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七海からの提案を受けてしまったので、夜神は庵から竹刀を借りて七海と向かい合う。
お互いに一礼をして、七海は床に向けて構え、夜神も床に向けて下段の構えをする。
二人の周りの空気に緊張が走る。それを見ている庵も何故か緊張で喉がカラカラになってしまい唾を飲む。それぐらい二人の間に緊迫したものがあるのだ。
先に仕掛けてきたのは七海からであった。先程の庵にしたように、胴に向って鎬を打ちつけようとする。
だが夜神は後ろに軽く飛んでそれをかわすが、その事を計算していたのか、そのまま槍を持つ腕を伸ばして突いてくる。
夜神は下段からその槍を払い、目を凝らさないと分からないスピードで、一気に七海のところまでいくと、軍服を掴み小柄な夜神からは想像もつかない力で、大柄の七海を投げ飛ばし、床に倒れた七海に竹刀の柄を頭に「コツン」と軽く打ち付ける。
「はい、私の勝ち」
「何で突然、投げ技が来るんだよ。槍と竹刀の勝負だったんじゃないのか?」
「誰もそんな事を言ってないよ。だってここは総合道場だから何でもありでしょう」
「屁理屈だな」
床に大の字になったまま、七海は夜神に文句を言ってくるが、夜神はニッコリしてその文句を受け流す
ラインの外で正座して見ていた、庵はあまりのスピードに目が追いつけなかった。
気がついていたら夜神が七海を投げている状態だったのだ。
今のスピードは人間技か?それとも上位クラス武器の恩恵からなるものか?
庵は大の字になって寝ている七海と、その横で何故か正座して話している夜神を見て、とりあえず立ち上がり二人の元に行く
「今のスピードは何だったんですか?全然見えませんでした。高位クラス武器の恩恵でしょうか?」
「う~んそれもあるし、自分の元々の身体能力もあるし、相乗効果かな?」
「夜神は基本的に身体能力が高いんだよ。それに武器の恩恵もあるからな。それにしても、投げ技はなしだよな。せっかくなら槍対竹刀の勝負見たかったよなー庵青年!」
体を起こして、庵を見る七海は何だか不満気味だったが、夜神はクスクス笑って七海を見る
「なーに笑ってるんだよ、折角カッコいい所を見せつけて、庵青年に「凄いですね!一生ついて行きます!」何て言われたかったのになー。計画が丸潰れだな」
ニヤニヤ笑いながら、無精ひげを撫でて七海は冗談を、真剣な声で言ってくる。その発言を聞いて庵は「ははっ」と笑うしかなかった。
その場の雰囲気を笑いに変えて、少し和やかになる。
七海の持っている対人スキルの高さは相変わらず凄い。
夜神は自分では出来ない事を、息をするように軽くしてしまう七海を、羨ましいと思ってしまう。
たまにいい加減な事もあるが、それも七海の魅力の一つだろう。
「よっこいしょ!そんじゃー夜神の用事も終わったし、俺はそろそろ退散しようかな。書類が溜まってんだよなー。本当討伐すればするほど、書類が増えるのはまじ勘弁してほしいよ」
「しょうがないでしょう。隊長なんだし、全体での任務の時は作戦立案は虎次郎が主にするからその案は残しておかないといけないし。いいじゃない。私なんか今度の共同演習の書類でプチパニック状態だよ」
「お互い大変だよなー。庵青年もその内、俺らみたいになるから、その時は覚悟しとけー」
七海は立ち上がると槍を肩に担ぎ、背中を向けて手をヒラヒラさせて道場を後にする。
「庵君も着替えておいで。今からトレーニングするから、ジャージに着替えてね」
「トレーニングですか?」
「そう、弱い所を鍛えつつ、全体的に成長させていくから。私も一緒にするから、着替えたら第一室に集合ね」
夜神指導のトレーニングはどんな恐ろしいトレーニングなんだろう?庵は不安を覚えつつ指示された通り、着替えのため道場を出て行くのであった。
