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閑話 イタリア共同演習

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教育係として、学生に色々と教えていく上で外せない教育内容に「共同演習」がある。
年二回あり、相手国と自国でそれぞれ三日間ある。そして休暇が三日間あり計六日間の滞在である。
二日間はまさに共同演習である。建物内の索敵や牽制、民間人がいることを想定しての攻撃などだ。

三日目はサバイバルゲームのようなことをする。頼れるのは自軍のみ。
持ち点があり、攻撃されると持ち点が減っていく。0点になるか又は気絶させられたら終了である。
最後まで残り、持ち点が一番高かった者が勝者である。

その勝者はただ褒められるだけだったのだが、数年前に七海少佐が「褒められるだけじゃ張り合いがないから、勝者は相手国の人を誘って三日間ある休暇のうち、一日だけその人と観光してもらうのはどうよ!」と相手国に持ちかけたのだ。
すると「その案、乗った!受けて立つ!」とノリノリの返答があり、その時のサバイバルゲームは今までで類を見ない程の凄まじさと、気迫に満ちたもので上層部の人達は関心して、見ていたのだ。
勿論そんな提案があったことなど知らない状態だ。

その時に狙われまくったのが、夜神である。
夜神の持ち点を減らすだけ減らせれば、勝者にはならない。そして、自分が勝者になれば「あの夜神」を指名して観光出来るのだ。
勿論誰にも邪魔されることなくだ。なんと素晴らしい事だ。

日本の吸血鬼殲滅部隊の夜神凪中佐と言えば、世界の軍の中では有名人である。
その不思議な白い瞳は勿論だが、一人でA・Sクラスの討伐をする強さも有名だ。本来なら隊長を入れて五・六人で討伐出来るのだ。
それを一人でこなしているのだから最強と言わざるおえない。
そして何より整った美人顔で華奢だが胸がある、そのアンバランスが色んな意味で凄くいい。

だか、夜神はどこ吹く風で鬼気迫る相手国の軍人を、連続攻撃で持ち点を減らし、時には気絶させて、その時の勝者になった。
七海の提案を「また、やらかした」と言って少し悩んだ末、相手国の女性軍人数名に声をかけて案内を頼んだのだ。
もちろん男共は嘆き悲しみ、声をかけられた女性軍人達は喜んで案内役を承ったのだ。
夜神曰く「相手国の人だから同性でもいいでしょう」だ。異性とは言ってなかったので夜神の案は可決されたのだ。

そして、その話はまたたく間に他国の軍人達に広がり、三日目のサバイバルゲームの勝者は、相手国の人と観光をお願いするのが浸透していく。
上層部も最初は眉を寄せていたが、徐々に緩和されていったのだから何とも言えないものだ。

最初に言い出した七海少佐は、この案の発案者なので毎年演習が近くなると、各国の軍から問い合わせがくる。
一部の軍人には「神」などと言われ崇め奉られているのだ。そのせいで、長谷部室長は演習が近くなると胃痛がある。

それからは、年二回ある演習の三日目はどこの軍隊も白熱した戦いを繰り広げられる。
特に夜神が居る日本軍との戦いは類を見ないほどの戦いで、死人が出ないのが不思議なぐらいの戦いっぷりだ。
特に夜神を全力で叩き潰そうと、相手国は躍起になるが、それをどこ吹く風と受け流して、それ以上に叩き潰すのが夜神である。
そのための毎回勝者になっているのだ。

そんな共同演習が、前半の六月にある。今回の相手国はイタリアだ。
イタリアも強者揃いで有名だか、そのうちの一人、カルロ・ベルナルディ中佐は日本好きで有名である。
個人で旅行に行くぐらい好きである。そして、夜神中佐に猛アプローチをしている事でも有名である。
イタリア軍の人間なら殆どが知っているのだ。
だか、猛アプローチしていても、尽く撃墜されているのだ。夜神本人から。
それでもめげないカルロ中佐は別の意味で猛者かもしれない。


そして、日本軍の選ばれた人間達は、イタリアの軍本部で歓迎と、三日間の説明を受けているのだ。イタリア軍の演習責任者であるカルロ・ベルナルディ中佐の説明で。

これからの三日間が色んな意味で荒れる三日間になるのは、想像出来ると誰もが思うが、役一名だけが荒れるとは思ってもいなかった。
その一名はもちろん夜神中佐だ。

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イタリア共同演習です。最初は説明だらけでしたが、次からは話を進めたいと思います。
カルロ中佐の猛アプローチ、そして撃墜させていく夜神中佐。楽しみです
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