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休み明けの日、廊下を歩いていると向こうから七海中佐と藤堂中佐が歩いてくる。
「よう!庵青年元気かぁー?」
「おはようございます七海中佐、藤堂中佐」
「おはよう。庵伍長」
廊下で立ち止まり簡単な挨拶をする。すると、七海中佐がズズズィ~と顔面ギリギリまで近づいてくる。
「うわぁ!?なんなんですか?」
「いやぁ━━顔に傷は無いかなぁーと思ってなぁー?・・・・・でっ、飲ましたのか?」
意味もなく背筋が伸びる。視線が泳ぐ。喉が何故からカラカラに渇いている。
「あ~え~・・・・・はい」
歯切れ悪く答えると、中佐達は顔を見合わせる。
「やってしまったか」
「お疲れ様~」
「中佐達の言っている意味がものすご~~~く分かりました。「死人が出る」とか「血の池地獄」とか・・・・・」
あれは本当に血の池地獄間違いないだろう。自分でもヤバかったんだから、他人が見たら間違いない。
すると、両肩をそれぞれ中佐達がポン!と、叩いて鼓舞する。
「安心しろ!飲ませなきゃいいんだよ。あと、青年なら華麗に対処したんだろう?中学生の恋を抜けて大人の恋に一歩近づいたと思えばいいじゃねーか?」
「二人っきりだったら別に減るものじゃないからな。違う一面も見れて良かったと思えっ!」
七海中佐はいつまで中学生の恋を引っ張るんですか?そのせいで自分たちがどんな目にあったか覚えてますよね?
藤堂中佐・・・・最後キレ気味に言っているのは気の所為でしょうか?
二人の中佐達に励ましの言葉をもらい、庵はその日を過ごしていった。
いつもの稽古に書類作業。チラチラと夜神を見るが普段と変わらない。
それは昨日も同じだった。気絶なのか酔ってなのか、絶頂と共に胸に倒れ込み寝息をたてていた。それからある程度の時間まで寝かせていたが、起こすといつものように一分の二度寝とともに、いつもと変わらない目覚めをしていた。
そして、風呂場の記憶はあるが、飲んでからの記憶がないようで自分から色々としていたことをすっかり忘れていた。
その思い出は自分の中に留めておこうと思い、夜神には飲んでからの事は一切言ってない。
「普段と一緒」としか伝えてない。そのせいもあるのか、今も普段と変わらず仕事をして、自分にも接している。
酒の力はスゲーな。と、思いそして飲ませるのは、時と場所を選ぶことを重々承知する庵でもあった。
普段と変わらないが、吸血鬼は予告なしにやってくる。それを討伐していく。
そして、その為の訓練を怠ることはしない。
毎日の生活の中で軍に所属している、自分達の日常は変わらない。
そんな中でも、学生の久慈の前期のテストがあり、勉強を稽古を死物狂いでやり遂げ、全力をぶつけたテスト結果が発表される。
一年前の自分と同じように落着かない様子の久慈学生に、庵は懐かしさを覚えた。
自分もそうだった。時計やモニターを交互に見たり、ウロウロしたり、きっとこの光景は毎年繰り返される光景の一つなのかもしれない。
「庵先輩~~!どうしましょう。目茶苦茶、不安なんですよ!先輩の時もこんな感じだったんですか?」
「同じだよ!自分の時もこんなに感じだったよ」
「口らが心臓出そう・・・・」
「久慈君なら心配ないよ。相澤中佐がしっかりと指導してたからね。自分を信じてね?」
「夜神大佐ぁ~~」
落着かない久慈君を見て声をかける。毎年の事だけど結果が出るまでは、どこの部屋も学生もソワソワするのは仕方ない。
早く出て欲しいが、決められた時間にならないと発表されないのでそこは仕方がない。
ソワソワした時間を過ごしていると、時間になりモニターが変わる。
「出た!!」
久慈君の悲鳴にも似た声で部屋のみんながモニターに注目する。
第五位 第一室所属 久慈 彰
「あった━━!!五位!五位ですよ!相澤中佐!」
「あぁ、頑張ったな。久慈!努力した結果だ。おめでとう」
教育係の相澤が努力の結果を褒めると、長谷部室長を筆頭に隊長達もそれぞれ祝の言葉を述べる。もちろん夜神も一言述べる
「おめでとう。努力の結果だね。久慈君が頑張ったからだよ」
「ありがとうございます。夜神大佐」
憑き物が落ちた、気持ちのいい笑顔をして久慈は室長や夜神達のそれぞれの言葉に、感謝の言葉を伝えていった。
結果が出て、しばらくは何処の部屋でもおこる現象の一つだ。それが喜びか、悔しさかは学生達の努力の結果で変わる。
夜神達、第一室は久慈学生の努力で喜びの結果になり、その日は気持ちよく過ごせたのは間違いなかった。
それは、教育係でもない庵も一緒だった。
庵自身も嬉しさがあった。
まだまだ、伍長クラスで教育係になるのは程遠いが、いつかは苦楽を共にしていく、学生の手助けが出来ればと思った。
それは、素晴らしいことで、誇らしいことだとも思う。
その為には自分を強くしないといけない。
「高位クラス武器」を所持しているが、その「高位」クラスをまだ討伐してない。
時期尚早と判断されているのは重々承知している。
自分は夜神達のように、経験を積んでない。少しずつなのも理解している。
理解しているが・・・・・・・
「俺も頑張らないと・・・・」
誰にも聞こえない声で一人、誓をたてた。
「よう!庵青年元気かぁー?」
「おはようございます七海中佐、藤堂中佐」
「おはよう。庵伍長」
廊下で立ち止まり簡単な挨拶をする。すると、七海中佐がズズズィ~と顔面ギリギリまで近づいてくる。
「うわぁ!?なんなんですか?」
「いやぁ━━顔に傷は無いかなぁーと思ってなぁー?・・・・・でっ、飲ましたのか?」
意味もなく背筋が伸びる。視線が泳ぐ。喉が何故からカラカラに渇いている。
「あ~え~・・・・・はい」
歯切れ悪く答えると、中佐達は顔を見合わせる。
「やってしまったか」
「お疲れ様~」
「中佐達の言っている意味がものすご~~~く分かりました。「死人が出る」とか「血の池地獄」とか・・・・・」
あれは本当に血の池地獄間違いないだろう。自分でもヤバかったんだから、他人が見たら間違いない。
すると、両肩をそれぞれ中佐達がポン!と、叩いて鼓舞する。
「安心しろ!飲ませなきゃいいんだよ。あと、青年なら華麗に対処したんだろう?中学生の恋を抜けて大人の恋に一歩近づいたと思えばいいじゃねーか?」
「二人っきりだったら別に減るものじゃないからな。違う一面も見れて良かったと思えっ!」
七海中佐はいつまで中学生の恋を引っ張るんですか?そのせいで自分たちがどんな目にあったか覚えてますよね?
藤堂中佐・・・・最後キレ気味に言っているのは気の所為でしょうか?
二人の中佐達に励ましの言葉をもらい、庵はその日を過ごしていった。
いつもの稽古に書類作業。チラチラと夜神を見るが普段と変わらない。
それは昨日も同じだった。気絶なのか酔ってなのか、絶頂と共に胸に倒れ込み寝息をたてていた。それからある程度の時間まで寝かせていたが、起こすといつものように一分の二度寝とともに、いつもと変わらない目覚めをしていた。
そして、風呂場の記憶はあるが、飲んでからの記憶がないようで自分から色々としていたことをすっかり忘れていた。
その思い出は自分の中に留めておこうと思い、夜神には飲んでからの事は一切言ってない。
「普段と一緒」としか伝えてない。そのせいもあるのか、今も普段と変わらず仕事をして、自分にも接している。
酒の力はスゲーな。と、思いそして飲ませるのは、時と場所を選ぶことを重々承知する庵でもあった。
普段と変わらないが、吸血鬼は予告なしにやってくる。それを討伐していく。
そして、その為の訓練を怠ることはしない。
毎日の生活の中で軍に所属している、自分達の日常は変わらない。
そんな中でも、学生の久慈の前期のテストがあり、勉強を稽古を死物狂いでやり遂げ、全力をぶつけたテスト結果が発表される。
一年前の自分と同じように落着かない様子の久慈学生に、庵は懐かしさを覚えた。
自分もそうだった。時計やモニターを交互に見たり、ウロウロしたり、きっとこの光景は毎年繰り返される光景の一つなのかもしれない。
「庵先輩~~!どうしましょう。目茶苦茶、不安なんですよ!先輩の時もこんな感じだったんですか?」
「同じだよ!自分の時もこんなに感じだったよ」
「口らが心臓出そう・・・・」
「久慈君なら心配ないよ。相澤中佐がしっかりと指導してたからね。自分を信じてね?」
「夜神大佐ぁ~~」
落着かない久慈君を見て声をかける。毎年の事だけど結果が出るまでは、どこの部屋も学生もソワソワするのは仕方ない。
早く出て欲しいが、決められた時間にならないと発表されないのでそこは仕方がない。
ソワソワした時間を過ごしていると、時間になりモニターが変わる。
「出た!!」
久慈君の悲鳴にも似た声で部屋のみんながモニターに注目する。
第五位 第一室所属 久慈 彰
「あった━━!!五位!五位ですよ!相澤中佐!」
「あぁ、頑張ったな。久慈!努力した結果だ。おめでとう」
教育係の相澤が努力の結果を褒めると、長谷部室長を筆頭に隊長達もそれぞれ祝の言葉を述べる。もちろん夜神も一言述べる
「おめでとう。努力の結果だね。久慈君が頑張ったからだよ」
「ありがとうございます。夜神大佐」
憑き物が落ちた、気持ちのいい笑顔をして久慈は室長や夜神達のそれぞれの言葉に、感謝の言葉を伝えていった。
結果が出て、しばらくは何処の部屋でもおこる現象の一つだ。それが喜びか、悔しさかは学生達の努力の結果で変わる。
夜神達、第一室は久慈学生の努力で喜びの結果になり、その日は気持ちよく過ごせたのは間違いなかった。
それは、教育係でもない庵も一緒だった。
庵自身も嬉しさがあった。
まだまだ、伍長クラスで教育係になるのは程遠いが、いつかは苦楽を共にしていく、学生の手助けが出来ればと思った。
それは、素晴らしいことで、誇らしいことだとも思う。
その為には自分を強くしないといけない。
「高位クラス武器」を所持しているが、その「高位」クラスをまだ討伐してない。
時期尚早と判断されているのは重々承知している。
自分は夜神達のように、経験を積んでない。少しずつなのも理解している。
理解しているが・・・・・・・
「俺も頑張らないと・・・・」
誰にも聞こえない声で一人、誓をたてた。
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