お互いに一礼をして、七海は床に向けて構え、夜神も床に向けて下段の構えをする。
二人の周りの空気に緊張が走る。それを見ている庵も何故か緊張で喉がカラカラになってしまい唾を飲む。それぐらい二人の間に緊迫したものがあるのだ。
先に仕掛けてきたのは七海からであった。先程の庵にしたように、胴に向って鎬を打ちつけようとする。
だが夜神は後ろに軽く飛んでそれをかわすが、その事を計算していたのか、そのまま槍を持つ腕を伸ばして突いてくる。
夜神は下段からその槍を払い、目を凝らさないと分からないスピードで、一気に七海のところまでいくと、軍服を掴み小柄な夜神からは想像もつかない力で、大柄の七海を投げ飛ばし、床に倒れた七海に竹刀の柄を頭に「コツン」と軽く打ち付ける。
「はい、私の勝ち」
「何で突然、投げ技が来るんだよ。槍と竹刀の勝負だったんじゃないのか?」
「誰もそんな事を言ってないよ。だってここは総合道場だから何でもありでしょう」
「屁理屈だな」
床に大の字になったまま、七海は夜神に文句を言ってくるが、夜神はニッコリしてその文句を受け流す
ラインの外で正座して見ていた、庵はあまりのスピードに目が追いつけなかった。
気がついていたら夜神が七海を投げている状態だったのだ。
今のスピードは人間技か?それとも上位クラス武器の恩恵からなるものか?
庵は大の字になって寝ている七海と、その横で何故か正座して話している夜神を見て、とりあえず立ち上がり二人の元に行く
「今のスピードは何だったんですか?全然見えませんでした。高位クラス武器の恩恵でしょうか?」
「う~んそれもあるし、自分の元々の身体能力もあるし、相乗効果かな?」
「夜神は基本的に身体能力が高いんだよ。それに武器の恩恵もあるからな。それにしても、投げ技はなしだよな。せっかくなら槍対竹刀の勝負見たかったよなー庵青年!」
体を起こして、庵を見る七海は何だか不満気味だったが、夜神はクスクス笑って七海を見る
「なーに笑ってるんだよ、折角カッコいい所を見せつけて、庵青年に「凄いですね!一生ついて行きます!」何て言われたかったのになー。計画が丸潰れだな」
ニヤニヤ笑いながら、無精ひげを撫でて七海は冗談を、真剣な声で言ってくる。その発言を聞いて庵は「ははっ」と笑うしかなかった。
その場の雰囲気を笑いに変えて、少し和やかになる。
七海の持っている対人スキルの高さは相変わらず凄い。
夜神は自分では出来ない事を、息をするように軽くしてしまう七海を、羨ましいと思ってしまう。
たまにいい加減な事もあるが、それも七海の魅力の一つだろう。
「よっこいしょ!そんじゃー夜神の用事も終わったし、俺はそろそろ退散しようかな。書類が溜まってんだよなー。本当討伐すればするほど、書類が増えるのはまじ勘弁してほしいよ」
「しょうがないでしょう。隊長なんだし、全体での任務の時は作戦立案は虎次郎が主にするからその案は残しておかないといけないし。いいじゃない。私なんか今度の共同演習の書類でプチパニック状態だよ」
「お互い大変だよなー。庵青年もその内、俺らみたいになるから、その時は覚悟しとけー」
七海は立ち上がると槍を肩に担ぎ、背中を向けて手をヒラヒラさせて道場を後にする。
「庵君も着替えておいで。今からトレーニングするから、ジャージに着替えてね」
「トレーニングですか?」
「そう、弱い所を鍛えつつ、全体的に成長させていくから。私も一緒にするから、着替えたら第一室に集合ね」
夜神指導のトレーニングはどんな恐ろしいトレーニングなんだろう?庵は不安を覚えつつ指示された通り、着替えのため道場を出て行くのであった。
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