイヤーとして、普通にVRMMOを楽しんでいたラミエル。
魔王討伐を目標に掲げ、日々仲間たちと頑張ってきた訳だが、突然パーティー追放を言い渡される。
当然ラミエルは反発するものの、リーダーの勇者カインによって半ば強制的に追い出されてしまった。
────お前はもう要らないんだよ!と。
ラミエルは失意のドン底に落ち、現状を嘆くが……『虐殺の紅月』というパーティーに勧誘されて?
最初こそ、PK集団として有名だった『虐殺の紅月』を警戒するものの、あっという間に打ち解けた。
そんなある日、謎のハッカー集団『箱庭』によりゲーム世界に閉じ込められて!?
ゲーム世界での死が、現実世界での死に直結するデスゲームを強いられた!
大混乱に陥るものの、ラミエルは仲間達と共にゲーム攻略へ挑む!
だが、PK集団ということで周りに罵られたり、元パーティーメンバーと一悶着あったり、勇者カインに『戻ってこい!』と言われたり……で、大忙し!
果たして、ラミエルは無事現実へ戻れるのか!?
そして、PK集団は皆の英雄になれるのか!?
最低で最高のPK集団が送る、ゲーム攻略奮闘記!ここに爆誕!
※小説家になろう様にも掲載中
タイムワープ艦隊2024
山本 双六
SF
太平洋を横断する日本機動部隊。この日本があるのは、大東亜(太平洋)戦争に勝利したことである。そんな日本が勝った理由は、ある機動部隊が来たことであるらしい。人呼んで「神の機動部隊」である。
この世界では、太平洋戦争で日本が勝った世界戦で書いています。(毎回、太平洋戦争系が日本ばかり勝っ世界線ですいません)逆ファイナルカウントダウンと考えてもらえればいいかと思います。只今、続編も同時並行で書いています!お楽しみに!
ママチャリってドラゴンですか!? ~最強のミスリルドラゴンとして転生した愛車のママチャリの力を借りて異世界で無双冒険者に~
たっすー
ファンタジー
フードデリバリーをしていたオレは、仕事中の事故で死んでしまい、異世界に転生した。
だけど転生した後も日雇い仕事に精を出すだけのうだつのあがらない毎日は変わらなかった。
そんなある日、路地裏の揉め事に巻き込まれる。
手酷い暴行を受け意識を失ってしまったオレを宿まで運び傷を治してくれたのは、オレよりも遅れてこの世界に転生してきた、元の世界にいた頃の愛車(ママチャリ)シルバーチャリオッツ号だった。
シルバーチャリオッツ号はこの世界にドラゴンとして転生してきており(でも見た目は自転車のまんま)、思念伝達のスキルで会話ができる(でもちょっとウザい)オレの相棒となる。
転生にともなって思念伝達以外にも様々なスキルを獲得していたシルバーチャリオッツ号は、この世界では超つよのチートドラゴンだった(でも見た目は自転車)。
転生前の自炊生活で学んだオレの料理の知識と、シルバーチャリオッツ号のチート能力を駆使して、オレたちは様々な問題を解決していく。
最強ママチャリとちょっと料理ができるだけのオレの異世界活躍譚。
あれ、もしかしてオレってオマケ?
異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~
夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。
しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。
とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。
エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。
スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。
*小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み
巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる